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7月23日

2019.07.23 Tuesday 15:37 | comments(0) | kpmi0008

『子どもたちの健全な未来をつくる環境』

「共生」をテーマとするならば、里山のような自然に満ちた環境で生活をすることは大変有効な手段となります。なかには、今も里山と共に暮らしている、という人もいらっしゃることと思います。一方で、仕事の都合や家族の都合などで、里山から離れざるを得なかった人もいらっしゃることと思います。

 最近、テレビで、ポツンと離れたところに一軒家を持って暮らしている人たちを取材する番組があります。そのようなところで暮らしている人たちを見ていると、心身共にすこぶる健康であり、たいへんパワー感に溢れる人たちばかりであることに気づきます。高齢の方でも畑仕事や山仕事や自分の趣味に勤しんでおられます。もちろん、自らが動かなければ何も始まらない環境ではありますが、そのような受け身的な雰囲気は全く感じません。非常に伸び伸びと、そして悠々と、人生を満喫されているように見えます。事実、そうなのだと思います。そのような生活こそが、本来ヒトを健康にする最大の秘訣ではないか…、と思います。

 都会のマンション暮らしには無いけれど、里山に抱かれた田舎暮らしには有る、というものは大変多いでしょう。汚染度が低くて浄化された空気と、その空気には更に健康に多大なる好影響を与えてくれるフィトンチッド(植物が出す健康成分)が沢山含まれています。これだけでも健康度に大きな差がつきそうです。
 水は、地域によって色々と工夫されているようですが、里山周辺では少なくとも水源の水が綺麗ですから、殺菌消毒などの人工的な処理が少なくて済むことと、貯水施設や貯水タンクなどが汚染されるという事例が少なくなります。
 音は、里山周辺では川のせせらぎや、四季折々の鳥や蛙や虫の声が聞こえてくるでしょう。これも、人の心理や免疫力に大きな影響を与えます。
 目に飛び込んでくる景色も大きく違いますが、最大の違いは色だと思われます。都会では緑が少ないですが、里山周辺では緑色以外のものを探す方が難しくなるほどです。緑色は精神を鎮静させ、リラックスさせ、穏やかな気分にさせ、心身の疲れを癒やすことが知られています。里山に足を運べば、多くの動植物に出会うことができ、その美しさや不思議さを臨場感たっぷりに味わうことが出来ます。
 土地の様子も大きく異なります。街ではアスファルトやコンクリートやタイルなどが多く、土の上を歩こうとすると河川敷や公園などに行かなくてはなりません。しかし里山周辺では、逆に土以外のところを探す方が難しくなります。土が重要である理由の一つは、そこにはヒトの常在菌になる細菌が沢山居ることです。これこそが、ヒトの体に定着すべき種類の細菌であり、種々の経路にて体内に入り、随所に宿ってくれます。この面でも、健康度は大きく違ってくることでしょう。

 他にも色々と考えられますが、人類がこの自然界に誕生し、長い期間にわたって直接的に触れ合ってきた環境こそが、健康を真に実現することが出来る環境であることは異論の無いところでしょう。たとえば、日本の文化に目をやれば、そこには自然界との深い関わりを見ることが出来ます。日本の建築、絵画、伝統工芸、衣装、年中行事、邦楽、民話など、全てのものは、日本の豊かな自然が有ってこそのものです。それほど、日本人は無意識的に自然界と親しみ、自然のものに美を感じ、それらを愛し、共に暮らそうとしてきました。そもそも日本人は、そのような民族であったはずです。しかし現代においては、無機的な都市の景観が多数を占めるようになり、それに合わせるように人の心も無機的なものに変わってしまったような気がします。美や愛などとは無縁の世界に住み、他人を騙したり、他人を不幸にしたりする人間が増えました。

 特に子どもたちにおいては、現代の様な殺伐とした環境から受ける影響は多大です。殺伐とした都市環境で育てば性格も殺伐としたものになり、美しく豊かな自然環境で育てば性格も美しく豊かになります。
 子どもたちに備わっている優れた遺伝子を洩れなく発現させ、脳を健全に発達させるには、それを育む生活環境、及び食環境こそが決定的に重要である、という視点が無いことが、我が国の一番の問題なのだと思います。

 

 

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