今回のテーマは【がん各論編(大腸がん・膵臓がん・胃がん)】でした。受講対象は【がん総論編】を学んだ方々で、杏林アカデミーの中級講座や上級講座もすでに修了してくださっているわけですが、そんな皆さんがさらに深く学べるような、かなり専門的な内容になっています。
今回参加してくださった堀井計さんには、講座の中でご自身の体験談を語っていただきました。4年前にがんが発覚してからいろいろな方法を試してきたこと、細胞環境デザイン学に出会ってがんとの向き合い方が変わったこと、がんと闘うのではなくがんと共に生きていること、今も元気に過ごしていることなどを、リアルな言葉で話していただいたのは、とても貴重な機会になりました。
また、講座後の一言コメントやアンケートの回答(下記)からは、受講者の皆さんが充実の時間を過ごしてくださった様子が伝わってきて、私自身もほっとしています。
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◆大腸がん対策において、よく耳にするもの、手に取りやすい食べ物もたくさんあることに改めて気がつきました。自分も他の方も、もっと実践をしやすいように、考えて発信していきたいと思いました。
◆膵臓がんとMgの関係、膵臓がん発生に至る過程について理解を深めることができました。
◆膵臓がんの死亡率が極めて高いことは認識していたのですが、予防法や治療法の情報が少なくて困惑しておりました。今回、レベルの高い情報を入手できて本当にありがたく思います。
◆毎回とても難しい内容ですが、有意義な時間でした。復習を繰り返し、食の大切さを自身に、家族に、周りの方々に説いていきたいと思います。
◆機序も対策も、これだけ丁寧に書かれているテキストは他にないです。素晴らしい講義でした。現代医療での治療過程もふれてくださったことで、比較しやすくとてもよかったです。
◆細胞環境を整えること、遺伝子変異は枝葉末節的な結果であること、マグネシウムの大切さを、再確認させていただきました。
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がんという病気を極度に恐れるべきでないことや、劣悪な細胞環境で生存するための最終手段が「がん化」であること、細胞環境を整備すれば予防も治癒も可能であることなどを、一人でも多くの医療従事者や当事者に知っていただきたい、希望を持っていただきたいと、改めて強く感じた今回の講座でした。
]]>ムックのタイトルは『頭をよくする食事術』。“賢脳”と“健脳”のダブルミーニングになっていて、特に巻頭は「健康脳を磨く!頭が良くなるマル秘習慣」と題したブックインブック(とじ込み付録)の体裁で、これまでのムックの情報も生かしつつ、新たなコンテンツも随所にちりばめられています。
ブックインブックでは、食習慣や生活習慣に関する、世代別の1日のスケジュールを見開きで提案しました。また、「教えて知世先生!」のコーナーでは、食べ方に関するさまざまな質問に対して娘の知世が回答しています。さらには「究極の食事」に基づいた「究極の弁当」も初公開し、このブックインブックだけでも非常に充実の内容になっています。
ムックの後半では、前作の『老化が止まる食事術』でもご紹介したファイトケミカルについて、さらに詳しく解説しました。ミネラルやビタミンと同等の「第7の必須栄養素」であることを、より実感していただけるのではないかと思います。
新たなコンテンツとしては「ゲノム編集食品」についても取り上げました。遺伝子組み換え食品との違いなど、今だからこそ知っておきたい情報について分かりやすくまとめられています。
これまでにない独創的な表紙デザインで、書店に並んでもとても見栄えがすると思います。実は今回のムックは、4月の東京イベントを記念して、宝島社の計らいで実現した企画です。私と知世で共同監修した作品ですので、今回のムックも楽しみにしていてください!
4/5(金)に全国書店やネット書店で発売予定です。
■■■ 細胞環境デザイン学セミナー【東京】■■■
THE “最高の健康”
(宝島社 山田豊文監修MOOKシリーズ 累計115万部突破記念企画)
▼イベントページはこちら
https://passmarket.yahoo.co.jp/.../detail/027uujygyfa31.html
▼山田豊文・山田知世 共同監修『頭をよくする食事術』(宝島社TJMOOK)
]]>東北大学の研究チームが、約4000名分の脂質の血中濃度と食習慣の関連性を解析した結果、菓子類の摂取自体がオメガ3脂肪酸の血中濃度を減らし、オメガ6脂肪酸の血中濃度を増やしていたことが報告されています。
この相関は、魚介類などの摂取量の因子を調整後も依然として有意なものであったとのことで、菓子類由来のオメガ6脂肪酸が拮抗することによってオメガ3脂肪酸の血中濃度を減少させた可能性が推測されています。
オメガ3脂肪酸が健康によいということは、世間でもすっかり定着した感があります。だからといって「オメガ3をとりさえすればいい」というわけではありません。特にオメガ6脂肪酸との摂取比率が非常に重要であり、全身の細胞が正しく働くかどうかを大きく左右するポイントです。
今回の研究結果は、一見すると至極当然のことで、取り立てて話題にするほどではないようにも映るかもしれません。しかし、「高オメガ3脂肪酸‐低オメガ6脂肪酸‐低飽和脂肪酸‐トランス脂肪酸ゼロ」という、私がこれまでにあらゆる場面でお伝えしてきた脂肪酸バランスの重要性について、改めて注意喚起してくれているように思います。
また、菓子類に伴う健康リスクの大きさを、今まで以上に強く感じさせるものでもあります。
2022年に行われたインターネットの調査では、間食の習慣がある人は全体の7割(男性6割強、女性8割強)に及び、食べるものの内訳は多い順に「チョコレート」(5割強)、「スナック菓子」「せんべい・あられなどの米菓」「クッキー、ビスケット」(各5割弱)、「アイスクリーム類」「ケーキ類、シュークリーム、ドーナツ、マドレーヌ等」(各4割弱)であることが分かっています。そのほとんどが、脂肪酸バランスを乱す要因に満ち満ちています。老若男女全てが当事者なのだといっても過言ではありません。
間食をとるにしても、それは「お菓子」である必要はありません。あくまでも「おやつ」にすべきです。監修ムック『老化が止まる食事術』(宝島社)でも、健康的なおやつの選び方などを解説していますので、ぜひご参照ください。
また、油(脂肪酸)の話については4月の東京イベントでも詳しく解説します。皆さんお誘い合わせの上、ふるってご参加ください!
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THE “最高の健康”
(宝島社 山田豊文監修MOOKシリーズ 累計115万部突破記念企画)
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<参考文献>
Dietary habits and plasma lipid concentrations in a general Japanese population
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38441752/
]]>
「“ほんもの”未来フォーラム2024」という、本物研究所様主催のイベントに講師として招かれ、私は「聞こえない音」の重要性について話をしてきました。
「聞こえない音」(超高周波音)は、耳では聞こえないほど高い音なのですが、実は私たちは体の細胞でしっかり聞いていて、特に「脳」(基幹脳)の健康と密接にかかわっています。ところが現代社会では、そんな「聞こえない音」が環境中から得られなくなっていて、そのせいで心身の健康を損ねているのではないか…という人が少なくありません。そのため、生活の中に「聞こえない音」を取り戻す方法などについて、具体的に解説しました。
私は学生時代に音楽を知り、世の中にこんなに美しいものがあるのかと驚き、それ以来たくさんの幸運にも出会うことができました。“音楽のない人生は基本的に過ちである”というニーチェの言葉は、私の座右の銘になりました。
芸術の中で、音楽は最も神に近い存在だと思います。
クラシック音楽を鑑賞するたびに、このような美しく感動的なメロディーを、よくぞ人間が考えついたものだといつも驚嘆します。多くの人に、音楽の素晴らしさを体験してほしいと思います。
今回のイベントの全体テーマが「日本再生」ということで、日本人が失ってしまったものを取り戻そうというコンセプトでしたので、「音」の重要性にも大いに興味を持ってくださったのではないかと思います。実際、会場に設けられた書籍販売ブースでも、『脳に効く!「聞こえない音」と「見えない光」』をはじめ、私の著書や監修ムックをたくさんの方にお求めいただけましたし、サイン会にもたくさんの方が列をつくってくださいました。本当にありがたい限りです。
東京での久々の講演はあっという間でしたが、会場とオンラインを通じた多くの方々に話をし、また直接交流することができて、とても充実した時間になったと思います。
杏林予防医学研究所主催の4月の東京イベントでも、多くの方々にお会いできるのを楽しみにしています!
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前年から5.1%減の75.8万人で、減少ペースは当初の想定より加速していて、このままいくと2035年には50万人を下回るのではないかと試算されています。本当に由々しき事態です。
少子化が叫ばれて久しい昨今。未婚化や晩婚化、結婚や出産に対する価値観の変化、育児に対する経済的負担など、世間ではさまざまな要因が論じられていますが、私が最も危惧するのは「子どもが欲しいのにできない」という不妊の問題です。
トランス脂肪酸を筆頭に、不適切な食事や栄養、悪しき生活習慣の数々が不妊に直結することは、さまざまな研究でもすでに示されているわけですが、それにもかかわらず、肝心の当事者たちが、こうした要因について十分な知識を持っていないのが現状です。そのため、多くのカップルは食習慣や生活習慣の見直しを行うのではなく、高額で侵襲性の高い不妊治療に望みを託しています。その姿は、生活習慣病を現代医療で解決しようとする人たちと重なります。
こうした人たちを一人でも減らすと共に、めでたく授かった命が無事に誕生し、健やかに育っていけるような世の中を築くべく、JALNI(日本幼児いきいき育成協会)の活動を推進しています。
あなたで変わる、子どもの未来。――このJALNIのスローガンを、今一度皆さんにかみしめていただきたいと思います。
また、4月には東京で、杏林予防医学研究所主催の特別イベントを開催します。私と娘の知世のコラボ講演会ですので、ぜひご参加ください!
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]]>この講座は、JALNIシニアインストラクター、JALNIジュニアインストラクター、杏林アカデミー中級講座以上の修了者のいずれかに該当する方のみが受講できる、JALNIの中で最高位の資格講座です。
1日完結の講座ながら、とても充実した中身の濃い講座になったと思います。
今回は、先日投稿したトランス脂肪酸に関するWHOのニュースリリースの内容もふまえつつ、「とるべき油」と「避けるべき油」について、いつも以上に強調してお話ししました。子どもたちを取り巻くさまざまな環境要因の中でも、油のとり方、特に「脱トランス脂肪酸」は、JALNIの活動のアイコンともいうべき最重要課題です。
受講してくださった皆さんの感想をいくつか紹介します。
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◆日本の伝統発酵調味料を伝承していきたいのと、地球環境を今の大人たちが気をつけるようにするなど、子どもの未来のために働きかけていきたいと思って受講しました。トランス脂肪酸と胎児や母親の妊娠中の注意点などが特に勉強になりました。皆さんに正しい知識を広めていくべく、イベントやサロンをやっていこうと思います。
◆受講しているドクターたちの人間性や講座の内容が素晴らしい。ここで得た知識や体験を医院内や患者さんにも還元したい。
◆一般の方にどのように知ってもらうか、いつも悩ましく、そのヒントをもらえればと思って受講しました。音に関して詳しく学ぶことができ、より重要性を感じることができました。いま必要な知識は‟何を避けるべきか”なのではないかと強く感じました。
◆山田先生の本を読み、JALNIの存在を知りました。子どもたちの未来のためにしっかり学び、人に伝えられるようになるために受講しました。
◆ジュニアインストラクター養成講座を受講し、もっと詳しく知りたかったので受講しました。子どもや保護者を相手に食育の指導を行う機会がとても多いので、院内でセミナーを開催し、正しい情報を伝えていきたい! 講座で得た知識を、自信を持って人に発信していきたい。
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今回の受講者は歯科医や歯科衛生士の方が多く、子どもたちの歯の健康状態が年々悪くなってきているのを実感していることや、やはり親の食事が大切であり、大人が変わらないと子どもも変わらないことなどを、口々にコメントされていたのが印象的でした。
次回のマスター養成講座は9/26(木)です。それまでの間には、ジュニアインストラクター養成講座や一般向けセミナーも、全国各地やオンラインで開催されます。ぜひ、それぞれの講座やセミナーにご参加ください!
また、オンライン署名のご協力と拡散も引き続きよろしくお願いします。
▼JALNIの各講座やセミナーの日程はこちら
▼脱トランス脂肪酸に向けてのオンライン署名はこちら
]]>先月末には、脱トランス脂肪酸の取り組みが優秀で世界をリードしている5か国に対し、WHOが初めて表彰したというニュースリリースが報じられました。
WHO awards countries for progress in eliminating industrially produced trans fats for first time
https://www.who.int/.../29-01-2024-who-awards-countries...
それによると、トランス脂肪酸の完全排除に向けたWHOのREPLACE計画に基づき、世界の模範になるようなベストプラクティス政策を実行しているデンマーク、リトアニア、ポーランド、サウジアラビア、タイの5か国に、その取り組みを評価する証明書を初めて授与したということです。
これらの国々は、WHOの2018年からの呼びかけにいち早く反応し、国レベルでの実績を示した先駆的存在といえます。その後も多くの国々がこの5か国に続いており、2023年だけに限っても、エジプト、メキシコ、モルドバ、ナイジェリア、北マケドニア、フィリピン、ウクライナの7か国がベストプラクティス政策を実行したといいます。
こうしてみると、どうしても際立ってしまうのが日本の無策ぶりです。「日本人の摂取量は少ないから問題ない」という姿勢を一向に変えず、民間レベルでの削減策にとどまってしまっている現状は、もどかしいの一言に尽きます。
そんな現状を踏まえての、JALNIでの署名活動であり、日曜日のJALNIマスター養成講座です。私たちの力で日本を変えていきましょう!
▼トランス脂肪酸に関する署名サイト
▼JALNIホームページ
]]>この講座では、子どもの健全な育成に不可欠なさまざまな要素について、専用テキストを使いながら広く深く掘り下げていきます。
専用テキストは実に270ページ超に及び、次のような章で構成されています。
−−−
第1章 概要
第2章 胎内に響く奇跡の音の振動
第3章 生命信号とは
第4章 発達障害の原因 〜卵子から乳児まで〜
第5章 発達障害の原因 〜子どもから大人まで〜
第6章 避けなければならない油
第7章 必ず食べなければならない油
第8章 子どもの脳の発達に必要な油
第9章 発達障害を防ぐための他の観点
第10章 その他の有害物質
第11章 体内を浄化する
第12章 正しい食生活をする
第13章 子どもたちの生活を見直す
第14章 脳力を飛躍的に高める学習方法
第15章 まとめ
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講座を前にテキストを読み返してみても、各章の随所に、極めて重要なエッセンスがぎっしり詰まっていることを改めて実感します。そして、一人でも多くの人にこれらの情報を知っていただきたい、学んでいただきたいと切に願います。
現代社会を少しでもよりよくしていくために、子どもたちが心身共に健康で暮らしていけるような世の中にしていくために、日曜日の講座を充実の時間にしたいと思います。
1日完結の講座ですので、京都までぜひ受講しにきてください。
皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
JALNIマスター養成講座に関するお問い合わせ
]]>初日は、なぜミネラルファスティングを行う必要があるのかについて、再確認も兼ねた講義を行いました。合宿のサブタイトル「ミトコンドリアを活性化・増殖させる!」のとおり、細胞レベルでリセットや若返りを目指すためには、ミトコンドリアを元気にすることが絶対不可欠です。まずは「理論」でこのことを学んでいただきました。
そして「理論」の後は「実践」です。ミネラルファスティングは、単に専用ドリンクを飲みながら過ごすというものではなく、生活習慣全般の改善を試みながら健康の維持増進を図る、トータルパッケージの健康プログラムです。特に、全身の細胞に「適度なストレスの合わせ技」を与えることで、細胞の本気モードを引き出していくのが重要なポイントとなります。
そのために用意したのが、「9つのメソッド」と「適度なストレス」(主に寒暖差刺激)を存分に組み合わせた作戦です。
参加者の皆さんには、2日間で盛りだくさんのプログラムを体験していただきました。
このプログラムの中には、【運動】(Exercise)、【水】(Water)、【日光】(Sunlight)、【音】(Sound)、【節制・断食】(Temperance)、【空気】(Air)、【休息】(Rest)、【信仰】(Trust)という、9つのメソッドのエッセンスがぎっしり詰まっています。その上で、ミネラルファスティング後に「究極の食事」という【栄養】(Nutrition)の要素を実践すれば、細胞環境は大いに改善され、ミトコンドリアもすこぶる元気になること請け合いです。
合宿の感想をいくつかご紹介しておきます。
−−−
●今回の合宿は最高に楽しかったので、細胞環境デザイン学の集大成として多くの方におすすめしたい内容でした。
●とにかく、とてもよく、たくさんの体験ができたのでよかったです。細かい準備などありがとうございました。快適な2日間、あっというまでした。
●体験がぎゅっと詰まってたけど疲れなく心地よい合宿でした。ありがとうございます。ファスティングに興味がある人へのセミナーなどもあると助かるなと思いました。
●杏林アカデミーの中級講座や上級講座の1日に、1日ファスティング体験を組み込んでもらえるといいなあと思います。いつもきめ細やかな応対をしてくださって本当に感動しています。ありがとうございました。
●今回、山田先生の考案・開発されたミネラルファスティングを、久しぶりに体験したくて再び参加しました。(合宿参加前に過ごした断食期の)1日目と2日目は体が少しきつかったが、(合宿に参加してからの)3日目以降はとてもラクで、改めてすごく画期的なプログラムだと体感できました。今後の合宿もぜひ参加したいと思っています。ありがとうございました。
●7日間の断食を行うのは、自分一人だと気が進まないが、年に一度みんなで集まって行えることがきっかけになるのでありがたいです。写経、座禅、ヨガ、全て初体験だったので楽しく、学びもありました。ミネラルファスティングを行うと体が軽くなり、脳が活性化されるのが体感できるので、習慣として行うべきだと改めて思いました。2日間ありがとうございました。
−−−
参加者の皆さん、2日間お疲れ様でした!
また企画したいと思いますので、その際はぜひご参加ください!
]]>食物繊維を餌に腸内細菌がつくり出す短鎖脂肪酸が、腸に限らず心身の健康の維持増進に幅広く貢献すること、その一環としてアレルギー性疾患の予防や緩和にも役立つことは、杏林アカデミーの講座や私の本、その他の講演会などでもこれまでにご紹介してきました。
先日、そんな短鎖脂肪酸の抗アレルギー作用について、東京理科大学の研究チームがメカニズムの一端を解明しています。その研究結果は多分に示唆的です。
まず、短鎖脂肪酸を経口摂取したマウスではアナフィラキシーが有意に改善されることが分かっています。アナフィラキシーの症状は、腹痛や嘔吐のほか、呼吸困難や血圧低下、意識障害なども生じうるため、場合によっては命にかかわります。さしずめ“高繊維食は命を救う”といったところです。
また、今回の研究では、短鎖脂肪酸がマスト細胞に作用する受容体についても同定されました。マスト細胞は、白血球や赤血球と同じように造血幹細胞に端を発する、血液細胞の一種です。ヒスタミンなどの起炎性サイトカインを放出することでアレルギー反応に関与しているのですが、短鎖脂肪酸がマスト細胞の受容体に作用すると、ヒスタミンなどの放出が抑制されます。
そして、この受容体はナイアシンの受容体でもあり、ナイアシンも短鎖脂肪酸と同じようにアナフィラキシーを改善することが示されました。つまり、食物繊維とナイアシンの十分な摂取による、抗アレルギーの相乗効果が期待できるわけです。
さらには、この受容体に短鎖脂肪酸やナイアシンが作用すると、種々のプロスタグランジンの産生が促進され、特にプロスタグランジンE2(PGE2)がマスト細胞の起炎性サイトカインの放出を抑制することが分かりました。PGE2といえばアラキドン酸(オメガ6)由来の脂質メディエーターであり、むしろ炎症を促進するイメージがあるだけに、この結果は意外にも思えます。少なくとも食物繊維やナイアシンを十分に摂取している限りは、そして高オメガ3‐低オメガ6‐低飽和脂肪酸‐トランス脂肪酸ゼロの理想的な脂肪酸バランスを心がけている限りは、PGE2が“善玉”の働きをしてくれるものと考えられます。
極め付きは、「ヒストン脱アセチル化酵素を介したエピジェネティックな遺伝子発現調節」です。要するに、食物繊維やナイアシンをとっていれば、たとえ遺伝的にアレルギー症状が出やすい人(いわゆる「アレルギー体質」の人)でも症状緩和が大いに期待できることを意味します。「遺伝=運命」ではなく、日々の暮らし方によって良くも悪くも変わっていくのだということです。
一方で見逃せないのが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が、短鎖脂肪酸やナイアシンのアナフィラキシー改善効果を阻害してしまうという報告です。NSAIDsは市販の解熱剤(解熱鎮痛薬)や風邪薬(総合感冒薬)に配合されていることが多く、本来はプロスタグランジン類の産生を阻害することで強引に炎症を抑えるのが特徴です。それなのに、逆にアレルギーや炎症を増悪化させるというのは、NSAIDsが細胞の働きを大混乱に陥れている様子が想像できます。拙著『ウイルスにおびえない暮らし方』(共栄書房)でも、NSAIDsがサイトカインストームを招き、かえって新型コロナを重症化させうることを警告しました。本当にやっかいな薬だと思います。
今年は花粉の飛散が例年よりも早めのようです。新型コロナとインフルエンザの同時流行も報じられています。とにもかくにも、皆さんは「究極の食事」を通じて食物繊維をしっかりとりつつ、脂肪酸バランスも維持しながら、ナイアシンをはじめとするビタミンB群も十分に摂取し、アレルギーやウイルスに負けない体づくりを実践していってください。
ちなみに私はナイアシンを欠かさず摂取していて、毎晩ぐっすり眠れます。睡眠(休息)も、9つのメソッドの重要な柱です。
<参考文献>
東京理科大学ニュースリリース
「短鎖脂肪酸がアレルギーを抑制する作用機構を解明」
]]>中級講座では、まずは細胞環境デザイン学の概念や考え方について理解していただいた上で、細胞環境デザイン学の柱となる「9つのメソッド」のうち、主に「栄養」(Nutrition)の要素を2日間でじっくり学んでいきます。
今回の講座はいつもにも増して和気あいあいで、終始和やかな雰囲気でした。
早朝プログラムでは、まずは冬の真っ暗な空のもとで下鴨神社などを散策しました。その後、リスニングルームでアナログレコードとオープンリールテープの聞き比べをしてもらいました。オープンリールデッキやテープは初めて見たり聞いたりしたという方も多く、とても驚かれていました。
ここで、受講された皆さんの感想をいくつかご紹介しておきます。
***
●山田先生の書籍を複数読んでいて、ぜひ直接講義を受けたいと思ったのが受講のきっかけ。食品会社に勤めており、お客様に安心して食べてもらえる商品づくりのために知識を得たかった。早朝プログラムを一番楽しみにしていた。山田先生の歩行速度が速くてビックリ。レコード音楽の鑑賞会は感動だった。毎日聴くことのできる山田先生がうらやましい。
●音楽は日頃、パソコンから出る音で楽しむ程度だが、早朝プログラムではレコードとスピーカーから流れる音楽のよさを改めて実感できた。昼食では健康的な食事の模範が体験できてよかった。
●栄養についてより知識を深めたいと思って受講しました。エビデンスや実践を通じた知識やノウハウを教えてもらえそうだったのが受講の決め手になりました。
●いろいろな本を読んでいたが、総合的に学びを深めたかったのと、具体的な行動に移したいと思っていた頃に杏林アカデミーの存在を知ったのが受講のきっかけ。講座の内容はボリュームの多さに驚いた。早朝プログラムはとても良かった。四季折々の京都での早朝ウォーキングを体験してみたいと思った。
●山田先生の長年の研究を数時間で教えていただけるありがたさをしみじみ痛感しました。教えていただいたことをほかの人にも伝えていけるよう、繰り返しテキストを読み続けたいと思います。昼食後も午後の講義は眠くなることなく気分もよかったです。栄養の優れた食事の力を実感しました。
●細胞環境デザイン学の要点についてはある程度理解してきたつもりでしたが、改めて講義を聞くことでより理解が深まりました。昼食は想像していた何倍もおいしかったです!できるところから少しずつでも取り入れていきます。
***
ある方からは「正直2日では足りず、4日間くらい集中してもう少し話を聞きたいとの思いでした!」とのコメントも頂戴し、本当にうれしく思いました。
次の講座は5/18(土)・5/19(日)の中級講座です。初めての方も再受講の方も、新緑まぶしい初夏の京都へ、ぜひ学びに来てください!
また、中級講座の「予習」にもピッタリの特別セミナーを、東京で4月に開催します。こちらもぜひご参加ください!
<杏林アカデミー中級講座 開講スケジュール>
https://kyorin-yobou.net/academy/calendar/
<4月特別セミナー【東京】>
https://kyorin-yobou.net/seminar/
]]>
総合ミネラルビタミンのサプリメントは、現代の全ての人にとって基本中の基本、「必須アイテム」ともいうべきものです。
そんなサプリメントが「脳」にも役立つという研究結果が改めて報告されました。
これは、米ブリガム&ウィメンズ病院(ハーバード大学)などの研究チームによるもので、3つの臨床試験に参加した60歳以上の5,000名超を対象にメタ解析を行ったところ、総合ミネラルビタミンのサプリメントを2〜3年にわたって毎日摂取することで、脳機能と記憶力の両方にメリットがあることを示しています。
また、プラセボ摂取群と比較して、脳の老化が 2 年相当遅くなったとのことです。
これを「たった2年か…」と思うか、「2年も得するのか!」と思うかは人それぞれでしょうが、サプリをとるだけでさまざまな健康問題を予防・改善できるうえに、脳の若さも保つことができるのであれば、まさに“儲けもの”ではないでしょうか? それに、細胞環境デザイン学の「9つのメソッド」を通じて食事面やその他の生活習慣の改善も並行すれば、脳の老化遅延効果がさらに高まるはずです。
とはいえ、市販されている総合ミネラルビタミンのサプリメントの品質は玉石混交であり、何でもよいというわけではありません。
選ぶ際には、
●原料の安全性にこだわったもの(オーガニックなど)
●各ミネラル・ビタミンの含有量が十分なもの
●日本人の特性に見合ったバランスで各栄養素が配合されているもの
などのポイントを判断の目安にしてみてください。
食事の質と同時にサプリの質にもこだわりましょう!
<参考文献>
Effect of multivitamin-mineral supplementation versus placebo on cognitive function: results from the clinic subcohort of the COcoa Supplement and Multivitamin Outcomes Study (COSMOS) randomized clinical trial and meta-analysis of 3 cognitive studies within COSMOS
]]>今回はJALNI(日本幼児いきいき育成協会)の会長として、「トランス脂肪酸の食品表示義務化を目指す」というテーマで話をしました。
ラジオカフェの初出演は2010年ですから、かれこれ13年以上のお付き合いになります。そして奇しくも、その初出演時のテーマがなんと「トランス脂肪酸のお話」でした。非常に感慨深く思うと同時に、13年たっても、トランス脂肪酸に対する日本の取り組み状況が一向に前進していないことを意味しており、暗澹たる気持ちにさえなります。
今回はトランス脂肪酸や油の話に特化し、細胞や健康との関連性も説明できたので、あまり知識のない方にも分かりやすいオンエアだったのではないかと思います。DJの松岡さんのフォローも相変わらず的確で、用意したフリップや私の著書などをカメラに提示する役を買って出てくださいました。
今回の収録もこれまでと同様に動画として視聴していただけます。
ぜひご覧いただくと共に、トランス脂肪酸の表示義務化に向けたオンライン署名と拡散にもご協力ください。
◆2024-1-19OA「トランス脂肪酸の食品表示義務化を目指す」
https://radiocafe.jp/200304002/episodes/2024-1-19oa/
◆トランス脂肪酸に関するオンライン署名はこちら
(署名サイトが開きます)
]]>皆さんは職場に向かう際、どんな通勤手段を使っていますか?
電車やバス、車などが多いでしょうか。「通勤なし」の職住近接の方やリモートワーカーもいらっしゃることでしょう。
ここで興味深い研究結果を紹介しておきましょう。
それは「徒歩通勤や自転車通勤が炎症緩和に役立つ」というものです。
研究では、フィンランド在住の就労中の男女6,000名超を対象に、1日の活動的な通勤時間(徒歩通勤や自転車通勤)と炎症マーカー(C反応性タンパク)の関連性が調査されました。その結果、活動的な通勤時間が45分以上になると、交通機関や車を利用している人に比べて、炎症マーカーの血中濃度が大幅に低下したのです。
C反応性タンパク(CRP)は、体内で炎症反応や組織の破壊が発生している時に肝臓で産生されて血液中に出現する物質で、損傷を受けた細胞や病原体に結合し、処理対象の目印となります。炎症反応が強くなるほどCRPの産生量が増加し、血中濃度も高まることから、炎症反応の指標として利用されています。
体を動かすとなぜ炎症が緩和するのかについては、体脂肪の減少によって脂肪組織からの起炎性サイトカイン(IL-6やTNF-αなど)の分泌が低下することや、逆に抗炎症性のアディポネクチンやIL-10などが増加することなどがあげられます。運動時に筋肉でつくられた細胞外SODが血液を介して全身に届けられ、抗酸化作用を発揮することなども、炎症緩和に大きく貢献していると考えられます。
細胞環境デザイン学の「9つのメソッド」のひとつである「運動」。早朝ウォーキングの実践などに合わせて、普段の通勤時間もできる限り有効に利用し、あらゆる健康問題の根源となる慢性炎症を撃退しましょう!また、抗炎症対策には「栄養」のメソッドも不可欠なのは言うまでもありません。
***
今年の中級講座は、来週の1/27(土)・1/28(日)からいよいよスタートです。
皆さんの受講を心よりお待ちしております!
<杏林アカデミー中級講座>
https://kyorin-yobou.net/academy/calendar/
<参考文献>
Association between active commuting and low-grade inflammation: a population-based cross-sectional study
]]>まずは、この度の能登半島地震で犠牲になられた数多くの方々に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復旧・復興を切にお祈り申し上げます。
***
さて、1月15日から「#10000人ファスティング」がついにスタートしました。
ファスティングライフ株式会社主催のビッグイベントで、前回に続き、私は今回のイベントのアンバサダーを務めています。
私の提唱する細胞環境デザイン学において、絶対不可欠なメソッドのひとつであるミネラルファスティング。“ファスティング三種の神器”であるマグネシウム・カルニチン・MSMを強化した専用ドリンクを用いて、生活習慣全般の改善にも取り組みながら、心身の健康の維持増進を追求していくという、唯一無二の健康法です。
細胞環境を乱す種々の有害物質を取り除き、細胞内のミトコンドリアを活性化してエネルギー産生を円滑にし、小胞体ストレスを抑制して生体タンパク質の品質管理システムを正常にする。さらには遺伝子発現にも好影響をもたらす――。こうした数々の細胞機能は、ミネラルファスティングを行うことで最大限に高まります。
今回のイベントを皮切りに、一人でも多くの人にミネラルファスティングの素晴らしさを伝えていくべく、私も新たな気持ちで活動していきたいと思います。
]]>現役時代にご縁がありましたので、心より追悼の意を表します。
そもそものご縁のきっかけは、法務大臣や文部大臣を歴任された稲葉修さんとの雑誌の対談でした。稲葉さんは当時、横綱審議委員会の委員を務められていて、対談の中でも「今の力士は毎日の食事を見直さないといけない」と繰り返しおっしゃっていました。
その流れで稲葉さんから井筒部屋を紹介され、力士に向けて食事や栄養の話をしてもらいたいと依頼を受けたのです。
当時の井筒部屋には5人の幕内力士が所属していました。霧島、逆鉾、薩洲洋、陣岳、そして寺尾という、錚々たる顔ぶれでした。彼らに対し、コンディショニングにおける食事や栄養の重要性について、いろいろな話をさせてもらいました。
その一環として彼らに受けてもらったのが毛髪ミネラル検査でした。その結果、有害重金属の蓄積や、カルシウム‐マグネシウム、ナトリウム‐カリウムのアンバランスなどの典型的な傾向がみられたためアドバイスしました。
なかでも印象的だったのがアルミニウムです。みんな揃ってアルミニウムの数値が異常に高かったのです。いったい何が原因だろうとヒアリングを続けたところ、犯人は何と「胃薬」(制酸剤)でした。
当時の力士たちは体重を増やすために、無理にでも大量に食べて体を大きくしようとしていました。そのため、何かを食べては消化不良を起こし、胃薬を飲んでごまかすという毎日だったのです。実際、体調不良に苦しんでいる様子でした。
そこで私は、食事の内容やとり方を改善するよう伝えました。すると、霧島は大関に、逆鉾と寺尾の兄弟は関脇にまで昇進するなど、彼らはどんどん活躍するようになったのです。
今の私が、元白鵬の宮城野親方をはじめ、大相撲界に広く深くかかわりを持つようになったのも、この井筒部屋とのご縁が最初だったと思うと、実に感慨深いものがあります。錣山親方が早世されたのは本当に残念でなりませんが、ここで改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
]]>長年アナログオーディオに親しんでいますと、理屈では割り切れない、なんとも不思議なことに出会うときがあります。今回は、そういったアナログならではの現象についてのお話です。
CDが流通し始めた80年代中頃以降、どんどんレコードにとって代わるようになってきたCDの音は、当時の私には何故かなじみませんでした。1時間も聴いていると、頭が痛くなってくるのです。CDプレーヤーをあれこれ買い替えたり、なんとか納得した音で聴きたいと思っていろいろと試しました。中には良い音だと感じるものもあるのですがどうもしっくりこず、結果今では自宅にも研究所のオーディオセットにもいわゆる「CDプレーヤー」はつながっておりません。
ところが、何とかいい演奏が入ったCDの音を、もっと改善する方法がないかと試行錯誤を重ねていると、CDの音が予想に反してとてもしっくりとなじむ良い状態になる方法がひとつだけあることに気づきました。それは、CDの音をオープンリールデッキでアナログテープに録音し直すことでした。もういちどアナログテープに音を戻すことによって、CDの持つダイナミックレンジ(音の強弱の幅)の広さの利点はそのままにアナログの良さがにじみ出てくるのです。
これは実際にやってみて実感したことで、理屈で考えると「音が劣化して悪くなるだけのこと、」と考えられます。
「せっかくデジタル化して、アナログ特有のノイズや歪みをなるべく無くした音を、またアナログテープに戻しても、音が劣化するだけ」と。
ではなぜテープにもう一度録音した音が心地よくなるのでしょうか。
一旦解析されてから再構築、「細かく切り刻んでからまた元の形に戻す」というようなデジタル化の工程で「ギザギザになってしまった情報」が、アナログに再変換したときの「程よい劣化」によって「耳障りな音の角」のようなところがうまく取れたような状態になり、よりアナログらしい聴き心地の音になるのではないか、と私は考えています。
この「程よいぼかし」のような効果によって大きな音で長時間聴いても疲れない「より自然な」音になるのですから、不思議なものです。このことに気づいてから、わたしは安心して長い時間CDの音を楽しめるようになりました。
これによく似たエピソードを聞いたことがあります。
あの「音職人」と自認される山下達郎さんは、アナログからデジタルにレコーディングの現場や流通するソフトがどんどん変化して行く中、常に各時代においての最良の音を追及しておられます。
そんな彼がご自身のラジオ番組で、「デジタルで録音した昔の音源を初めてレコード化した時にエンジニアが計測したら、元のデジタルの音源には入っていないはずの超高域の音が出ていることが分かって驚いた。理屈では劣化するはずが、増えている...アナログの世界は本当に奥が深いです。」というお話をされていたのです。
彼が触れたアナログ世界の奥深さは、まさに私が感じていることと同じものなのではないかと感じました。
最近多くの人たちが「やはりアナログで聴く音の方が心地よい」と思われるようになったのも、こういった心地よさが理由なのではないでしょうか。
物質(もの)の特性を利用して日々便利に使っているわたしたちですが、その物質についてのすべてを分かっているわけではありません。
「情報だけの信号(デジタル)」が「実在するもの(アナログ)」に変わるとき、われわれが思いもつかないような何かが起こっている、というお話です。
https://www.facebook.com/100005431607726/videos/pcb.2360115124179518/2096579260677541
]]>
普段から杏林アカデミーの早朝講座などでレコード音楽に親しんでくださっている方が大半でしたが、今回改めて、レコード音楽の素晴らしさを実感していただける機会になったのではないかと思います。
生演奏の素晴らしさは言うまでもありませんが、レコードにはまた別のよさがあり、その音楽の新たな魅力を引き出す力があると私は思っています。
なかでも特筆すべきは、古いSP盤のレコードです。
電気的な加工などがほとんど行われていない時代の、生楽器の音や肉声がそのまま吹き込まれたSP盤レコードには、独特の響きがあり、とても豊富な音情報が含まれています。
我が家のリスニングルームは、その当時の蓄音機でも出し切れなかったような、SP盤の超高周波音の部分もしっかり再生できるように改良を重ねています。そのため、当時の貴重な録音を、その時代の空気感まで存分に感じることができます。
ヨーロッパでは、音楽で病気や体の不調を治す音楽療法の理論が古くからあります。特に音の振動に含まれる特別な周波数が脳機能を改善するといわれています。
実際、今回のレコード音楽を聴かれた方から「不眠症の悩みがその夜には改善された」という嬉しい連絡を下さいました。
哲学者ニーチェは「音楽のない人生は基本的に誤りである」と言いました。レコードを一度も聴いたことがないという方は、ぜひレコード音楽にふれる体験をしていただきたいと思います。
今年もあとわずかとなるなか、皆さんと共にとても豊かな時間を過ごすことができました。ご参加ありがとうございました!
]]>WHOが世界全体での完全排除を目指す中、日本では企業レベルの自主的な削減策はみられるものの、国レベルでの明確な規制が存在しません。そのため、依然としてトランス脂肪酸が含まれているかどうかの判断材料が乏しく、加工食品における含有量の表示義務すらないのが現状です。
せめて、消費者が自分で判断し、取捨選択できる世の中に。
詳細はシェアしたJALNIの投稿をご覧ください。
ぜひとも署名と拡散のご協力をお願いします!
◆オンライン署名はこちら(署名サイトが開きます)
トランス脂肪酸の食品表示義務化を目指しています。
自分で選べる食品を日本にも!
]]>昨年に引き続き、北は青森から南は沖縄まで全国各地から、たくさんの理事の方や、マスター、シニアインストラクター、ジュニアインストラクターのそれぞれのJALNI資格を持つ多くの皆様、また初めてのご縁の方々にもご来場いただき、今回もとても盛大な会となりました。
まずは、セミナー開催の報告や活動報告として、
・尾見京子様(チャイルドバースアカデミー主宰)
ご自身の専門である「ヒプノバーシング(妊婦さんを深いリラックス状態にすることで緊張や痛みを和らげる出産方法)」を交えたJALNI一般向けセミナー開催の方法
・神山明子先生(神山歯科医院)
「特に子どもたちの歯のケアに関して、歯だけでなく、のど、鼻など呼吸に関係するところ全体をバランスよくみることが大事」という独自の視点でのお話を交えた活動報告
など、JALNIマスターのお二人からとても素晴らしいご報告をいただきました。
そして、第1回総会でも大好評だった藤井治子先生のお話です。
産婦人科医ならではの視点からの「産活」をテーマに、前回よりさらに深い内容の今回の第2弾もとても分かりやすく、ためになるお話でした。
「高齢出産のリスク」「凍結卵子の出生率」などのキーワードをもとにしながらの「日本が最も妊娠しにくい国になってしまった理由」や「受精卵の質を上げるために、『細胞環境デザイン学』の理論からの『良い油をとること』の重要性」「妊娠時の母親のメンタルを良く保つことや胎児期からのコミュニケーションの大切さ」など、日々お産の現場で活躍されている藤井先生ならではの、説得力のあるデータを交えた講義は、参加者から「このまま少子化担当大臣にも聞かせたい」という感想をいただくほどでした。
そして私も、「今ならまだ間に合う!自然的生活の取り戻し方」というテーマで講演を行いました。
具体的には、医療に無駄なお金を使わずに、病気にならないようにすることが大切であることや、マグネシウムとカルシウムのバランス、早朝のサンゲージングで体にスイッチを入れるといった、JALNIのコンセプトのバックボーンにもなっている「細胞環境デザイン学」の理論を、子どもたちの生活にどう取り入れていくべきかについてお話ししました。
その後の懇親会では、会場のホテル京阪グランデに準備していただいた、JALNIのコンセプトに沿った料理を、参加者の皆さんとともにおいしくいただきました。
加えて、懇親会の合間にご協力いただいた、歯科医師おふたりによる楽器の生演奏も素晴らしいものでした。西出和貴先生のヴァイオリン、関口一樹理事のチェロ演奏です。”ダブルカズキ先生”の名演は、音楽の重要性を訴えるJALNIの活動にふさわしい、素晴らしい時間となりました。
そして今回も、懇親会の最後に、参加者の皆さんからありがたい感想を聞かせていただきました。それぞれが各々の立場でJALNIの理念に共感し、活動してくださっているのだということを、再認識できました。
おかげさまで、参加者全員の熱い想いが結集した、素晴らしい総会となりました。
改めまして、ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
現在JALNIでは、「トランス脂肪酸の食品表示義務化」を目指した署名運動を展開しております。皆様もぜひご賛同の上、ご署名ください。
◆◆◆チェンジ・ドット・オーグ(署名サイト)◆◆◆
トランス脂肪酸の食品表示義務化を目指しています。
自分で選べる食品を日本にも!
]]>京都は急に冷え込み、秋を通り越して冬の到来かと思わせるような寒さでしたが、今年最後の締めくくりの講座にふさわしい充実の2日間になったと思います。
先日の投稿でもふれたように、講座では「老化細胞の除去」をテーマに、各項目の講義を行いました。ヒトの体には老化細胞を除去する仕組みがありますが、老化細胞が増えるスピードが速かったり、老化細胞を除去する能力が低下していたりすると、組織内に老化細胞がどんどん増加・蓄積していきます。すると、新しい細胞がそこに入り込む余地がなくなるのはもちろんのこと、慢性炎症が誘発されたり、がん化が促進されたりしてしまいます。
そのため、老化細胞をできるだけ速やかに除去すれば、体組織やヒトの老化を防げるわけです。
上級講座で学ぶ項目の全てが「老化細胞の除去」に役立ちます。受講者の皆さんは座学での講義や早朝プログラムを通じて、理論と実践の両面から、そのことを十分に理解していただけたのではないかと思います。
開校10周年の記念すべき年の講座を、全て無事に終えることができました。改めまして、受講してくださった皆さんに深く感謝します。
来年は1月の中級講座からスタートします。
「老化細胞の除去」のアプローチにおいても、最も基本となるのが毎日の食事と栄養です。9つのメソッドの筆頭を飾る「栄養」(Nutrition)をじっくり学んでいただけるのが中級講座です。初めての方も再受講の方も、たくさんの皆さんの受講をお待ちしています!
◆杏林アカデミー中級講座 開講スケジュール
]]>落葉樹の落葉は、冬になる前に一気に進みますから目立ちますが、常緑樹の落葉は長期間を掛けて少しずつ進みますので目立ちにくいです。しかし、常緑樹であっても、しっかりと落葉しています。この落葉という現象は、葉を構成する細胞が1年間、或いは数年間のうちに様々な原因によって傷つき、老化していきますから、それを潔く(いさぎよく)捨てる行為だということになります。
樹の幹の場合は、老化した細胞を捨てずに特別な補強をして、強くて太い幹を作る材料にしています。もちろん、老化した細胞を生かしておくと、その面倒を見るのに余分なエネルギーを消費しますから、この場合も潔く死細胞へと変化させています。そして、幹の内部に閉じ込めて、新しい細胞の邪魔をしないように工夫されます。
このように、何十年、何百年、何千年と生きる樹木を構成する細胞も、各々はしっかりと老化するわけですが、その老化細胞を潔く処分することによって、新しい細胞が出現して活躍できるスペースを与えています。その結果として、樹木全体が、いつになっても若々しいわけであり、老化を感じさせるシーンは滅多に出てこない、ということになります。個体として老化しない、極めつけの良策だと言ってもよいでしょう。
一方、動物である私たちの体はどうでしょうか…? 器官や組織が違えば、それを構成する細胞の寿命は様々です。2〜3日で古くなって処分される細胞もあれば、生涯生き続ける細胞もあります。寿命を全うして処分されるまでの期間は、属する器官や組織ごとに、おおよそ決められているわけです。細胞の「老化」という点で見れば、できることなら、その細胞が老化する前に処分されるのが理想だということになります。即ち、器官や組織は、全てが老化していない健全な細胞によって構成されている、というのが理想だといえるわけです。では、現実はどうでしょうか…?
現実問題として、ヒトの場合、生命の歴史において決定された器官や組織ごとの細胞の寿命が来る前に、そこに所属している細胞が老化してしまって、所定の機能を全うできないばかりか、種々の起炎物質を放出している場合がある、ということが明らかになってきました。要するに、老化した細胞を除去する能力を超えて、多くの老化細胞が組織内に生じ、それが組織中に残存・蓄積していっている、という現実があるということです。この老化細胞の蓄積は、がんをはじめとした様々な疾患の引き金になっていることも、抗老化の研究者の間では共通認識になってきました。
では、どうすればよいのか…? 詳細は、明日(11/11)から開始する上級講座内で紹介する予定ですが、一言で言えば、“老化細胞の除去”を促進させることです。植物が、冬になる前に、強制的に全ての葉を惜しみなく、そして、潔く落葉させるように…。
また、老化細胞によって構成されている古くなった葉には、根から吸い込んでしまった有害物質や、体内に生じた様々な老廃物も送り込まれて閉じ込められていますから、これらを捨てることにもなります。
落葉という行為は、このように、老化細胞の除去と、有害物質の排泄のために、非常に優れた仕組みであり、その結果として奇麗さっぱり、木全体が若返ることになります。
それでは、いつまでも若々しく元気でいられるように、「老化細胞の除去」というアプローチを、健康管理のプログラムの一つとして加えていただけることを願っております。
]]>八幡平では標高1,400mにある藤七温泉に入ってきました。野趣あふれる露天風呂につかりながら東北の山々を眺めるという、実にぜいたくな時間を過ごすことができました。
奥入瀬渓流は見事な紅葉で、奥入瀬川沿いの遊歩道をたくさんの人が散策し、色鮮やかな渓谷美を堪能していました。八甲田山は見渡す限りの全山紅葉で、まさに圧巻の一言でした。
そしていよいよ、憧れの白神山地です。日本初の世界自然遺産の地にふさわしい、広大なブナの原生林が黄金色に輝き、とても清々しく神聖な気分でハイキングを楽しめました。
私にとっては実に十数年ぶりの東北でしたが、北海道とも信州とも違う、東北独特のよさを改めて感じることができました。こうして自然豊かな場所を訪れると、元の自分に戻れるような気分にさせられます。これも、鳥のさえずりや川のせせらぎ、木々のざわめきなどから超高周波音をたっぷり享受するとともに、草木の香りに満ちた新鮮な空気を吸っているからでしょう。これらを全身の細胞が欲していたのだなあと実感できました。
今後もこのような時間を大切にしていきたいと、強く思えた充実の旅でした。
]]>今日は、育毛の話を手短にしようと思います。世間には、様々な育毛剤が存在していますが、根本的な問題を解決してくれる商品は、少なくとも今の日本においては存在していないのではないかと思えます。それは何故かと言いますと、次のようです。
毛乳頭細胞や毛母細胞を養うための必須栄養素、特に大半の日本人に不足している最重要ミネラルのマグネシウムが、それらの細胞に行き渡っていないからです。例えば、男性ホルモンをブロックしたり、細胞の活動に活(カツ)を入れるような物質を細胞に与えた場合、状況によっては幾らかの効果が出るかも知れません。しかし、局部のマグネシウム不足を解消しない限り、大きな効果が出ないからです。
「日頃からしっかりとマグネシウムを摂っていますよ(経口摂取していますよ)」という人も、他の原因によって頭皮の血行が悪くなっており、毛乳頭細胞や毛母細胞に向かう毛細血管が殆ど機能していない場合があると考えられます。そのような人の場合、経口摂取したマグネシウムが局部に届いていないわけです。
逆に、頭皮の血行には問題が無いという比較的若い世代の人において、頭髪に問題が生じてくる場合は、やはり全身的なマグネシウム不足が主な原因になっていると考えられます。
因みに、マグネシウムたっぷりの海水を頭から被ることのあるサーファーの人、海女さん、漁師さんなどに禿げの人が少ないのは、マグネシウム不足を起こしにくいからです。
ではどうすれば良いのか…、答えは簡単です。頭皮の外側からマグネシウム(塩化マグネシウム溶液など)を与えてやれば良いのです。掲載した図の写真にあるようなやり方です。
これによってマグネシウムが毛髪の周囲の僅かな間隙から内部に浸透して行き、過剰なカルシウム分によって収縮していた毛細血管を拡張させると共に、毛乳頭細胞や毛母細胞のエネルギー代謝を正常化させて、毛髪の育成を再開させることになります。
なお、生えている髪の毛にマグネシウムが付くと髪の毛がゴワゴワになりますので、洗髪する10分〜1時間ほど前に充分量の塩化マグネシウム溶液を頭皮に適用しておけば良いでしょう。ただ、マグネシウム溶液が微量なのであれば、洗髪後にも頭皮に適用しておけば更に効果が上がると思われます。
では、くれぐれも、頭皮の健全性維持に対しても、大いに気を配っていただければと思います。
]]>今回は、新たな監修ムック『老化が止まる食事術』が刊行されたばかりということもあり、抗老化についても話をしました。がんや糖尿病、認知症など、現代人が見舞われている健康問題は全て「老化」が原因と言えます。2日間の講義では、あらゆる要素が抗老化につながっていることや、細胞の老化を防ぎ、健康な細胞を増やすことの重要性を、再認識していただける機会になったかと思います。
なお、中級講座明けの月曜日に、読売新聞に新たなムックのカラー広告が掲載されました。一人でも多くの方にこのムックを読んでいただければと、切に願います。
2日目の早朝講座では「とにかくレコード音楽が素晴らしかった」という感想をたくさん頂きました。今回は初受講の方がほとんどで、レコード鑑賞自体が初体験という方も多かったようです。座学の講義だけでなく、こうした”実践編”のプログラムもセットで行ってきてよかったなあと、改めて実感できました。
こうして、開校10周年と開講100回をめでたく迎えることができたのも、これまでに受講してきてくださったたくさんの皆さんのおかげです。心より感謝申し上げます。
年内は11月の上級講座を残すのみとなりました。来年の上半期の講座日程もすでに決まっていますので、ぜひご都合のよい開催回を受講しにきてください。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
杏林アカデミー開講スケジュール
]]>【がん総論編】を学んだうえで【がん各論編】に臨んでくださった受講者の皆さんからは、普段にも増して講座の内容に大きな手ごたえを感じておられる様子が伝わってきて、講師を務める私自身も、開催してよかったと改めて実感しています。
ここで、受講してくださった皆さんからの感想をいくつか紹介しておきます。
−−−
◆栄養療法のすごさを再認識できました。
今回も素晴らしいテキストをありがとうございました。
がんの種類によって原因も対策も異なり、細かく整理できて本当によかったです。
◆細胞の質を維持することの重要性を確認しました。いつも新しい情報を頂き感謝しております。
◆「乳がん」についてはタモキシフェンの副作用、「肺がん」については女性ホルモンの影響、「前立腺がん」についてはZnとファイトケミカルの重要性について、それぞれ特に印象に残った。骨粗鬆症治療のリスクについて考えさせられました。
◆ここまで詳しく、あらゆる情報をまとめてくださっている資料は、どこを探してもありません。難しいところも多いですが、分かりやすくまとまっていて大変助かります。ありがとうございます。
◆精密医療と免疫チェックポイント阻害薬の真実やからくりがよく理解できました。
◆いつもすばらしい資料をありがとうございます。私の宝です。今後ともよろしくお願いいたします。
◆「前立腺がん」において、亜鉛の重要性を再認識した。具体的なデータが豊富で実践的な内容が良かったです。JALNIの活動についても多くの人に伝えていきます。
◆ファイトケミカルによる老化細胞の除去効果や、抗がん剤が毒薬でしかないこと、ブロッコリーやタマネギなど野菜の摂取、生活習慣の見直しが改めて大切だということが分かった。
◆やはり細胞環境を適切に保つ生活習慣・食習慣が大切と感じました。
◆マンモグラフィーにより乳がんになる危険性が高まってしまうことに驚きました。これだけでなく、きっと他にも、検診により逆に病気のリスクを高めてしまうものがさまざまあるのだろうなと感じました。
周囲に、健康診断やがん検診を毎年受け続けている方や、これから受け始めようとしている同世代が多くいます。なので今回の学びを少しでもその方々へ伝え、考えるきっかけづくりをさせていただきたいと思いました。
◆この国では、必要のない病気が医療によって広がっていること、その広がりが「ビジネス」というのを第一に考える流れがあって、人の命を軽視してでも「金」を求める国となっていることに対する危機感のようなものが、全ての項目に共通して現れているように感じました。
私には、目の前の患者さんに対して一人ひとり伝えられることを伝えていくことしかできませんが、これからも少しずつ学びを深め、学んだことを伝えていきます。
−−−
こうした考えを持つ方々が、それぞれのフィールドから日本の世直しに貢献していってくださることは、私にとって大きな喜びです。今週末の土日の中級講座でも、その喜びを胸に全力投球したいと思います。
]]>今回のムックは、前回の『老化を止める。保存版』の内容を踏襲しつつ、ムックでは初めて「がん」の章が設けられ、細胞環境デザイン学に基づくがんの捉え方や防ぎ方について、カギとなるポイントが分かりやすく解説されています。細胞環境の概念や細胞環境の悪化とは何かについても図解とセットで言及していますので、杏林アカデミーの講座などに臨んでいただくうえでの「予習」にも最適です。
さらに、今回は娘の知世との初の”コラボ作品”となりました。知世は第1章で、さまざまなおすすめ食品の食べ方について一言コメントを担当しています。知っているようで改めて気づいてもらえるようなヒントがたくさんありますので、毎日の食生活の参考にしてください。
おかげさまで、今回のムックの刊行で「老けない」シリーズは累計115万部を突破しました。日本全国の多くの方々に私の抗老化メソッドが届いていると思うと、実に感慨深いのと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。
明後日の10/14(土)に、全国のセブンイレブンやネット書店等で発売予定です。今作もぜひお読みになってください!
山田豊文・監修
『老化が止まる食事術』(宝島社TJMOOK)
]]>サイクリングに最適な季節になってきました。サイクリングの健康効果をまとめた図の一つを掲載しましたが、ここには10個の効果が書かれています。上から反時計回りに見ていくと、1.エネルギーレベルと生産性の向上、2.バランスと調整能力の改善、3.心臓血管の健康改善、4.関節の可動性の向上、5.がんの予防に役立つ、6.筋肉の強さと柔軟性を高める、7.減量の促進、8.肺の健康改善、9.ストレスの軽減と精神の健康促進、10.免疫システムの強化、の10個です。
では、ジョギングやウォーキングの効果と比べて、サイクリングのメリットはどうなのでしょうか…?
最大とも言えるメリットは、膝や足の関節にあまり大きな負担をかけずに運動が出来ることでしょう。
最近は良いシューズが開発されてはいますが、特にジョギングの場合は足が着地する度に、体重の何倍もの大きな力が衝撃として各関節に掛かることになり、関節軟骨の損傷・摩耗を速めることになったり、更に運動強度が上がると、半月板の損傷、靱帯の損傷、筋肉の損傷に至ることがあります。
それに対してサイクリングの場合は、瞬間的に関節に大きな荷重が掛かることはありませんから、比較的無難な運動になると言えます。
二つ目のメリットしては、ウォーキングやジョギングは、いわゆる筋トレの効果が出にくいのですが、サイクリングではペダリングの時に大きな筋力を使いますので、太ももの周囲の筋肉を始めとして、腕や体幹の様々な筋肉の筋トレになることです。
効果を更に高めるには、自転車のギアを高速側にして、大きな力を使いながらゆっくりと漕ぐことが重要です。決して軽く漕ごうとしないことです。
なお、電動自転車は、このような目的のためには不向きな乗り物となります。
三つ目のメリットとしては、ジョギングよりも移動速度が速いことです。
ヒトも他の動物と同じように、全力疾走したときに目から入ってくる景色の変化を、しっかりと脳で情報処理することが出来る仕組みになっています。例えば、100m走を10秒で走る選手の場合、平均疾走速度は時速36kmほどになります。このあたりの速度で景色が流れて行く場合、ヒトの動体視力、即ち視覚情報処理系はしっかりと追従できるわけです。
しかし、ジョギングでこの速度を出すことは出来ませんから、視覚情報処理系を怠けさせることになります。使わなければ衰えるのが生命の基本法則です。
そのため、自転車を使って、自分が全力疾走したときの速度よりも少しだけ速い速度で走ることをお勧めします。それによって、情報処理系を鍛えるための最適な入力刺激になります。
因みに、それ以上に速いと、逆に情報処理系を疲労させることになります。
四つ目のメリットとしては、ウォーキングやジョギングでは行くことの出来ない遠くまで行けることです。
これは、精神的な効果として、非常に大きなものになるはずです。敢えて説明するまでもないでしょう。
なお、掲載した図の右端に挙げた写真は、軽量化が進んだ自転車の一例です。決して宣伝しているわけではなく、純粋に自転車を楽しみたい場合、このような選択も良いのではないかと思い、採り上げてみました。
因みに、いわゆる「ママチャリ」の平均的な車重は18.5kgだという調査結果がありましたので、4.28kgしかないこの自転車を4台合わせても、まだママチャリ1台のほうが重いということになります。
では、この行楽のシーズン、健康増進のため、そして二酸化炭素排出量削減のためにも自転車にてサイクリングに出かけましょう。
]]>今夜は、満月での中秋の名月だということで、お月見を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。そこで、2021年に報告された、月と生体に関する新しい知見を紹介しようと思います。
私たちは、月の影響を受けているのか…? 受けているとすれば、一体どれ程の影響を受けているのか…?
今でも原始的な生活を続けている民族がありますが、そのような大自然に抱かれた生活をしていれば、月の影響を強く受けているかも知れません。しかし、都市部において、月を見ることも、月を気にすることもない生活をしている若者ならば、月の影響など何も無いのではないか…と思ってしまいそうです。しかし、実際は違っていました。
掲載した図に挙げたグラフは、縦軸が「Z スコア」という統計で扱う数値になっているのですが、左側のグラフはスコアが大きいほど睡眠時間が平均値よりも長いことを意味しています。また、右側のグラフはスコアが大きいほど入眠時刻が平均値よりも遅いことを意味しています。横軸は、両グラフとも、月の満ち欠けのサイクルを示しています。
では、左のグラフから見ていきますが、睡眠時間は月の周期に大きく影響を受けていることが分かります。そして、睡眠時間が最も短くなっているのは、満月の6日ほど前であることが分かります。言い換えるならば、おおよそ、上弦の半月の頃の睡眠時間が最も短く、下弦の半月の頃の睡眠時間が最も長いということになります。
従って、満月の今夜は、睡眠時間が長くなっていく過渡期に相当するということになります。
この解析の元になっているデータは、図中にも書き入れましたが、都市部に住むワシントン大学の大学生463人から得られた、約4,000以上にも及ぶ睡眠記録ですので、このように非常に奇麗なパターンが浮き彫りになったのでしょう。
次に右側のグラフは、睡眠開始時刻、即ち入眠時刻(のスコア)を示しているのですが、満月の4日ほど前が最も遅いことを示しています。
大学生たちは、月のことを意識しているとは思えません。しかし、満月の4日程前が最も寝付きにくいということになります。これは、手首に付けているセンサーによって、眠った否かが判断されていますので、ベッドに入ってから眠りにつくまでに時間が掛かったということになります。従って、満月の今夜は、入眠しやすくなり始めている時期だということになります。
因みに、両結果を併せて概観しておくならば、満月の4〜6日前が「最も眠りにくい」期間であり、新月の4〜6日前が「最もよく眠れる」期間だと言えるでしょう。
ところで、月の何がこのような影響を与えているのか…、それは、研究者を含めた多くの人の興味の的でしょう。重力説が優勢なのですが、それぞれが満月の日から何日もずれていますので、完璧な説明は出来ていないようです。
私たちは、もう、そのような追求をすることをやめて、月の偉大な力、不思議な力を認め、人類の叡智の及ばない仕組みによって、人類は月に守られているのだ…、と解釈するのはどうでしょうか。
今晩は、天候もよく、多くの地域で満月を崇めることができそうです。
]]>【がん総論編】では、細胞環境デザイン学に基づくがんの捉え方と防ぎ方について、まずは全体的に学びます。そのうえで【がん各論編】に臨んでいただき、部位別のがんについてそれぞれ掘り下げて知識を深めていけるような講座になっています。
今回は【がん各論編】の記念すべき第1回の特別講座でした。専用テキストは「乳がん」「肺がん」「前立腺がん」の3項目から構成されています。
それぞれのがんに対し、「おそらくこういう内容を学ぶんだろう」「こういう感じのことが書かれているんだろう」と、何となく皆さんがイメージされているものがあるかと思いますが、そのさらに斜め上をいく内容とレベルになっていると自負しています。今回受講してくださった皆さんも、テキストを見て驚かれたのではないかと思います。
特別講座でがんの総論と各論をしっかり身につければ、それが医療家の方であろうが一般の方であろうが、名の知れた大学病院のがん専門医らをも凌駕するようなレベルの高い知識を持ち、はるかに有意義かつ多種多様なアプローチを実践できるようになるでしょう。これは決して大げさに言っているわけではありません。
何より、がんへの向き合い方が、これまでとは全く違うものになるはずです。
おかげさまで申し込み多数のため、10/15(日)にも同テーマで特別講座を開催します。
また各論編では、今後も新たな部位や種類のがんを取り上げていく予定です。
どうぞご期待ください!
そして10/21(土)と10/22(日)は中級講座です。
細胞環境デザイン学の基本中の基本ともいうべき「栄養」のメソッドをじっくり学べる講座です。初めての方も復習目的の方も、たくさんの皆さんの受講をお待ちしています。
杏林アカデミー中級講座の開講日程
]]>顔見知りの方も含め、たくさんの格闘技関連の方々が一堂に会し、猪木さんの人望の厚さを実感するとともに、昨年10月に亡くなられてからもう1年が経つんだなあと、時の流れの早さも感じずにはいられませんでした。
法要後には、猪木さんの銅像の除幕式も行われ、日刊スポーツの記事にその際の写真も掲載されました(私も写っています)。
◆アントニオ猪木一周忌法要、団体の垣根越え120人が参列
https://www.nikkansports.com/.../news/202309120000345.html
これまでにたくさんの人とのご縁がありましたが、その中でもアントニオ猪木さんは私にとって特別な人でした。いつも優しくて、周囲の誰もに気遣いのできる、本当に素晴らしい人でした。
法要の際に初めて顔を合わせた方々にも「実は私も猪木さんに教えてもらって断食したんですよ!」と、思いがけず声をかけていただきました。猪木さんが格闘技の世界に断食を広めてくださったことに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。猪木さんは他にも、マグネシウムの重要性など、私の健康論すべてに共感し、周囲の人にも伝えてくださっていました。
「世界の一戦」といわれた異種格闘技戦で対戦した、あのモハメド・アリさんにお会いする機会があり、猪木さんはその際にも私の健康論を勧めてくれたのです。いま振り返っても、実にありがたい、とても貴重な時間でした。
ニューヨークやパラオで共に過ごした幸せな時間も、猪木さんとの大切な思い出です。これからも猪木さんとの思い出を胸に、日本の世直しに尽力していきたいと思います。
]]>今日は、胃がんへと話を進めていきたいと思います。最も怖いと言えるのは「スキルス胃がん」でしょう。このタイプの胃がんは、20歳代の若さであっても罹る可能性があり、発見された場合に命が助かる可能性は1割未満という、非常に怖いがんになっています。誰もが、これだけは防ぎたいと思うところでしょう。
出来るだけ短くまとめてみたいと思いますので、言葉足らずの部分が出るかも知れませんが、ご容赦願いたいと思います。このタイプの胃がんも、最大原因は、やはりピロリ菌です。他の様々な悪要因が胃に多大なる負担をかけている状態であっても、ピロリ菌が活動していなければスキルス胃がんは防げる、と言えるほど、ピロリ菌感染による悪影響が大きいということです。
ピロリ菌の感染率(胃内に棲みついている割合)は、時代が進むにつれて低下してきているのですが、現代(2023年)では、例えば20〜30歳代の人であれば、その10〜15%の人にピロリ菌が棲みついていることが判っています。年齢が高まると、例えば60〜70歳代の人であれば、その45〜50%の人にピロリ菌が棲みついていることが判っています。従いまして、多くの人が胃がんのリスクを背負いながら生きていることになります。
ピロリ菌が棲みついていても、胃がんに罹らない人は多く居ます。どこが違うのかと言われれば、今日ここでお話しできないほど多くのことを挙げることが出来ますが、最も重要であることを一つだけ述べようと思います。それは、平素の食事によって、ピロリ菌の増殖を抑えたり、ピロリ菌が排出するウレアーゼなどの有害な酵素を無効化することが出来ていることです。これが出来ている人は、生涯においてピロリ菌との共生状態が保たれることになり、胃がんを経験すること無く生涯を終えることになります。
掲載した図は、ブロッコリーの芽生え(スプラウト)に含まれているスルフォラファンが、ピロリ菌が排出するウレアーゼ(尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素)を阻害するという図です。アンモニアが生じなければ胃酸を中和できないため、その強い酸性下ではピロリ菌といえども増殖できなくなるということです。
掲載した表のほうは、これまでの知見に加え、新しく報告された複数の論文を追加調査してまとめ上げたものです。物質名で書かれているものについては、その右横の【 】内に、それを含む野菜や果物の名前を書き込んでおきましたので、参考にしてもらえば結構です。上述のブロッコリーの件は、表の最上段に書き入れています。
ざっと目を通していただいて感じられるであろうことは、抗がん効果や抗老化効果を示すという、お馴染みの物質が多いことでしょう。「この成分は、ピロリ菌対策としても良いのか…」という感じではないでしょうか…。
現在、90歳代や、100歳を超えて元気でいらっしゃる方々は、その年代の方のピロリ菌感染率はほぼ100%ですから、おそらくピロリ菌が胃内に棲んでいて、共生状態が作られているのだと思われます。ピロリ菌が居ることによるメリットも色々とあるようですから(例えば、アレルギーが少ないとか、胃酸が抑えられることによって逆流性食道炎や食道がんが少ないなど)、メリットを享受しつつ、デメリットが防がれている状態なのだと推測できます。
逆に、ピロリ菌が居ることが致命的になってしまうのは、ピロリ菌を抑えることが出来る食餌やファイトケミカルを摂取していないからだと言えます。
従いまして、皆さま方におかれましては、掲載した表をじっくりと見ていただいて、スキルス胃がんなどという物騒なものから遠ざかっていただきたいと思います。
]]>テキストは全部で20項目、4冊にも及ぶ量でしたので、たった2日間ではすべてを伝えきることは出来ませんでしたが、細胞環境デザイン学ならではの観点、切り口から様々な気付きを皆様にお届けできたのではないかと思います。
2日目の早朝講座も、光の恩恵を十分に体験できる素晴らしい時間となりました。猛暑続きの京都でしたが、ここ最近は朝夕の気温が少し落ち着くようになり、下鴨神社では虫の声も聞こえてきて、受講者の皆さんにも季節の移ろいをしみじみと感じていただけたのではないかと思います。あまりの気持ちよさに気づけば10kmも歩いており、とても充実したひとときでした。
9/23(土・祝)は、いよいよ特別講座の各論編(肺がん・乳がん・前立腺がん)です。私自身も、これらの内容で講義を行うのを心待ちにしています。総論をきっちり学んでいただいた方々にしっかり響くような、それぞれのがんの特徴や傾向、さらには総論にプラスした対策法などをじっくり伝授しますので、楽しみにしていてください!
]]>ドイツにおいても、都市環境の騒音が、人の健康に深刻な悪影響を及ぼすことが懸念され、具体的なデータが色々と取られるようになってきています。今日は、その中から、特に精神面に与える影響について、都市環境における交通騒音と、鳥のさえずりの入った環境音を、計295人の被検者に聞かせて比較する実験が行われましたので、その結果を紹介します。
なお、この実験に使われた音源およびオーディオ装置は、可聴音のみを扱えるもので、超高周波音は含まれておりません。それにも関わらず、都市環境の交通騒音と、鳥のさえずりの入った環境音では、明瞭な差となって現れています。
詳細は原著を参照していただくとして、必要最小限の内容を紹介します。被検者295人の男女の年齢構成は、20歳代半ば〜後半ということです。これを4グループに分け、1グループは1種類の音のみを6分間聞くというものです。
4種類の音の内訳は、都市部の交通騒音も、鳥のさえずりの入った環境音も、それぞれ2種類が用意されており、それは含まれている音の多いものと少ないものの2種類です。交通騒音の場合、含まれている音の多いものには、トラック、バス、オートバイ、飛行機、電車、救急車のサイレン、建設工事の音など、様々な音が入っています。鳥のさえずりが入った環境音の場合、含まれている音の多いものには、ウグイス、ノスリ、ヤマヒバリ、ハイタカ、シジュウカラ、アオアシシギ、ツル、クマゲラのさえずりと、その背景に水の音や風の音が入っています。
音を聞く前後に評価される項目は、うつ病のスコア、不安のスコア、パラノイア(妄想症、被害妄想)のスコア、の3種類です。
なお、掲載したグラフにおいて、「Pre(聞く前)」のグループ間でスコアに差があるのは、無作為にグループ分けされた各グループの平均値自体に差が有るためです。そのため、同グループにおける「Pre(聞く前)」と「Post(聞いた後)」の変化を見てもらうのが適切だと思われます。
結論を急ぎますが、交通騒音を聞く前と、聞いた後の各スコアを見てみると、特に大きく高まったのは、うつ病のスコアです。即ち、交通騒音の中に身を置くと、うつの傾向が強まるということです。
一方、鳥のさえずりの入った環境音を聞いた場合、特に不安のスコアや、パラノイアのスコアが大きく低下しました。また、うつ病のスコアも、聞く前後で有意差を持って低下しました。即ち、鳥のさえずりの入った環境音を聞くと、不安や被害妄想を起こし難くなるということです。
上記は、聞く前後で比較してみたのですが、聞いた後の、交通騒音と、鳥のさえずりの入った環境音の場合を比較してみると、どのスコアにおいても大きな改善効果を確認することができます。
この研究報告に対してコメントをしておくならば、交通騒音には超高周波音があまり含まれていませんが、鳥のさえずり、水の音、風の音には超高周波音が豊富に含まれています。従いまして、用いる音源や音を流すオーディオ装置が超高周波音まで再生できるものであったならば、更に大きな有効性を確認できたはずです。
もう一つ、鳴いている鳥の種類が多い(8種類)の場合、特にパラノイアのスコアが大きく低下する、という効果を示しています。これは単に音の種類が増えているというだけでなく、鳥社会における意味の有るコミュニケーション(生命信号)が、ヒトの脳幹に直接的に影響を与えるからだと考えられます。
私たちが、日常的に仕事をしている場所も、くつろぐために帰る家庭も、多くの人の場合は、鳥たちがコミュニケーションをとっている場所ではありません。交通騒音は比較的マシだと言われる人は多いかも知れませんが、エアコンや換気扇、パソコンの操作音など、人工物による騒音の囲まれている人が多いことと思われます。掲載したグラフで言えばピンク色や赤色の棒グラフの状態なのであり、うつ病、不安、パラノイアに悩まされて当然だという生活をしているわけです。
出来ることならば、職場環境中に、鳥の声、虫の声、水の音など、超高周波音が含まれた環境音を流し、仕事の能率を上げると共に、精神面の健康をはじめとし、自律神経系、免疫系などを含めた全身にわたる健康の増進を図っていただきたいと思います。
また、家庭では窓を網戸にして寝られる季節に入ってきましたから、虫の音が聞こえる地域の人は、全身にそれを浴びていただきたいと思います。周囲に鳴く虫が居ない人は、そのような音を再生できる装置がありますから、大いに活用していただければと思います。
]]>今回の特集テーマは「不老腸寿」で、私は巻頭ロングインタビューの取材を受け、全6ページにわたる記事が掲載されました。
記事の中では「老化細胞を減らす」をポイントに、「9つのメソッド」に基づく抗老化のアプローチを幅広く解説しています。
多種多様な分野に及ぶ内容ながら、先方の編集担当の方がいつものように上手にまとめてくださったので、分かりやすくも読みごたえのある、充実した記事に仕上がったと思います。長年ご縁のある雑誌で今回も巻頭を飾ることができて、とても誇りに感じています。
掲載号は明日9/8(金)の発売予定です。”山田流 老化の止め方”の極意を存分に語りましたので、ぜひ皆さんもお読みになってください!
◆veggy(ベジィ)vol.90 2023年10月号 不老腸寿
]]>先日、東京電力が、福島第一原発の敷地内に貯留されている「ALPS処理汚染水」の海洋放出をついに開始しました。すぐさま、放出後の近海の魚におけるトリチウム濃度は「検出限界未満」であると報道されましたが、その信憑性や、”処理済み”とされているほかの放射性物質への懸念など、皆さんは不安な日々を過ごされているのではないでしょうか。
ここで、『美人百花』という女性月刊誌から2011年に取材を受けたテーマ「放射能を撃退できる最強食材」について、復習も兼ねて改めて紹介しておきたいと思います。ぜひ参考にしてください。
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【1】抗酸化系の栄養素で活性酸素をバスター!!
放射性物質によって大量発生する活性酸素は、体内を急激に酸化させ細胞を損傷させます。それを防ぐためには抗酸化作用を持つ栄養素の摂取が不可欠。ビタミンCやβ‐カロテンのほか、亜鉛やセレンなどのミネラル、各種ファイトケミカルが代表例です。
<おすすめ食材>
パプリカ、タマネギ、カボチャ、ニンジン、トマト、ニンニク、パセリ、レモン
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【2】放射性物質を絡めて排出するペクチンに注目!
食物繊維の一種のペクチンには、放射性物質など腸内の有害物質をからめとり、体外へ排出する効果が期待できます。
<おすすめ食材>
リンゴ、キャベツ、オレンジ
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【3】味噌で体内に入り込んだ放射性物質を排出!
味噌を摂取すると、放射線被ばくによってはがれた腸の粘膜細胞が再生するという報告があります。また大豆イソフラボンには放射性ヨウ素を追い出す効果も期待できます。
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【4】タウリンで白血球の機能を回復&正常化
魚介類に多く含まれるタウリンは、免疫に重要な栄養素。放射性物質の影響で低下する白血球の機能や数の回復が期待できます。また有害物質の解毒にも役立ちます。
<おすすめ食材>
エビ、アサリ、タコ、イカ
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【5】食べ物でヨウ素を摂取すれば放射性ヨウ素が入ってこない!
必須ミネラルとしてのヨウ素で体内が飽和状態なら、放射性物質としてのヨウ素は蓄積されません。ヨウ素以外にも、放射性元素に似た性質のミネラルをしっかりとっておくことがリスク回避につながります。
<おすすめ食材>
昆布、ワカメ、海苔、イワシ、大豆、小豆
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【6】亜麻仁油をとれば細胞の”抗被ばく効果”が高まる!
亜麻仁油に多いオメガ3は、全身を構成する細胞に不可欠な栄養素。細胞膜の材料となり、放射性物質からの防護効果を高めます。
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【7】セシウム撃退にカリウムを摂取!
放射性物質のセシウムは、必須ミネラルのカリウムと構造がよく似ています。新鮮な野菜や果物からカリウムを十分にとっていれば、セシウムが体内にとどまりにくくなります。
<おすすめ食材>
セロリ、レモン、ナス、キュウリ
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【8】マグネシウムがDNAのダメージを修復!
マグネシウムは、被ばくによってダメージを受けたDNAを修復してくれます。体を構成する全ての細胞の活性にかかわる、最も重要な栄養素です。
<おすすめ食材>
玄米、納豆、小豆、ホウレンソウ、ワカメ、昆布
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大好評の私の監修ムック『老化を止める。保存版』で紹介している、杏林予防医学研究所オリジナルの「ミネラル・ビタミンおすすめ摂取源」も、あわせて再確認しておいてください。
『老化を止める。保存版』(宝島社TJMOOK)
]]>まだまだ厳しい暑さが続くそうですので、今日は、体外からのアプローチによって爽快感を得る方法について考えてみたいと思います。色々な方法が思い浮かぶことでしょうが、その中でも、精油成分を配合したスプレー、即ち一般に言われる「アロマスプレー」を活用する方法に絞って考えてみたいと思います。
市販品を買うのも一つの手ですが、独自の香りを作り出したり、市販品よりも高性能にしたい、などという希望を叶えることも充分可能だと思います。そこで、自分で調合する場合のポイントを押さえていきたいと思います。
先ず、冷感を得るための成分についてですが、ターゲットになるのは皮膚に存在する“TRPM8”という温度受容チャネルです。このチャネルは、冷たい物が触れると活性化して信号を発し、脳に冷たさを感じさせます。また、このチャネルは、ある種の物質によっても活性化し、同様に信号を発して脳に冷感を感じさせます。
TRPM8を活性化させる物質の代表は、やはりメントールです。メントールは多くの医薬品(消炎鎮痛剤、かゆみ止めなど)、歯磨剤やお菓子などに配合されているほか、市販のアロマスプレーにも少量配合されています。ただ、多くの人が感じるであろうヒリヒリ感やピリピリ感が少々問題になります。
掲載した図の中央上段には、様々な物質(主に精油成分)のTRPM8に対する活性が調べられた結果を示しておきました。縦軸は、メントールの活性を1とした場合の、他の物質の活性比を示しています。左端のメントンというのは、メントールの類縁化合物であり、メントールと共にハッカ油やペパーミント油の主要成分になっているものです。メントンは、メントールに次いでTRPM8を強く活性化する、と捉えて結構でしょう。
その次に強い活性を示すのが、1,8-シネオールです。これは、ユーカリ油に含まれている主要な精油です。メントンに次いで強い活性を示しますから、これを皮膚に塗っても冷感を感じることになります。
ところで、メントールが高濃度に含まれたものを肌に適用すると、先に述べたようにピリピリ感やヒリヒリ感を覚えることになります。それは即ちTRPA1という温度受容チャネルが活性化することによる結果です。
掲載した図の中央下段に、TRPA1を活性化する度合いをメントールと比較した結果を示しておきました。この数値が1.0であればメントールと同じ程度にピリピリ、ヒリヒリを感じることになります。
ここで注目していただきたいのは、左から2つ目の1,8-シネオールの活性が低いことです。即ち、ユーカリオイルに含まれている1,8-シネオールは、そこそこの冷感をもたらすが、ヒリヒリする痛みは殆ど感じない、ということです。
更に、図の右下に示したのは、株式会社マンダムから報告された結果の一つで、メントールによって活性化されるTRPA1は、1,8-シネオールを共存させておくと活性化されなくなる、ということです。即ち、TRPA1に対しては、メントールと1,8-シネオールは拮抗的な関係にあるということです。
結局、冷感を出すためにはメントールを配合するのが最も有効であるが、一緒に1,8-シネオールを配合しておくことによって、メントールによる痛みが生じなくなり、爽快な冷感が得られる、ということになります。
では、爽快な冷感をもたらすアロマスプレーの作り方ですが、用意するものの1つ目は、ハッカ油またはペパーミント油です。
2つ目は、ユーカリ油です。他にも、ローズマリー、セージ、ラベンダーの仲間にも1,8-シネオールが含まれているそうですので、それらのオイルを好みに合わせて調合すれば良いと思います。
3つ目は、精油を最初に溶かすための無水エタノール。
4つ目は精製水。
5つ目はスプレー容器です。
最初に、スプレー容器に少量の無水エタノールを入れ、そこに何種類かの精油を垂らして溶かし、その後に好みの濃さになるように精製水を加えれば出来上がりです。なお、消毒のために70%エタノールを使うことは多くの人が慣れてしまったと思われますから、精製水を加える量については、かなり自由度が高いと考えてよいでしょう。
では、色々と工夫をしながら自分好みの爽快冷感スプレーを作り、もう一息頑張って残暑を乗り切りましょう。
]]>マスター養成講座の専用テキストは、第1章から第15章まで、計270ページ超にも及ぶ”超大作”です。JALNIのホームページでも紹介している「いきいきした子どもが育つ社会を実現するためのキーワード」からも分かるように、子どもたちの細胞環境を整備していくにはあらゆる要素からのアプローチが欠かせません。受講してくださる皆さんには、そのくらいの”覚悟”と共に、子どもたちの明るい未来に貢献していただきたいという思いで、専用テキストを提供し、そのテキストをもとに講義を行っています。
逆に言えば「ありとあらゆる要素からのアプローチが不可欠なほど、現代社会の子どもたちの細胞環境は乱れに乱れている」のだということです。
講座では私自身、受講者の皆さんからもよい刺激をたくさん受けました。現代社会を少しでもよりよくしていくために、子どもたちが心身共に健康で暮らしていけるような世の中にしていくために、これからもJALNIの活動に注力していきたいと、改めて心に誓った1日でした。
今回マスターになられた皆さん、ぜひこの知識を広めてください!期待しています。
マスターの講座を受講したい方は協会までお問合せください。
]]>お盆休みが終わり、お疲れの方が多いのではないでしょうか。ある調査によりますと「夏バテ」を感じることが最も多いのが“お盆休み明けの時期”だということです。すなわち、これからが本格的な夏バテ・シーズンだということになります。では、この夏バテについて少し言及してみたいと思います。
まず、海外では「夏バテ」があるのか否かですが、英語には「夏バテ」に該当する単語が無いそうです。そのため、通訳するときには「夏の暑さのせいで調子が悪い」とか「夏の暑さのせいで体がだるい」などと、間接的な表現にて言い表すそうです。このことから、夏バテというのは、夏に高温多湿となる日本ならではの症状だと言ってもよいのかも知れません。
では、日本で言う「夏バテ」とは、どのような心身の状態を指すのでしょうか…。最も多くの賛同を得ているのは次のような捉え方です。それは、あまりに高い気温の連続や、不自然な寒暖差に対応するため、自律神経系が大いに活動するが、それが比較的長時間および長期間に及ぶことによって疲労し、結果として“自律神経系の乱れ”を生じる。その結果として、心身における諸機能の調節が完璧に行えなくなり、自覚症状としては“全身の倦怠感、睡眠不足、思考力低下、食生活の乱れ、消化機能の不全、栄養不良など”を生じるようになる、というものです。
次に、夏バテ対策として一般的に言われていることを羅列しておきます。充分に睡眠をとる、疲労を充分に回復させる、しっかりと食事をとってミネラルやビタミンを補う、水分とミネラルを適宜に摂って脱水状態から回復させる、暑くなり過ぎないようにエアコンを有効に使う、冷やし過ぎないように注意する、シャワーで済ませるのではなく入浴する習慣をつける、適度に運動する習慣をつける、などです。
そこで今日は、もう一歩踏み込んだ、非常に有効な対策の一つを紹介したいと思います。また、もう既に夏バテによって疲労が進んでおり、一般的に言われている上述のようなことを行ってきたのに夏バテになってしまった…という場合をも想定し、その解決策をお話ししようと思います。
夏バテの状態になってしまっている場合、上述のように自律神経系の動作が不適切になってしまっていることがベースにありますが、自覚症状として、だるい、しんどい、元気が出ない、熟睡できない、などを感じている場合、自律神経系は交感神経系が優位であり、しかも長期間にわたって過度に興奮状態が続いている状態です。このとき、掲載した図の右上のようなことが起こっています。
この図は「ストレスによって疲労臭が増加!」というタイトルがつけられているものです。これは、被検者に高ストレス状態になるような作業をしてもらい、時間経過と共に変動する交感神経指標と皮膚アンモニア量を表したものです。
高ストレス状態では、交感神経系の興奮度を示す指標が、時間と共にどんどんと高まっていきます。また、皮膚アンモニア量も時間経過と共にどんどんと増加し、3時間後には何百倍にも増えています。これは一体、何を意味するのでしょうか…。
皮膚のアンモニア量が増えている場合、血中アンモニア濃度も高まっています。ちなみに、血中アンモニア濃度が高まるにつれ、だるい、しんどい、元気が出ない、熟睡できないなどの症状が出てきます。血中アンモニア濃度が更に高まると生命の危機を招きますから、体は防御手段として皮膚からアンモニアを排泄しようとします。
要するに、ヒトが高ストレス状態に置かれると、交感神経の興奮度がどんどんと高まっていき、その後を追うようにして皮膚アンモニア量がどんどんと増加していきます。このとき、それに先立って血中アンモニア濃度が高まっている、ということになります。
皮膚アンモニア量が増える、即ち血中アンモニア濃度が高まる理由は、アンモニアを尿素へと変換する作業が追いつかないからです。なぜ追いつかないのかと言えば、アンモニアの生成量が通常よりも増えることや、アンモニアを尿素へと変換する尿素回路の機能が低下していることが考えられます。
掲載した図の右下に、血中アンモニア濃度が高まる原因と、生じたアンモニアを尿素へと変換する尿素回路を示しておきました。詳細な説明をすると長くなりますので、結論を急ぐことにします。
夏バテの場合、だるい、しんどい、元気が出ない、熟睡できないなどの症状が、更なる高ストレス状態へと導き、更なる疲労状態へと導きます。その場合、血中アンモニア濃度は既に相当な値まで高まっている可能性があります。また、夏バテで食欲が減退しており、タンパク質摂取量も減少し、尿素回路で働く幾つかのアミノ酸が不足していることが原因で、尿素回路がフル回転できず、血中アンモニア濃度の上昇を加速させることになっていると考えられます。
では、夏バテによって、このような状態になった体を回復させる有効な方法は何なのか…、ということについて述べたいと思います。
残暑が続くなかで毎日仕事を続けなければならない場合、アンモニアの産生量をいきなり低下させることは難しいと思われます。従って、あとは、尿素回路を強化することに意識を向けるのが最も有効であると考えられます。
結論を急ぎますが、尿素回路を構成する各アミノ酸のうち、稼働時に最も不足気味になるのがシトルリンだとされています。もちろん、回路を構成する他のアミノ酸であるアルギニンやオルニチンを補給しても効果は出るのですが、やはりシトルリンが不足気味になって回路が充分に回らないのです。そのため、必ずシトルリンを補給し、併せてアルギニンをも補給する、という方法が最も有効であることが確かめられています。
補足なのですが、アルギニンは幼児期においては準必須アミノ酸に指定されていることからも明らかなように、外部から補ってやらないと不足するアミノ酸の一つだと言えます。それ以上に重要なことは、アルギニンを経口投与しても、その多くが消化管や肝臓にてすぐに代謝されてしまい、アルギニンの血中濃度が思ったほど上がらないことです。これを解決するために、シトルリンを併せて補う、ということになります。
シトルリンやアルギニンの話は尽きないのですが、記事が長くなってきましたので、このあたりで、まとめることにします。
夏場は活動的でありたいことを前回のFacebook記事にて述べましたが、この暑さの中で活動的になればなるほど、アンモニアの産生量が増えてしまいます。そのようなとき、昔の人は西瓜(スイカ)を食べることによって、倦怠感が一気に解消されて元気を取り戻すことができることを知ったのでしょう。スイカはシトルリンを大変多く含んでいて、成人の摂取目安とされている800mg/日ならば、スイカを7分の1食べるだけで満たされるとされています。
ただ、残念ながら、スイカはこの時期だけですので、秋からはどうすればよいのか…。それはやはり、サプリメントで補うしかないでしょう。サプリメントを敬遠される人も少なくありませんが、昔に比べて残暑がいつまでも続くようになってきましたので、現代栄養科学の恩恵を受けるのも一つの方法だと思います。上手く利用して、残暑を乗り切りましょう。
]]>多くの方が夏期休暇に入られる時期になりました。台風も次々と日本列島に迫ってくるようですので、計画通りに過ごせないことも多くなるのではないかと思いますが、夏らしく活動的に過ごされることを願っております。
日光をたくさん浴びて活動的に過ごすことは、精神的にも、肉体的にも、個々の細胞的にとっても、非常に大切だという話をしたいと思います。思いっきり活動的に過ごすと、体内のあらゆるものの循環が活発になり、それまで滞っていたものが流され始めます。脳の場合は、昼間を活動的に過ごすほど夜間の睡眠が深くなり、その時のニューロンは膨潤状態からスリムな外形になるため脳脊髄液が循環し易くなります。ミトコンドリアの観点で言えば、昼間の活発な活動の時に複数のミトコンドリアが融合して細長く伸び、ATP産生効率を高めます。その後、休息時にはミトコンドリアの損傷部分がまとめられ、切り離されて処分され、ミトコンドリアの品質管理が進むことになります。
いずれの場合も、1日における活動と休息のメリハリが大きいほど、循環がよくなり、品質管理も進むことになります。全体としては、個々の細胞の環境が浄化され、私たちにとっての最大の共生体であるミトコンドリアも元気になります。そして、最近しばしば話題にしている、がんの発生をも防ぐことが可能になります。
掲載した図には、引き続いて、がんに関するものを載せましたが、細かいところまで見ていただく必要はありません。皆さまにお伝えしたいことは、世間一般に信じ込まされていることが、おおむね嘘(ウソ)だということです。それは即ち「がんは、偶然に起こる遺伝子変異が積み重なって生じるものだから、予防するのは難しく、早期に発見して治療を受けるのが基本」だという話が、嘘だということです。
そして本当は、「がん細胞に見られる各種の遺伝子変異は、その多くは(遺伝性のがん体質を除けば)、原因ではなく結果である。だからこそ、細胞にがん化させなければならない原因を与えないことである」ということです。即ち、予防できるということです。
言葉を変えるならば、「細胞環境の悪化を防ぐ」ことによって、がん化を防ぐことが可能になるということです。
掲載した図の左下に示した研究報告は、上述したことを裏付ける、たいへん優れた研究結果の一つです。膵臓の上皮細胞ががん化するとき、細胞は自ら、最初に「プロレニン受容体」というタンパク質の発現量を増やします。すると、それによってDNA修復能が低下します。このDNA修復能の低下というのは、バクテリアが薬剤耐性を身に付けるときに採る手段と同様であって、生存に有利となる新しい形質をいち早く手に入れるために、変化したDNAを敢えて元に戻さない仕組みです。私たちの細胞も、窮地に立たされると、このような手段に出るということです。多くの人が見ているがん細胞の遺伝子変異の多くは、このようにして、細胞が自ら誘発したものだということになります。
多く発現させたプロレニン受容体は、今日は詳しく触れませんが、腎臓においてはレニンと共に血圧の制御に関わることで有名です。他にも、多くの組織、多くの細胞において様々な生理作用に関わっており、がんの進展においても重要な役割を果たすからこそ、細胞はがん化するときにこれを先に過剰発現させるのでしょう。
健康で長生きするか、がん化するかを決めている本体は、やはり細胞なのです。もちろん、外来の変異原、内因性の変異原の影響も何割かあると考えられますが、最終結論を出すのは細胞です。それまで封印していた遺伝子を発現させたり、更にパワーアップするためにDNAを意図的に変化させる手段に出るか否かは、細胞が決めているわけです。
だからこそ、私たちがしなければならないことは、細胞に毒を浴びせたり、組織液の循環不良を起こしたり(慢性炎症は典型例)、細胞の決断を共に行うミトコンドリアを老化させたりしないことです。そのために、この暑い夏を、昼間は思いっきり活動的に、夕方はできる限りゆっくりくつろぎ、夜間には深い睡眠をとってください。
]]>今日は、膵臓(すいぞう)がんへと話を進めていくことにします。統計的には、膵臓がんに罹ると、約9割の人が5年以内に亡くなるという結果になっています。従いまして、膵臓がんに罹ることだけは何としてでも避けたいと思うところでしょう。
他部位のがんと比較すると、死亡率が高い順に、女性では大腸がん、肺がん、膵臓がんの順であり、第3位になっています。男性では、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がんの順で、第4位になっています。しかし、近年における増加率が最も高いのが膵臓がんになっており、やがて順位が入れ替わることが予想されます。この急増の原因を突き止めることが出来れば、効果的な予防法を導き出すことも可能になります。
一般的に言われている膵臓がんの危険因子は、掲載した図の左上のようなものになっています。他から報告されているものも、おおよそ、このようなものになっていて、最も多数であるのが“糖尿病”に併発するものです。即ち、糖尿病を患うと膵臓がんに罹るリスクが2倍に高まり、糖尿病患者の6%が膵臓がんに罹り、膵臓がん患者の26%が糖尿病を患っている、ということです。そのため、膵臓がんを防ぐには、糖尿病を防ぐことが重要だということになります。
膵臓がんの危険因子の2つ目に挙げられているのは“喫煙”ですので、該当する人の場合は、その喫煙をやめていただけば結構でしょう。
膵臓がんの危険因子の3つ目に挙げられているのは“肥満”です。肥満指数(BMI)が30以上の場合、膵臓がんに罹るリスクが3.5倍になっています。従いまして、肥満を避けることが重要だということになります。
膵臓がんの危険因子の4つ目は“年齢(70歳以上)”となっていますが、暦が自動的に進む以上、加齢を避けることは不可能です。この場合は、出来るだけ“老化”を避けることが重要になってきます。
その他の危険因子として、慢性膵炎や、その下段に書かれている諸々のものがありますが、これらの危険因子は、どちらかと言えば割合的に少数派に該当しますので、今日は言及することを避けます。
さて、膵臓がんの重大な危険因子になっている“糖尿病”と“肥満”を防ぐ方法ですが、食餌の内容や量をしっかりとコントロールすることが重要なのは勿論です。ただ、中には、それほど多く食べていないのに肥満になったり、糖尿病になったりする人がいます。結局、近年になって肥満者が増えたり、糖尿病になる人が増えたりしている最大の原因は、そのような人たちが気づいていないところにあります。それが、マグネシウムの摂取不足です。
図の上部中央に、マグネシウム摂取量が多いと糖尿病リスクが低下することを示すグラフを掲載しました。また、その右側には、マグネシウム摂取量が多いと肥満になり難いにくいことを示すグラフを掲載しました。このように、多くの人には表だって知らされていないマグネシウム不足が、糖尿病や肥満の大きな原因だということです。では、膵臓がんはどうなのでしょうか…?
図の右下に、マグネシウム摂取量と膵臓がんリスクの関係を示すグラフを掲載しました。マグネシウム摂取量が摂取推奨量を満たしている人の膵臓がんリスクを「1」とした場合、マグネシウム摂取量が75〜99%の人の場合の膵臓がんリスクは「1.42倍」に高まり、マグネシウム摂取量が75%未満の人の場合の膵臓がんリスクは「1.76倍」と、更に高まっています。このように、マグネシウム摂取不足が膵臓がんリスクを高めていることが分かります。
では、巷に溢れている「膵臓がんの危険因子」の表には、なぜマグネシウム摂取不足が書かれていないのでしょうか。その理由は色々とあるでしょうが、このような表が公開されていることも、多くの人が、膵臓がんの大きな原因がマグネシウム不足であることに気付けていない理由なのではないでしょうか。
このあたりの議論はさておき、非常に恐いとされている膵臓がんに罹らないようにするためには、マグネシウムをしっかりと摂ることが極めて重要だということを実感していただければと思います。
]]>遠く離れた北海道の地で、おそらくお会いしたこともないようなたくさんの方々が私のムックを読んでくださっていると想像すると、実に感慨深いものがあります。
先週に再び重版され、4月の初版から数えて早くも第3刷が書店に並んでいるという今回のムック。これまでの「老けないシリーズ」のポイントがぎっしり詰まった、さらに充実の一冊に仕上がっていると思いますので、これからも一人でも多くの方に読んでいただければと願っています。
山田豊文・監修
『老化を止める。保存版』(宝島社TJMOOK)
]]>1年のうちで最も暑い時期がやって来ました。現代においては、このような暑い時期であっても、ご飯は温かいもの(または、温め直したもの)を食べるのが当たり前のようになっています。現代において、冷えたご飯を誰かに出そうものなら「冷やメシを食わせるつもりか…」などと怒られそうですので、ご飯を出す側の人も、ご飯は温かいのが普通だと思っていることでしょう。そして、そのような生活習慣が当たり前になるにつれて、大腸がんが増え、糖尿病を始めとした生活習慣病が急増したわけです。従って、ご飯は冷たいほうが良かった、ということになります。
米を炊くと、含まれていたデンプンが、消化しやすい分子構造へと変化します。その後、焚いたご飯を昔のように“お櫃(おひつ)”に移して冷やすと(放置すると)、デンプンの構造が、焚く前の状態に少し近づき、消化し難い構造のデンプンになります。現代人は、この状態のデンプンを「消化の悪いデンプン」とし、「老化デンプン」と呼んだりして敬遠しました。そして、デンプンがそのような状態になることを避けるために、炊いたご飯を保温したり、一度冷凍したとしても食べる前に再加熱し、「消化の良いデンプン」に変えてから食べるようになりました。
「消化が良い」という言葉は「血糖値スパイクを作る」と読み替えることができます。更に、「消化の良いデンプン」を食べたならば、それから得られる糖質の全てが人間様の栄養素になってしまい、私たちを育て、守ってくれている有用な腸内細菌に食べて頂く分が無くなるわけです。すると、動物由来の色々な成分を主な栄養源とする病原性の高い細菌が優位になり、大腸がん、免疫系の疾患、認知症など、様々な疾患のリスクを高めることになります。
従って、大腸がんリスクを下げ、生活習慣病リスクを下げ、更には健康長寿を実現するためには、ご飯は冷やしてから食べることが有効になります。冷えたおにぎりや、冷えたお弁当を食べるのも非常に良いことです。
冷えたことによってデンプンの分子構造が、消化し難い構造に変化したものは、化学的には難消化性デンプン(レジスタントスターチ)と呼ばれます。これを食べると、小腸をそのまま通り過ぎ、大腸に達します。そして、大腸に棲息する腸内細菌によって消化・分解され、その代謝産物であるブチレートが私たちの大腸粘膜の主要な栄養源になると共に、これを含めた他の成分(ブチレート、プロピオネート、アセテート、ナイシン、乳酸、ウロリチンなど)が、大腸がんを防ぎ、大腸がんが有ればそれを死滅させ、病原性細菌の繁殖を防ぎ、理想的な免疫反応が起こるように調節してくれます。
掲載した図の左端には、おひつの中で冷えた玄米ご飯を挙げておきましたが、これには多くのレジスタントスターチと共に、玄米ならではの豊富な繊維質や各種の栄養素がたっぷり含まれていて、主食として最も優れたものになります。
また、図の中央に挙げた麹(コウジ)や甘酒にはグルコシルセラミドが多く含まれており、その右側に挙げた各種の野菜には様々なオリゴ糖が含まれています。これらは健全な腸内細菌叢を構築するための、重要な細菌種の栄養源として欠かすことのできないものです。
また、図の下方に挙げた腸内細菌は、これらが栄養連鎖(動植物で言う「食物連鎖」)による生態系を作り上げていますので、そのどれもが腸管内で然るべき比率で存在している必要があります。そして、レジスタントスターチはコリンセラ属・ロゼブリア属・コプロコッカス属などの細菌の主要な栄養源になります。また、グルコシルセラミドはブラウティア属、様々なオリゴ糖はビフィドバクテリウム属(いわゆるビフィズス菌)やフィーカリバクテリウム属の細菌の主要な栄養源になります。いわば、『大腸がん撲滅&健康長寿のための超厳選食』となります。
補足ですが、逆に、大腸がんリスクを大幅に上げるものとしてアルコール、その次には肥満であることがほぼ確実ですので、併せて、こられを避けることが重要です。
少なくとも私たち日本人は、何千年以上という長い年月を費やし、図に示したような食餌を摂り、それによって養われた腸内細菌と一緒に体を作り上げてきました。人類の科学がどれだけ進歩しようが、私たちはこのような食餌によって養われる腸内細菌が居なければ、健康を保つことができないのです。大腸がんにも罹りやすくなるのです。従いまして、古来の食習慣を見直し、それから大幅に異なった食餌からは出来る限り遠ざかることが重要なのだと思います。
]]>祇園祭真っただ中の京都で、「細胞環境デザイン学とは何か」について、たくさんの受講者の皆さんにじっくり学んでいただきました。
今回は「自分のためではなく腸内細菌のために食べる」をコンセプトに、食物繊維と腸内細菌叢について、特に重点的に講義を行いました。また、連日の猛暑に伴う発汗やストレスで失われやすいマグネシウムについても、その重要性を改めて強調しながら話をしました。
また、「究極の食事」の講義では、少食の中でも1日1食が理想であること、1ヶ月ほど続けるとある日突然”脳が若返る”ことについても、それぞれ解説しました。
先日の投稿でもご紹介した“鰹節伝道師”の永松さんが今回の講座を受講してくださったので、初日の昼食では永松さん直伝の、風味豊かな削りたての鰹節を受講者の皆さんに試食していただきました。とてもよい機会になったと思います。
2日目の早朝講座も晴天に恵まれ、皆さんにはサンゲージングやアーシングをじっくり体験していただきました。早朝ウォーキングのコースの下鴨神社では、ちょうど御手洗祭(足つけ神事)の開催期間中でしたが、早朝は行われていないため、皆さんの無病息災を祈願して奉納した提灯の前で記念撮影しました。提灯の並ぶ佇まいはとても風情がありました。
おかげさまで、杏林アカデミーは先月で開校10周年を迎えることができました。今回の中級講座は11年目のスタートにふさわしい、素晴らしい2日間になったと自負しています。
次回の講座は9月の上級講座です。
食や栄養だけにとどまらない、細胞環境デザイン学の包括的なアプローチについて、さらなる学びを深めるべく、上級講座もぜひ受講してください。お待ちしています!
]]>今日は、大腸がんのお話をしようと思います。一度に多くは書けませんので、第1弾とさせていただきます。
掲載した図に沿って紹介していくことにしますが、図の左上は、年齢と遺伝子変異の関係を示したものです。大腸粘膜は、クリプト構造と呼ばれる、折り畳まれたような形状になっていて、各凹みは陰窩(いんか)と呼ばれます。そして、陰窩の底の部分には幹細胞が存在しているのですが、その幹細胞の遺伝子変異が調べられた結果です。
図から明らかなように、年齢が高まるにつれて遺伝子変異の数も増え、ほぼ直線的な正の相関を見ることができます。一般的かつ常識的な感覚では、60歳あたりから急激に遺伝子変異が増えるのだろうと思いがちですが、そんなことはないのです。少なくとも20歳にもなれば、それなりに遺伝子変異が見られるということです。
「え? 後天的に変異した遺伝子(損傷したDNA)は、普通は修復されるのではないのですか?」という疑問が浮かんだことでしょう。しかし、残念ながら、これが現実だということです。ただ、正常な人よりは、潰瘍性大腸炎の人の方が遺伝子変異の数は多い傾向が見られます。
では、こんなふうに遺伝子が(後天的に)変異した幹細胞が、次々と新しい細胞を生み出していても大丈夫なのか…?と心配になるはずです。
実際には、ヒトの大腸陰窩の幹細胞は、変異した遺伝子による悪影響が広がりにくいように、非常にゆっくりと細胞分裂を行っていることが近年になって明らかになりました。
「それだと、粘膜の再生速度が遅くなるではないか…」と不安になるでしょうが、幹細胞が生み出した娘細胞が何らかの専門の細胞へと分化する途中で、その細胞自体も幹細胞的に分裂して増殖する能力の有ることが確認されました。だからこそ、幹細胞自体は殆どが休止期の状態にあっても問題は生じないわけです。
だからこそ、加齢と共に大腸陰窩の幹細胞に様々な遺伝子変異が見られたとしても、その影響が大腸の広範囲に及ぶことは、普通では起こり難いということになります。
ところが…、です。幹細胞に大いに細胞分裂をしてもらわなければならない時が来ることもあるのです。その代表が、大腸粘膜に損傷を負ったときであり、例えば潰瘍を患ったときです。
大腸粘膜に潰瘍が生じる原因は長らく不明だとされてきましたが、その多くは自己の免疫機構による自己破壊である可能性が高いことが明らかになってきました。
なぜ自分の粘膜を攻撃するのか…? 最大とも言える原因は、不適切な腸内細菌叢による局部的な免疫異常です。自己と非自己の区別がしっかりとできなくなるのです。これに合わせて、粘膜を守ってくれている本来の腸内細菌が減り、炎症を起こす原因となる腸内細菌が増えることです。
このようにして、大腸粘膜が潰瘍になって破壊されると、修復を急ぐために幹細胞の分裂速度が速まり、しかも生き残った特定の幹細胞から生み出された細胞が周囲一帯を広くカバーすることになります。従って、その幹細胞に遺伝子変異が起きていると、その遺伝子変異が広い範囲の粘膜に反映されることになります。そして、最終的にがん化に至ることになるわけです。
このようなシナリオによる大腸がんを防ぐ方法は、第一に、健全な腸内細菌叢を維持することです。最も悪いのは、加工肉や赤身の肉、乳製品を多食することによって、健全な腸内細菌叢を乱してしまうことです。これによって、上述した機序によって大腸がんのリスクが跳ね上がることになります。
遺伝子の話にも触れましたが、最終的には私たちがどのようなものを食べるのかによって、大腸がんのリスクが大きく左右されるということです。
]]>永松さんは、日本で唯一の鰹節ごはん専門店を渋谷で経営されていて、鰹や鰹節、削り器のことを語らせたら右に出る人はいないのではないかというほど、”鰹愛”にあふれた素敵な人です。
鰹節への興味を皮切りに、日本全国の鰹節の生産工場を訪ね歩いたり、鰹漁の漁港を回ったり、実際に鰹の一本釣りまで体験したりしたそうです。最近では、日本と同じ鰹節の文化があるモルディブを訪問してきたとのことで、現地の鰹節事情の詳細などについて、興味深い話をたくさんしてくれました。
私も、永松さんが持参した美しい鰹節と立派な削り器を使って、実際に削らせてもらいました。昔はどこの家にも必ず削り器があって、幼少の頃は鰹節削りをよく手伝ったものです。鰹節を削っているうちにとても懐かしい気持ちになりました。そして、鰹節の香ばしさや風味を堪能しました。
いつの間にか、こうした大切な伝統文化を失い、出汁を引くという習慣もなくなり、せいぜい市販のバックの鰹節を使う程度というのがすっかり定着してしまった今の日本。永松さんは、茶道や花道などのように「鰹節道」を確立させて鰹節の復権を試みつつ、どんな形でもいいから「鰹節を削る」という習慣を日本の家庭に取り戻したいと意気込んでいました。
私も陰ながら、永松さんの活動を応援していきたいと思います。
]]>福山さんは民主党政権時代に、当時の消費者庁大臣の福島瑞穂さんを紹介してくださり、私が消費者庁でトランス脂肪酸の問題について講演させていただくに至った大恩人です。
今回は、JALNIの活動のアイコンともいうべき「脱トランス脂肪酸」について改めてお話ししたところ、「精一杯取り組みます」と言ってくださったのです。本当に心強い限りです。
世界の中で唯一といっていいほど、国家レベルでのトランス脂肪酸対策の取り組みをいまだ何も形にできていない日本。今回の面談が、その実現に向けた大きな布石になることを願ってやみません。
]]>前回の投稿の続きとして書きます。因みに前回のタイトルは『日本は、がん患者を作り出す能力が世界一』でした。種々の医療行為のメリットばかりを頭に叩き込まれ、デメリットについては完璧に隠蔽されている日本人にとって、にわかには信じられないどころか、反感さえ抱く人がいらっしゃったのは想定内です。だからこそ、真実を知って欲しくて投稿しているわけです。
がんを始めとした疾患の原因は多数ありますが、その一つが診断用に使われるX線であることを前回にお話ししました。これに関連して、掲載した図の左上に、世界14ヵ国のうち、診断用X線を浴びる総時間、および、それによる発がんリスクがダントツの1位であることを示す論文中のグラフの一つを挙げておきました。「japan ◆」を赤枠で囲んでおきましたので、参考までにご覧になってください。
さて、前回にお話ししました、もう一つの大きなポイントは、ある種の遺伝子変異を遺伝的に受け継いでいる人がX線を浴びることの危険性です。
そのような遺伝子変異を持たない人の場合は、X線を浴びることによる短期的な弊害は比較的少ないのですが、例えば、掲載した図の右下に挙げたようなBRCA1遺伝子の変異、BRCA2遺伝子の変異、他には、ATM遺伝子やCHEK2遺伝子の変異も、DNAの修復機能、及び修復できなかった細胞を排除する能力を低下させますので、このような遺伝子を受け継いでいる人の場合は、弱いX線を浴びることさえ非常に危険だということになります。そして、自分がそのような遺伝子を持っているのか否かが分からないうちにX線を照射されることが非常に恐いのです。
X線などの電離放射線以外にもDNA損傷を起こすものがあり、その一つがエストロゲンなどのステロイドホルモンであることが2018年に報告されました。なお、その図を左下に掲載しておきました。
もちろん、通常よりも高濃度の場合なのですが、例えば女性の場合、夜更かしなどでメラトニン分泌量が低下すると、メラトニンによって抑えられていた性ホルモンの分泌量が増え、しかも発がん性の高い代謝産物に変換され、これに合わせて牛乳などの高エストロゲン飲料を飲むと、通常よりも高濃度のエストロゲンや、その代謝産物に曝されることになります。そして、これによってDNAの損傷が増加します。BRCA遺伝子などに変異が無ければ損傷したDNAの殆どは無事に修復されるでしょうが、変異を持っていればDNA修復が上手くできなくなり、早期に発がんすることになります。
では、BRCA遺伝子などに変異を持つ人が存在することを知っているにも拘わらず、現代医療においては、それを調べもしないうちに、なぜ危険なX線照射してしまうのでしょうか…?
これにも幾つかの原因が考えられますが、現代日本における西洋医学は、基本的に、何でもかんでも平均値、標準値、確率、ベネフィットとリスク、などによって判断されていることを筆頭に挙げておきます。
健康診断に行ったとして、何らかの値が日本人全体の95%内に入っていれば正常、その上下にハミ出している場合は異常と判断されます。そして、5%の人に何らかの弊害が生じても、それは異常なのだから仕方が無いと解釈されるのでしょう。新型コロナワクチンの場合もそうでした。ワクチンによる死者やワクチン後遺症の人が多く出ていたのも拘わらず続行されたのは、そのような人の方が、どちらかと言えば少数派だったからです。
東洋医学の場合の解釈は、人は全て異なっているのであるから、その人の証に合った漢方薬を処方したり、その人の現状に合わせて経穴を選んで鍼や灸を行うなどと、平均値や標準値などで、ものを言うことはしないわけです。要するに、西洋医学と東洋医学では、基本的なスタンスが正反対なのです。
そもそも、平均値、標準値、確率などというのは、多数の測定値を元にして、そこらか何らかの法則を導き出すときに活用しますが、これを人の命に関わること使ってはいけません。西洋医学は自然科学的な色彩が濃く、データ処理のときに種々の統計的処理を行いますが、その延長線上で臨床的な行為を行ってはならないのです。人は一人ひとり異なるわけであり、遺伝子も全て異なるわけであって、損傷からの修復能も全て異なるわけです。そのような基本を、絶対に忘れないようにしなければならないと思います。
]]>がん細胞というのは、通常の細胞の状態のままでは生き延びられないと判断したとき、これまでの生命の歴史において獲得してきた様々な能力の封印を解き放った細胞のことです。決して狂っているわけではありません。狂っているのは、人間のほうです。人間は、人間の細胞にとって、最も許せない存在であると考えられます。
一例を見てみましょう。例えば放射線です。X線を浴びた経験の無い人は、この日本には居ないに違いありません。特に恐いのは、40歳を過ぎる辺りから経験することが増える胃のX線検査、全身にも及ぶCT検査、今後において更に増えるであろうPET検査などです。
掲載した図に示しましたが、細胞が浴びたX線の強度が1ミリグレイ(mGy)の場合、遺伝情報が描き込まれているDNAにおいて、塩基の損傷が2.5箇所、1本鎖切断が1箇所、2本鎖切断が0.04箇所生じると言われています。0.04箇所って少ないのでは…と思うなかれです。100個の細胞に1ミリグレイのX線が当たると、4個の細胞のDNAに2本鎖切断が生じるという極めて高い率になります。
あなたが、胃部X線検査や、CT検査を受けると、その時にあなたの細胞が受けるX線強度は、その数倍から十数倍にもなり、DNAの2本鎖切断も更に高頻度に起こっているわけです。普通は、X線検査による弊害を説明されないものですから、多くの人は知らないままX線に曝露し、様々な種類のDNA損傷を負っているのです。
図の右側中段に、「CT検査を受けた回数による、がんのリスク」と題するグラフがあります。そして、「CTの回数が1回増えるごとに、リスクが16%上昇」と書かれています。これは、あくまで平均値です。最も恐いのは、損傷したDNAを修復する種々の酵素に遺伝的な変異や多型を持っている人の場合です。その人たちは、損傷を受けたDNAの修復が完璧に行われませんから、比較的早期に、若くしてがん患者に仕立て上げられることになります。
遺伝子検査は、特に希望しなければ行われませんから、殆どの人は自分が変異や多型を持っているかどうかを知らないままX線を浴びることになります。要は、確率の問題だと腹をくくり、イチかバチかで受けるのは自由でしょうが、日本では案の定、犠牲者が増え続けているわけです。
100万人当たりのCT数は、日本がダントツの1位です。日本人にがんが減らないのは、こういったX線を使う機器に対して何らの危機感も持たされていないことが大きな原因であると言えるでしょう。
日本は、こうやって積極的にがん患者を作っている国です。そして、治療するのだと言って様々な薬を作って投与しますが、生き残るのは、パワーアップしているがん幹細胞のみです。患者にまだ命があれば、薬剤耐性を獲得して生き残ったがん幹細胞をやっつけるために、また別の薬を投与し、検査だと言ってまたX線を照射して更なるがん化を促します。それでも患者が生きていれば、また別の薬を投与しますが、私たちの細胞は、あらゆる能力を駆使して生き残ろうとします。ただ、やがて人間としての命を保つことが出来なくなり、亡くなることになります。
人間は、人間の細胞にとって恐怖の存在です。何をしでかすか分からない。都市化による環境破壊もその一つ、暴飲暴食もその一つ、医薬品の投与や各種検査を受けることもその一つです。私たちは、私たちを構成している細胞の立場に立ち、細胞の気持ちになって生き方を正さなければならないでしょう。
]]>98%の日本人が「ビタミンD不足」に該当
国内初の基準値を公表、植物由来のビタミンDはほぼ検出されず
http://www.jikei.ac.jp/news/press_release_20230605.html
東京都内で健康診断を受けた男女5,000名超を対象に、ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D))の血中濃度を調査したところ、女性では7〜30ng/mL、男性では5〜27ng/mLにとどまり、基準濃度とされる30ng/mL超を満たさない人が、実に98%に及んだというものです。
研究チームはこれについて、屋外で過ごす時間が少ないことやビタミンDの豊富な食品の摂取量が少ないことなど、日本の都市部に住む人の生活習慣の傾向に起因している可能性を指摘しています。
そもそも、ビタミンDの血中濃度が低い人が圧倒的に多いこと自体は、以前から比較的よく知られていました。今回の研究では、それが大規模研究によって改めて示された形と言えるでしょう。
植物性主体の「究極の食事」をとり、ビタミンDのサプリメントも活用することに加えて、紫外線を過度に悪者扱いすることからそろそろ卒業し、”必須光”としてしっかり浴びるようにしましょう。これからの季節は、薄着で20〜30分程度、週に2回ほど日光浴をするのがよいとされています。早朝ウォーキングであれば、適量の紫外線を浴びつつ、それ以外のさまざまな健康効果を享受できます。
このあたりについては私の著書『脳に効く!「聞こえない音」と「見えない光」』(共栄書房)でも詳しく紹介していますので、ぜひお読みになってください。杏林アカデミーの講座ではさらにしっかり学ぶことができます。7月の中級講座や9月の上級講座にも、ぜひお越しください!
杏林アカデミー開講スケジュール
]]>今回も全国各地から様々な職種の方にお集まりいただき、とても熱い講座となりました。
先週と同じく【細胞環境デザイン学に基づく「がん」を退縮させる方法】がテーマで、細胞環境デザイン学の独自の視点から、がんとは何か、どんなものなのかについて、”肝”の部分をかなり重点的に解説しつつ、がんを退縮させる方法についてはそれぞれ要所となる部分をかいつまんでお伝えしました。
そのすべてが大切で知っておいてほしいという思いで、今回の講座もたくさんのテキストをお渡ししました。受講者の皆様には何度も何度も繰り返しテキストをお読みいただいて、日々の業務やご自身の生活にお役立ていただければと思います。
申込み多数のため急きょ2回開催となり、2週連続でたくさんの皆様を前に「がん」についてお話しできたことを、本当に貴重な機会になったと実感するとともに、改めて今、私が取り組んでいることの意義について自身に問い直し、もっともっと細胞環境デザイン学の考え方やアプローチを世に広めていかなければならないと、決意を新たにすることができました。
受講してくださった皆様、本当にありがとうございました。
7月には杏林アカデミー中級講座、9月には上級講座の開催を予定しています。
テキストもどんどんリニューアルしていますので、前回の受講から時間が空いている方は、復習やブラッシュアップのために是非ご受講ください。
また、8月にはJALNIのマスター養成講座もございますので、こちらも是非ご参加いただければと思います。
]]>「健康診断」が法的に義務化されており、その義務を果たさなかった場合の罰則規定まで設けられている国は、世界196ヵ国のうち日本だけです。そして、この現実を誇らしく思っている、いわば、酷い勘違いをしている人が多いのも日本だけです。
そもそも、今のスタイルの健康診断が始まったきっかけは、結核が流行っていた頃にレントゲン車を巡回させて胸部を撮影することにあったと伝えられています。要するに、結核の蔓延を防ぐために、全国民を対象に感染の有無を調べ、感染していれば隔離して結核菌を広げないようにしようとしたわけです。
では、今の時代において、健康診断を義務化することの是非については、日本以外の国は全て「非」なのであって、だからこそ日本だけが取り残された形になっているということです。なお、「取り残されたのではなく、このスタイルが世界の先端を行っているのだ」と勘違いしている専門家もいるようであり、そのような現実にも驚かされます。
さて、大きな権力に従順な日本人は、50歳以上になるとオプション設定されているPSA検査を受けるようになります。早期発見が大切だと教え込まれていますから、躊躇すること無しに受診することになります。血液検査による項目を一つ増やすだけですから、殆ど抵抗はありません。
検査結果が返ってきて、PSAの値が基準よりも高かった場合には「偽陽性」と明記されます。大抵の人は、もうこれで「前立腺がんだったらどうしよう…」と、精神的に、奈落の底に突き落とされたような気分になります。これには、「がんは怖い」と洗脳されていることが輪をかけています。
次の段階で、前立腺の部分を超音波(エコー)で見たり、肛門からの直腸診で探ってみたりもされますが、決定打にはならないため、前立腺組織中の十数カ所にサンプリング用の針を刺して、組織片が採取されます。因みに、これは「針生検」と呼ばれます。
その結果、「陰性(がんではなかった)」と答えが返ってきたとします。しかし、針を刺された前立腺組織は、何ヶ所にも傷を負うことになります。そして、傷を修復するために炎症状態となり、腫れ上がって熱を持ち、血流もリンパ液の流れも悪くなります。また、腫れることによって、前立腺の辺縁部が強く圧迫されます。その結果、前立腺がんの最大原因である、局部的な亜鉛不足が生じます。仮に、血中の亜鉛濃度が高くても、前立腺の針を刺された部位が問題なのですから、もう、どうしようもありません。これによって発がんスイッチが入ることになります。
因みに、前立腺の場合は「ラテントがん」と呼ばれる、殆ど成長しないけれども「がん」に分類されている腫瘍が生じていることがあります。しかし、これに針が刺されると、もうその刺激だけで、活発に増殖する本格的ながんへと変化します。
がんだということになれば、その後は、基本的には手術、放射線照射、ホルモン療法、化学療法などが施され、それによって遅かれ早かれ死亡することになります。即ち、がんで死ぬのではなく、日本の現代のがん治療によって死ぬのです。
このように、検査の時に針が刺されて傷を負うことによって、それまで正常だった組織、或いは、休眠状態であったラテントがんが、本格的な前立腺がんへと変化するわけです。言い換えるならば、過剰な医療的介入が、がんを作っているということです。そして、過剰な医療行為が、がんを患った人を死へと追いやっているのです。また、そのお陰で、製薬企業、医療機器企業、病院などの経営が成り立っているということになります。
日本の場合は、ずる賢い法律を作ったり、昔に作った都合の良い法律を変えずに固執したり、何でも言いなりになる企業を一番の獲物にするなどという、海外の有識者から見れば、たいへん愚かなシステムを作り上げていることになります。
私たちは、その日本に住んでいるわけですから、微力ながらも改善に向けた取り組みや情報発信を続けたいと思うところです。
]]>タイトルは【細胞環境デザイン学に基づく「がん」を退縮させる方法】。
テーマが「がん」ということもあり、おかげさまでたくさんの方々にお集まりいただきまして、大盛況のうちに終了することが出来ました。
今回は、実際にがんを経験された方のご参加もあり、皆様本当に真剣に私の話に耳を傾けておられました。
今回の講義では、「現代医療はがんを増やしている」ということに始まり、「発がんの原因は何なのかしっかり見抜くこと」、「転移が起きるのはその部位の環境が悪いからであること」などの原因を丁寧に解説し、ではどうすればいいのか?ということで、食生活面、精神面、環境面、生活習慣面の切り口から一つずつお話ししました。
結局1日ではすべてお話しきれなかったのですが、お越しいただいた皆様には何度も何度も3冊に渡るテキストを読んでいただきまして、「がん」が何であり、どうすればよいのかをご理解いただくとともに、日頃の業務に生かしていただきまして、少しでも苦しむ人を救っていただければと思っています。
なお、次週も同じテーマで講演をします。
来週お越しになる皆様も楽しみにしておいてください!
]]>前立腺がんについては、これまでに、このFacebookでは採り上げたことがありませんでしたので、今日は少しだけ触れてみたいと思います。
1枚目の図の上段のグラフから分かりますように、前立腺がんを患ってらっしゃる人の、前立腺末梢部分の組織における亜鉛の濃度が極端に低下しています。これが、がん化のきっかけになったのか、それともがん化した結果なのかと言えば、それは両方だと考えられます。
また、同図の左下は、血漿における亜鉛濃度を示しており、正常者と前立腺がん患者では、もちろん、がん患者のほうが低いのですが、上述の前立腺末梢組織に比べると、それほど大きな差にはなっていません。
次に、同図の右下は、尿中の亜鉛濃度を、クレアチニン濃度を基準にして表示しています。これを見ると、前立腺がん患者の尿には比較的多くの亜鉛が含まれており、即ち、必要以上に多くの亜鉛が排泄されていることを意味します。
以上の3種類のデータから、前立腺がんに罹ったり、がんを進行させてしまったりする人は、亜鉛の摂取量が少ないだけでなく、排泄量が多かったり、体内の亜鉛を効率良く前立腺の末梢部まで運ぶ機構に何らかの支障を来していることが大きな原因であると考えられます。
次に、2枚目の図に進みますが、上下2段になっていまして、上段がアンドロゲン非依存性の前立腺がん増殖メカニズムであり、下段がアンドロゲン依存性の前立腺がん増殖メカニズムを示しています。
まず、上段に描かれているアンドロゲン非依存性経路においては、前立腺組織中の亜鉛が、Aktという酵素、サイトカイン受容体、NF-κBという転写因子 、PSA(前立腺特異抗原)などに対して抑制的に働くことが示されています。
また、下段に描かれているアンドロゲン依存性経路においては、前立腺組織中の亜鉛が、アンドロゲン受容体(AR)やPSAなどに対して抑制的に働くことが示されています。
以上のことから、前立腺がんの場合、前立腺末梢組織に欠乏している亜鉛を、充分量になるように局部に届けてやれば、前立腺がんを治癒に向かわせることが可能であることを示しています。もちろん、予防としても亜鉛を充足させておくことは必須だと言えます。
皆さま方の中で、既に前立腺がんだと判定された人もいらっしゃることと思われますし、治療中だという方もいらっしゃることでしょう。良い医師に恵まれた方は良いのですが、がん専門病院、一般的な病院やクリニックにて治療を受けられる場合、手術、放射線照療法、ホルモン療法、抗がん剤を使った薬物療法などが、単独または組み合わせて行われます。そして、そのような治療においては、亜鉛の“あ”の字も出てこないのが普通です。
がん化のきっかけになった亜鉛欠乏、がんの増殖や転移の原因にもなった亜鉛欠乏を、何よりも先に解決しない限り、前立腺がんは治癒しないのです。
最近では監視療法と呼ばれる経過観察のみを行うという選択肢もあるようですが、何もせず様子を見ている場合ではありません。また、手術を行った場合、今度は別の様々な弊害に苦しまなければならなくなります。
前立腺がんの具体的な治療法や対策につきましては次回の投稿に委ねようと思いますが、大きく捉えると次のように言うことができます。
前立腺がん患者さまの場合、特に前立腺末梢部の亜鉛濃度が極度に低い理由は、単に口からの摂取量が少なかったり、消化管からの吸収率が低かったり、排泄量が多すぎたりというだけでなく、体内に存在している亜鉛トランスポーター(特にZIPおよびZnTファミリーのタンパク質)、メタロチオネイン(Znの貯蔵および放出用)、およびそれらの調節因子(RREB1など)の調節不全が共存している場合が多いと考えられます。
では、何がそのようなものの調節に大きく関わっているのかと言えば、遺伝的要素もあるのですが、他には、植物に含まれている各種のファイトケミカルが調節に関わっていることが近年になって明らかになってきました。即ち、私たちの祖先が色々と食べてきた植物に含まれている生理活性物質が、前立腺末梢部への亜鉛の輸送からイオン化に至るまでの様々な代謝経路において関わっているということです。
現代においては、多くが苦い味のするファイトケミカルが目の敵にされ、育種、調理、工場における加工などを経て取り除かれるようにました。それが故に、ファイトケミカルは、現代人の口に入ることが極めて少なくなった、というわけです。
これが、近年において特に前立腺末梢部の亜鉛濃度が低い原因であり、前立腺がんが急増した一因だと言えるわけです。
従いまして、巷に溢れているPSA検査から始まる、がんビジネスに引っかかってはいけないということです。そして、食事では補いきれない亜鉛をサプリメントにて補充し、併せて、各種のファイトケミカルを生の野菜や果物、そして必要に応じてサプリメントにて補い、前立腺がんとは縁のない人生を満喫していただければと思います。
]]>皆さんは、塩化マグネシウムを使って歯を磨いていますか?
口腔内に何らかのトラブルを抱えている人はもちろん、そうでない人も含めて、「マグネシウム歯磨き」の習慣化を改めておすすめします。
口腔内(唾液中)は通常、カルシウム濃度が高くマグネシウム濃度が低い状態になっています。血液中の比率はおよそ2 : 1であるのに対し、唾液中はおよそ3.7 : 1なのです。これはおそらく、歯の石灰化を促すために都合がよいからだと考えられます。
その反面、歯周病や口内炎など、口腔内に何らかのトラブルを抱えている場合は、この比率がかなり不利になります。例えば、カルシウムの比率が高い状態だと血管が収縮気味になり、血行不良が起こりやすくなるからです。血行不良になると、免疫力や組織修復力の低下をもたらすため、最終的には歯周病などの口腔内のトラブルを発症・悪化させることになります。
また、前述のように唾液中のマグネシウム濃度が絶対的に低いため、血行不良によるマグネシウム不足を唾液中のマグネシウムで解消するというのもなかなか困難です。これらのことをふまえると、マグネシウムを外部から口腔内に補給すれば、こうした不利な状況から脱することができるというわけです。
マグネシウム歯磨きのもう一つの利点は、口腔内が清掃されながらマグネシウムを補給することになるので、例えば歯垢(プラーク)のせいでマグネシウムの経皮吸収(経粘膜吸収)が阻害されるという状況を回避できることです。
実際に、マグネシウム歯磨きを行うことで、歯周炎や口腔カンジダ症が改善したという事例報告もあります。
日本における歯周病の罹患率は年齢に比例して上昇し、40代後半〜50代前半で5割、50代後半以降では最大6割に達するともいわれるほどです。現代人の誰もが他人ごとではないといっても過言ではありません。
ご家族やお知り合いの方にも、マグネシウム歯磨きをぜひ教えてあげてください!
]]>ワインを、こよなく愛している人は決して少なくないでしょう。また、特に赤ワインにはブドウの果皮由来のレスベラトロールが含まれているため、寿命延長や心血管関連疾患の予防のためにも毎日飲んでいる、という人もいらっしゃることでしょう。しかし、たまに飲むのはよいとして、たとえ少量ずつであっても毎日飲むことについては、フランス政府も注意を促している、というお話です。
図の右半分には、この件について記したメディアの記事を掲載しました。要するに、ワイン大国だと言えるフランスが、発がんリスクが高まるという理由で、特に赤ワインの飲み過ぎに注意を促しているということです。
もう一つ、図の左下には、フランスのメディアが出している情報の一部を掲載しましたが、この中には次のような内容が書かれています。それは、「少量の反復投与が最も有害です」、「ワインを毎日摂取することはお勧めできません」、「アルコール飲料の摂取は、口、咽頭、喉頭、食道、結腸直腸、乳房、肝臓などのいくつかの癌のリスクの増加と関連しています」などということです。
では、なぜワインなのでしょうか…。そして、特に赤ワインなのでしょうか…。懸念される物質について少しまとめてみました。
最初に一言述べておきますと、これは赤ワイン中に含まれる幾つかの物質と、飲んだ後に体内で生じる物質の、相乗作用による発がん率上昇だと思われることです。
1つ目は、どの種類の酒にも含まれているアルコールです。当然のことながら、ワインに限ったものではありません。最も発がん性の高いのは、アルコール(エチルアルコール)が分解されて生じるアセトアルデヒドです。
2つ目は、アルコールそのものです。口腔内や消化管の粘膜上皮は直接的にアルコールと接しますから、アルコールそのものの毒性を被ることになります。これは、アルコール濃度の高い酒ほど弊害が大きくなります。
3つ目は、ワインに最初から少量含まれるアセトアルデヒドです。これはワインの品質によりますので、特に酸化が進んでしまったワイン中には多くのアセトアルデヒドが生じてしまっていると言われています。
4つ目は、酸化防止剤として添加される二酸化硫黄(SO2;亜硫酸)です。これは食品添加物として許可されている物質ですが、やはり、アセトアルデヒドなどの他の発がん性物質と共存する状態になることによって、ワインならではの発がん性になるのだと考えられます。
5つ目は、ワインを作るときの酵母自体によっても少量作られる二酸化硫黄です。従いまして、二酸化硫黄無添加のワインにも、少量の二酸化硫黄が含まれているそうです。
6つ目は、ワインに少量含まれるヒスタミンやチラミンなどの生体アミンが、頭痛の主な原因になることと、特に血管拡張や血管収縮などの生理的作用を示すことです。
かつて、有名な女優さんが、がんに罹った後にも、毎日のようにワインを飲まれていたことを思い出します。健康に良いと思って飲んでおられたのだと思いますが、がんを急速に悪化させることに働いていたのだと考えられます。従いまして、ワインをこよなく愛する人も、たまに飲む、という程度で楽しんでいただければと思います。
]]>宝島社からのオファーを受け、2016年から2021年にかけて「老けないシリーズ」の一連のムックを監修してきましたが、その累計はなんと109万部超に達していました。我ながら非常に驚いています。今回のムックは、そんなこれまでのラインナップから特徴的なトピックを抜粋・集約した、いわば「いいとこどり」のまとめムックになっています。
新たな情報も盛りだくさんです。杏林予防医学研究所オリジナルの「ミネラル・ビタミンおすすめ摂取源」の一覧表を、今回のムックで初めてお披露目しています。普段の食生活に取り入れやすいように工夫を凝らし、実用性を最も重視しました。
音と光に関する情報もさらにアップデートされました。特に「聞こえない音」と「見えない光」の重要性、こうした「必須音」や「必須光」を生活の中にいかに取り入れるかについて、豊富な写真やイラストと共に分かりやすく解説しています。
おかげさまで今回のムックもとても好評で、ある読者の方から出版社に「こんなに素晴らしい本は他にない」「これからもどんどん出版してほしい」などのありがたいお電話もあったそうです。監修者冥利に尽きます。
“老化を止めることなんてできるわけがない”“年をとれば体のあちこちにガタがくるのはしかたがない”――。そんな先入観に縛られている人にこそ、ぜひとも今回のムックで自信を取り戻してもらいたいと思います。
山田豊文・監修
『老化を止める。保存版』(宝島社TJMOOK)
]]>「がん」を恐いものに仕立て上げた犯人は現代医療である、ということの証拠の一つを紹介しておこうと思います。
紹介する内容は、1950〜1960年代に亡くなられた方のうち、解剖されて病理学的な検査をされた結果(剖検所見)が元になっています。
なお、元データは2箇所から得られたものであり、1つは日本病理剖検輯報(しゅうほう) (第1〜14輯) に記載されている約21万6千例の解剖所見のうち、死亡診断書に「老衰」と記載されている427例(427名分)の剖検所見のみが使われています。
もう一つは、浴風会病院(東京都にある高齢者医療を中心とした病院)から得られた1,469例の剖検所見であり、これは「老衰」というのではなく、全死亡例の剖検所見が集計に使われています。
詳細については原論文を見ていただくこととして、ここでは「がん(悪性腫瘍)」に絞って見てみようと思います。
最初に結論を述べるならば、掲載した図の上部に記したように、“1950〜1960年代において、現代のような高度な医療を受けずに亡くなった人を解剖すると、平均的には約15%の人にがんが見つかる。しかし、そのがんが死因になったわけではなく、それまでがんと共存して健康的に生活してこられた。がんとは、本来そのようなものなのである。”ということです。
では、ごく簡単に内容を見てみることにしましょう。亡くなられた年齢と人数は、図の左側中段の表のとおりであり(浴風会病院の場合)、75〜79歳と、80〜84歳が、互いに非常に近い数字で、これらの年代が最多であると言えます。その次は70〜74歳だということになります。
次に、剖検によって得られた所見が右側の表にまとめられています。それぞれについてコメントすると長くなりますので、赤枠で囲んだ「悪性腫瘍;消化器・以外」の部分に注目していただきたいと思います。
当時に「老衰」と診断された人を解剖して調べてみると、9%の人に消化器のがんが見つかり、10%の人にそれ以外のがんが見つかった、ということです。即ち、特に病気もせず寿命を全うして「老衰」だと診断された場合、合わせて19%の人の体内にがんが存在していた、ということです。
次に、浴風会病院のデータについてですが、当時の全死者を対象として剖検を行った場合、11%の人に消化器がんが見つかり、5%の人にそれ以外のがんが見つかった、ということです。もちろん、このがんが死因になったということではありません。亡くなった人を解剖してみたら、がんが有ったということです。
もう一つ、重要なデータがあります。それは、図の左下のグラフであり、これは例数の多い浴風会病院の剖検所見によるものです。グラフの横軸は年齢、縦軸は悪性腫瘍が見られた人の割合です。2本のグラフが描かれていますが、上の方、即ち「全悪性腫瘍」を見てみましょう。
65歳未満から90歳越えの人まで、年齢が高まっても、がんが見られた人の割合は増えていません。即ち、高齢化とがんは関係無い、ということになります。
さて、これらをまとめて考察してみましょう。現代では「高齢化によって、がんの罹患率も高まる」とか、「日本人の3人に1人はがんで亡くなる」などと脅されています。しかし、少なくとも1950〜1960年あたりでは、「亡くなった人を解剖してみると15%の人にがんが見られるが、それが死因になったわけではない」ということになります。
この大きな違いの原因は複数あると考えられますが、やはり筆頭に挙げるべきは現代医療のあり方であり、それを容認する現代社会なのだと言えます。私たち現代人は、カネ儲けのために作られた精密な診断機器によって微細ながんを見つけられ、放っておくととんでもないことになると脅され、強引な手術や毒薬を飲まされ、それが原因で死んだときに、死因を「○○がん」と書かれるのです。本来、がんで死ぬことは滅多に無いと考えてよいと思います。そして、正しい治療を行えばがんは治るわけであり、正しい予防をすればがんの発生を防ぐことができるわけです。皆様、くれぐれも間違った現代常識に洗脳されないよう、注意しましょう。
なお、5月に予定しております「がん」の特別講座は、21日は既に満席なのですが、28日(日曜日)につきましては、あと4名分の空きがありますので、ご希望の方はご連絡ください。
]]>今回は久々の平日開催でしたが、全国各地からたくさんの方々が春の京都に集結してくださいました。
初受講者の中には、勤務先の医師が以前に受講してとてもよかったということで、「ぜひ一緒に」と誘われてきたという方もおられ、非常にうれしく思いました。今回は、そういった方から、何度も再受講してくださっている“常連さん”までが、一堂に会した講座でした。
2日目恒例の早朝講座は、少し曇っていたものの雨に降られることなく、鴨川の河川敷ではアーシングと瞑想をじっくり行いました。また下鴨神社の境内でのウォーキングも、とても爽やかで気持ちのよい時間を過ごしていただけたと思います。
その後、私の自宅のリスニングルームに移動し、ベートーヴェンの「皇帝」(ピアノ協奏曲第5番)をはじめ、レコード鑑賞で“本物の音”を体験していただきました。ある受講者からは「身内がピアニストだが、何度も聞いている本物のピアノよりも良い音で驚いた。レコードのほうが良い音だと思ったのは初めての経験です」という、こちらも実にうれしいコメントを頂きました。
今回は、独自に開発した音響機器に興味を持っていただいたことが、受講のきっかけだったという方もおられました。こうして、さまざまなきっかけで杏林アカデミーの講座を受講していただき、新たな仲間が増えていくのは、本当に素晴らしいことだなあと毎回のように実感しています。
次の講座は、いよいよ5月の特別講座です。
テーマは【細胞環境デザイン学に基づく「がん」を退縮させる方法】です。
皆さん楽しみにしていてください!
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