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4月8日

2020.04.08 Wednesday 15:23 | comments(0) | kpmi0008

『間違っても解熱剤だけは飲まないでください』

 今日は、新型コロナウイルス対策に関する第5弾として発信します。
 公的機関からの文書内に、「体温37.5度以上の熱が4日以上継続した場合(解熱剤を飲み続けなければならない場合を含む)」という文言が見当たります。これは、大問題となる文言です。どこが?と申しますと、「…(解熱剤を飲み続けなければならない場合を含む)」の部分です。

 なぜ大問題になるのかについてですが、一つは、37.5度以上であれば解熱剤を飲むことが当たり前であるかのような印象を与えることです。これに対する反論としては、「そのようには書いてないでしょう?『…場合を含む』と書いているだけです」という意見があるかも知れません。しかし、人間の思考回路は理屈どおりに働きません。「37.5度以上=解熱剤を飲むのが当たり前」というふうに受け取る人が確実に出てくるのです。

 二つ目は、解熱剤を飲むと、若い人の場合でも新型コロナウイルスによって重症化し、場合によっては死亡する可能性が出てくるからです。三つ目は、解熱剤は誰もが何時でもドラッグストアに行けば自由に買えるものだからです。

 では、少し解説を加えることにします。解熱剤というのは、大抵のお家では「解熱鎮痛薬」と呼ばれるものが該当し、薬効を示す成分としてNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が主剤となっているものが殆どです。そのため、頭痛や生理痛などの痛みを鎮めたいときにも、多くの人が利用していることと思われます。そして、これを新型コロナウイルスに感染しているときに飲むと、若い人でも重症化し、死に至る可能性が出てくるということです。

 NSAIDsの例としては、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクが主なところです。これらは風邪薬にも配合されていることがありますから、風邪気味だからといってこれを飲んだ場合も、新型コロナウイルスの感染であった場合には大変なことになるわけです。

 大変なことになる機序は次のようであり、2段階になっています。1段階目は、これらのNSAIDsは、新型コロナウイルスと戦ってくれる食細胞や各種の免疫細胞に対して、その活動を開始して活動度を高めるように指示を出すプロスタグランジンという生理活性脂質の産生を阻害します。だからこそ、NSAIDsを飲めばプロスタグランジンの産生が抑えられ、それによって発熱が抑制され、炎症の原因である各種の免疫細胞の活動も抑制されることになります。ただ、このことが即ち、新型コロナウイルスに対する戦力を失ってしまうことにもなるということです。

 2段階目は、炎症反応が強引に抑えられたためにウイルスの活動が活発化し、肺胞などの現場の組織が破壊され始めますが、私たちの体は別の手段を使ってでも守ろうとします。食細胞や各種の免疫細胞、一般組織の細胞も、サイトカインという情報交換用のタンパク質を放出して、いわば第2の戦闘モードを作り出します。通常ならばプロスタグランジンによる第1の戦闘モードが既に敷かれているため問題にはならないのですが、第1無しで第2だけで対応しようとするが故に、第2を促す活動が過剰になってしまうことがあります。これが、いわゆるサイトカインストームと呼ばれる状態です。こうなると、自分を守るはずの活動が、ひいては自分の組織をも破壊する活動になってしまいます。若い人がコロナウイルスで亡くなっている場合、これが主な理由だと考えられます。元はと言えば、NSAIDsを飲み続けたことです。

 余談ではありますが、厚労省が、昔にインフルエンザ用に作られたアビガンという薬を、新型コロナウイルス用に使うという動きがありますが、この薬は卵子や精子に悪影響を及ぼして奇形を発生させる副作用のあることが知られていて、非常に怖いものです。或いは、詳細は割愛しますが、抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキンやクロロキン、抗エイズウイルス薬のカレトラ、siRNA薬のオンパロットなども海外では適用されつつありますが、これらも非常に危険な薬です。

 結局のところ、医薬品で対処しようと考えることは、新型コロナウイルス感染を重症化させ、命を亡くすことに繫がるのです。私たちの体は、体温が38度を超えるようになってから戦闘力が本格化するようになっています。更に体温が上がったとしても、自らの高熱で自らが死ぬことはありません。そんな自殺行為に相当する生体システムは存在しません。熱は、必要だから出るのです。体温は、必要だから上がるのです。この基本を絶対に忘れてはなりません。

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