山田所長ブログ facebook 杏林予防医学研究所

6月9日

2020.06.09 Tuesday 15:17 | comments(0) | kpmi0008

『自然なノイズを消去してはならない』

 現代人が冒している大きな過ちは、精製する、夾雑物を取り除く、浄化する、純粋にする、ノイズを徹底的に消す、などという行為です。これらの行為については、多くの人は賛成されることでしょう。しかし、これらの行為が、現代に蔓延る様々な問題の源になっており、人間の能力をも低下させる元になっているのです。

 穀物を精製することは、このFacebook記事を読んでいただいている方であれば、それは良くない行為だと思っていらっしゃることでしょう。穀物を精製すると、多くのミネラルやビタミン、食物繊維などを失ってしまいます。塩を精製すると、大切なマグネシウムや他の多くの微量ミネラルを失ってしまいます。生薬から単一の生理活性成分だけを取り出して残りを捨ててしまうと、副作用が極端に強く出てしまいます。

 私たちは、不純物を必要としているのです。夾雑物を必要としているのです。適度なノイズを必要としているのです。その証拠の一つに、私たちの体に弱い振動ノイズ、または弱い電気的ノイズ、または弱い音響的ノイズを与えると、各種の感覚の感度が上昇することが確認されています。これは、生理学的には確率共鳴現象と呼ばれている現象です。何故このような現象が生じるのか、その理由は次のようです。

 私たちは昔、大自然に溶け込んで暮らしているとき、耳を澄ませば色々な音が聞こえてきました。風が木々の葉を揺らすときに出る音、鳥や蛙や虫が鳴く声、川の流れや海の波が立てる音、雨の音などです。少なくとも人類の祖先は、そのような音が聞こえることが当たり前である世界で生活していました。そして、そのような、いわば様々な音の中から、必要とされる情報を得ることが出来るように進化してきたのです。

 今でも自然豊かな地域に行くと、雨戸を閉めなければ野外と障子一枚で仕切られることになる日本家屋があります。そのような家では、自然界の環境音が殆どそのまま入ってきます。しかし都会に建てられているマンションでは、環境中の騒音が入って来ないように徹底した遮音対策がとられています。そのような場所は、少なくとも生物としてのヒトが住む環境としては不適切なのです。

 ノイズは邪魔にはならないのか?という疑問が出てくることでしょう。そもそも、私たちの体からは常日頃、色々なノイズが出ています。運動中は何らかの音が出ますし、筋電波も大きく出ます。物音をたてずに静かにしていたとしても、脳からは脳波が発せられており、心臓からは心電波が発せられています。私たちの神経系は、そのような電気的なノイズが存在する条件下で能力を発揮できる仕組みになっているのです。

 音楽においても同じです。音楽のシーンでは、コンサートホールに人が入れば、いくら静かにしていても、誰かが咳をしたり、或いは曲に合わせて体を揺すったり足踏みしたり…、ポピュラー系のコンサートでは拍手や声援が付きものでしょう。そのため、そこで演奏される音楽だけが純粋に人の耳に入ることはありません。即ち、何らかの様々なノイズが含まれた状態の音楽を聞くことになります。これこそが、自然な音楽だと言えるわけです。

 近年に作製される音楽CDは、人の耳に聴こえない非可聴音である20khz以上の音がカットされています。また、最新のトランジスター式アンプも、ノイズ対策が取られています。しかし、それらから再生される音に多くの音楽ファンが違和感を持つのは、人の脳が不自然に加工されたものには、本能的に違和感を覚えるからです。

 疾患を治癒させたり、健康を増進させたり、頭を良くしたりするために、音楽が非常に有効であることは近年様々な研究で明らかにされています。ただし同じ音楽でもどのような音楽ソースを選ぶか充分に注意を払う必要があります。せっかく、脳・神経系や感覚器官の能力をアップさせようとしているにも拘わらず、その1番大切な効果が上がらなくなるからです。

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