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5月11日

2020.05.11 Monday 16:58 | comments(0) | kpmi0008

『日本人の健康の鍵を握るグリホサート問題』

 この問題は、新型コロナウイルス対策の一つでもあり、また、子どもたちの健全な発育発達や、大人になってからの健康長寿に大きな影響を与える問題であり、更には、日本という国の海外における評価を大きく左右する問題でもあります。今後、今の延長線上の対応を続ければ、子どもたちを含めた多くの人の幸福が、失われることになります。医療がどれだけ進歩しようが、どれだけ薬や治療法が登場しようが、そのような方法では太刀打ち出来ない根本的な問題です。

 先ずは、掲載した1つ目の図の右下のグラフを見ていただきたいと思います。これは、ラウンドアップという除草剤の販売量の推移が示されたものです。販売エリアとしては、ほぼ全世界になりますが、大半を占めているのが南北のアメリカ大陸です。そして、そこで作られた小麦などの農作物が日本に輸入され、色々な食品に化け、殆どの日本人の体内に入り、蓄積し、心身を蝕みつつあります。そして、子どもたちの発達障害や若年層の精神疾患、成人におけるガンや各種の生活習慣病の発症などを助長しています。また、高齢者の新型コロナウイルスによる重症化や死亡をも助長しています。

 このグラフが右下がりなのであれば、将来的に明るい兆しを感じることができますが、2019年9月現在でも右上がりのままですので、流れにまかせて放っておけば、上述したような健康被害がますます増加することになります。その為に一刻も早く、この除草剤の使用をやめさせ、それに汚染された農作物の輸入をやめさせ、その汚染物質を含んでいる食品の摂取をやめなければなりません。さもなければ、日本そのものが滅びてしまうことは必至であると考えられます。

 では、この除草剤がどれほど危険なものかについて見てみることにします。主成分はグリホサートと呼ばれるものであり、ラウンドアップという商品の場合はグリホサート・イソプロピルアミン塩が使われているようです(更なる詳細は企業秘密にされています)。

 人体に対する安全性評価については、人体実験はできませんので、動物を用いた毒性試験によって、おおよその目処が付けられています。問題はその次です。例えばラウンドアップという商品には、各種の界面活性剤が添加されていますが、これがグリホサートの細胞内への浸透度を大幅に高める役割を果たします。そのため、グリホサート単独の場合よりも、ラウンドアップという商品のほうが100倍ほど毒性が高くなります。また、使われている界面活性剤(ポリオキシエチレンアミンなど)の方が、グリホサートよりも毒性が高いと言われています。しかしながら、ラウンドアップの毒性については、グリホサート単独での試験結果が流用されているだけです。これは、基準をすり抜けるための常套手段だと言えます。

 因みに、グリホサートのみの作用機序と毒性は次のようです。植物に対しては、シキミ酸経路と呼ばれるアミノ酸生合成経路のうちの特定の酵素を阻害するものであり、結果として芳香族アミノ酸の生合成が阻害され、ひいてはタンパク質の生合成が阻害され、それによって殆どの植物が枯れるということになります。シキミ酸経路は植物にのみ存在するものですから、動物には害が及ばないと言われていますが、しかし、生物の体はそんなに単純ではありません。ヒトを含めた動物に対する危険な毒性が次々と明らかにされています。

 例えば人体に対する毒性としては、掲載した1つ目の図の右上に示した表のように、遺伝毒性や酸化ストレスが挙げられます。この作用は、今回の新型コロナウイルスの面から言えば、ウイルスの人体内における変異を激化させたり、酸化ストレスの増大による間質性肺炎を助長することになります。
もっと怖いことは、DNAのメチル化異常の主要原因になることです。メチル化異常とは、私達の遺伝子には必要に応じて必要なタンパク質を合成する仕組みがありその合成のスイッチのオンオフが正しく行われる事によって健全な生命活動が維持されます。
以前には存在しなかった環境に存在する様々な有害物質がこれまでもメチル化の異常の原因として指摘されてきました。水銀や鉛などの重金属、環境ホルモン、様々な医薬品、トランス脂肪酸など、それが細胞の精緻な生命活動を狂わせガンや生活習慣病、認知症や鬱病など近年になって急増してきた主要原因と言われていますが、さらにラウンドアップが加わり、細胞環境を極度に悪化させているという事です。

 動物による毒性試験では、それを証明する多岐にわたる毒性が確認されています。消化管では下痢、腸管拡張、腸管粘膜肥厚、盲腸重量増加などが見られ、肝臓ではALTやALPの増加、肝細胞肥大などが見られ、腎臓では尿細管変性などが見られています。

 さらに腸内細菌に対しても深刻な影響を与える事が分かっています。私達の腸内には1000兆もの腸内細菌が棲息して、免疫に関する主要な働きを担っています。抗生物質は、医薬品として体内に入ってくるだけでなく食品にも入っていますが、低い濃度の抗生物質でもラウンドアップと一緒に取るとそこに住む菌が耐性化されてしまうのです。そして死んでしまう細菌種や、大幅に勢力を落としてしまう細菌、逆に病原性をもつ細菌種が耐性を獲得して大いに増殖してしまうのです。その結果腸内細菌叢を大きく変えてしまい、葉酸欠乏による自閉症、発達障害、うつ病、認知症、パーキンソン病、免疫系の異常、ガンや重度のアレルギー、多発性硬化症などの原因にもなります。

 それ故に世界ではこの危険なグルホサートに関して禁止の方向に大きく舵をきっています。
米国では、グリホサートを長期間使い続けた結果、がんを発症したとして、これを開発した米国のモンサント社と、2018年から引き継いでいるバイエル社を相手に損害賠償を求める裁判が相次いでおり、原告数は5万人近く、和解金の総額は1兆円程度になるとみられています。

 EUでは、オーストリアやドイツがグリホサートの全面禁止を決めていますし、フランスは2023年までに段階的に廃止することが決定されています。北欧もロシアも同じです。アジアでは、ベトナムやスリランカ がグリホサートの輸入を禁止することを決めています。他にも、多くの国が、グリホサートを使用することや、グリホサートが残留している農作物や食品を輸入することを全面的に禁止することになっています。

 一方、日本はどうなのかと言いますと、信じられない事に2017年に米国の要請を受けて農作物中のグリホサートの残留基準値が、小麦の場合では5ppmから30ppmに緩和されたのです。他の農作物についても、大抵のものは大幅に緩和されました。この動きは世界の動きに逆行するものであり、絶対に許されない事です。

 次に、その使われ方を見てみることにします。グリホサートを主成分とするラウンドアップなどの“除草剤”は、本来は、その名が示すとおりに除草の目的のみに用いるものであって、間違っても農作物に直接噴霧はしないはずです。ところが実際には、掲載した1枚目の図の左上写真のように、小麦に直接噴霧されています。これは除草が目的なのではなく、小麦を枯らせて早く乾燥させることを目的としています。では、なぜそのようなことをするのでしょうか…?

それは、広大な面積に植えられている小麦の収穫時期を、部分的にずらすためです。小麦は収穫時期が少し早くても、意図的に枯らせて乾燥させれば、もうその段階で収穫可能になるという特徴を持っています。従って、自分が作っている小麦畑が広大であり、その全てを一度に収穫・出荷することが難しい場合は、畑を区分けしてラウンドアップなどの除草剤を撒き、枯れて乾燥したところから収穫を始めるという手法がとられています。
 そして出荷先が日本であれば、グリホサートの残留量が多くても買ってもらえるため、遠慮なくラウンドアップが撒かれている…、というのが現状です。

 農林水産省の調べでは、輸入したカナダ産小麦のほぼ全て、アメリカ産小麦の9割以上に、グリホサートが検出されることが明らかになっています。
また、農民連食品分析センターの検査によると、日本で売られている殆どの食パンに、グリホサートが検出されています。掲載した2つ目の図に、食パンと小麦粉が分析された結果の一部分を示しました。なお、詳細を確認したい場合は、
https://earlybirds.ddo.jp/…/glyp…/wheat_bread_1st/index.html
および、
https://earlybirds.ddo.jp/…/glyp…/wheat_flour_1st/index.html
にアクセスすれば見ることができます。

 因みに、日本国内では収穫前の小麦にグリホサートを含む農薬を散布する行為(プレハーベスト処理)は認められていませんので、国産の小麦粉や、国産小麦を使用した製品には、グリホサートは検出されていません。ただ、国産小麦の流通量は全小麦の12%程度ですので、しっかりと選ばなければグリホサートから逃れることは困難に近いと考えてよいでしょう。

 主成分であるグリホサートのみについてですが、これが体内に入った場合、どれぐらいの時間にわたって体内に残留するのか…、ということが大きな問題です。
 即ち、速やかに排泄されるのならば、1回の食事によって取り込まれる量の大小だけに注意すればよいことになります。しかし実際には、取り込まれたグリホサートが体内から全て排泄されるまでには、1週間かかることが明らかになっています。このことは即ち、週に2回以上グリホサートが取り込まれると、どんどんと体内に蓄積していくことを意味しています。従って、例えば学校給食で、週に2回以上、輸入小麦を使った(殆どがそうだと言える)パンやパスタが出された場合、小学校では6年間にわたって体内のグリホサート濃度が上昇し続けることになります。これは、大変恐ろしい結果を招くことになります。その後、成人になってからも週に2回以上小麦製品を食べ続けると、数十年後の体内には相当量のグリホサートが蓄積することになります。

 では、どうすればよいのか…? 先ずは、輸入小麦や、それを使った製品を絶対に摂取しないことです。上述しましたように、日本における国産小麦の流通量は全小麦の12%程度ですから、それ以外の小麦は輸入物です。従って、何も気にせず食べたパンやパスタ、ピザや菓子類の8割以上のものにはグリホサートが含まれている計算になります。例えば、学校給食に出されているパンやパスタに関する分析結果は、やがて公表されることになるでしょうが、それを待っていてはいけません。子どもたちの心身は、今日も蝕まれつつあるのです。

 二つ目は、このような情報を子どもたちや若者たちに浸透させることです。今この瞬間にも、輸入小麦で作られたパスタやパン、ピザや菓子類を美味しいと言いながら食べている若い子たちが多くいることでしょう。彼ら彼女らは、自分が大変危険な目に遭っていることを全く知りません。それは、教えられていないからです。だからこそ、すぐに教えなければなりません。

片方で学校などで健康指導に当たっている先生方や校医などの認識の低さがあります。「そのようなものが、本当に健康被害をもたらすというエビデンスは有るのか?」とか、「医学的根拠が無ければ言い出すこともできないであろう」などと、偉ぶる人の顔が浮かんできそうです。子どもは大人の小型ではありません。子どもの体内に入る毒物は大人が口にするのとはまるで深刻さが違うということが全く理解されていません。これは文科省も農水省も厚労省も同じです。

 繰り返しますが、日本だけがグリホサートの含有基準を緩めているのです。日本だけが、農薬大国として破滅の道を歩んでいるのです。学校の先生が、「輸入小麦を使って作られた給食のパンは危険ですから、明日から出さないようにしてください」と言えば、それが最も大きな改善の力になります。
今回のコロナウイルスの件で言えば、東京都の死亡者数が圧倒的に多く岩手や鳥取 徳島を始めとする自然豊かな地域の死亡者数がゼロに近いのは、都会では街中に出向いてパンや菓子類やパスタなどを食べる機会が多い事が、死者数を底上げしたと考える事が出来ます。

日本は今深刻な健康上の問題が起こっています。医療費が42兆円を超える事、若者の自殺が急増していること、生まれてくる子どもの先天性異常が増えている事、各種のガンが低年齢化している事、不妊症が増えている事などです。
子どもが病む社会に未来はありません。今こそ私達は変わるべきです。

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