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7月9日

2019.07.09 Tuesday 14:02 | comments(0) | kpmi0008

今回の船瀬先生との博多でのコラボ講演会は、二枝たかはるさんのお招きによって実現しました。皆さんは博多に「グレートモーニング」という、エアコンを一切使わないホテルがあることをご存知でしょうか。そのホテルに宿泊すると、朝の目覚めが特別に良いので名付けられました。二枝さんは「光冷暖システム」という空調システムを独自に開発された方です。このホテルに滞在される方は健康志向の方が多いので、もっと健康について学びたいということから、船瀬先生を通じて私に連絡してくださったのです。

 この写真の場所は、博多にある「光冷暖システム」のモデルルームの一角です。外は随分と暑い時期になってきましたが、この建物の中に入った途端、あたかも鍾乳洞の中に入ったように、ひんやりとした空気に包まれました。もちろん、一般的な形式のエアコンやクーラーなどは使用されていません。そのため、室内は、どの場所に行っても無風状態ですし、冷気が体に直接当たることはありません。それでいて、最も居心地の良い温度に保たれているのです。夏は冷房の風を嫌がる人が増えると思いますが、そのような人にとっては、まさに理想的な空調システムだと思います。

 もっと驚かされたことは、写真に写っている、船瀬俊介先生の右後方に設置されている装置ですが、まずはピアノのような鍵盤が見えると思います。そして、その上部に見えているのはドラムやアコーディオンです。実はこれ、自動で音楽を演奏する、自動演奏楽器なのです。1920年代にアメリカで作られた物であり、それを、二枝さんが購入され、今はこのモデルルームに設置されています。これには、次のようなドラマがあったそうです。

 自動演奏楽器は大変精密に作られているものですから、日本の高温多湿の夏や、低温乾燥の冬が繰り返されることによって、音のズレが徐々に生じてくるようになり、そのため、これを正しく動作する状態に維持しようとすると、毎月修理しなければならなかったそうです。二枝さんにとっては、これが大きな悩みでした。しかし、光冷暖システムの部屋にこの自動演奏楽器を移すと、今までのような不具合は全く起こらなくなり、毎月の修理が不必要になったそうです。これには二枝さんも大変驚かれ、大いに感動されたということです。私たちも、目前でこれが奏でる音楽を聞かせていただきましたが、それは大変素晴らしいものでした。

 この光冷暖システムのモデルルームを伺って、驚かされた2つ目のことですが、植物の生育についてです。この部屋に、青々と葉を茂らせているネムノキの鉢植えがあります。どのような世話をしているかというと、13年もの間、水しかやっていないそうです。ネムノキの成長は速いですから、普通ならば水だけでなく、月に1〜2回は肥料を与える必要があると言われていますが、この部屋で育てると、水をやるだけで元気に生長するそうです。

 このように実際に滞在し、色々なお話を伺っていると、空気の大切さや、その影響力の大きさを実感します。特にビル内やオフィスなど、巷に溢れているエアコンなどによる人工環境では問題が山積みのことでしょう。たとえば、暑がりの男性社員が設定温度を下げ、そのあおりを受けて女性社員が冷え過ぎて困っている。特にエアコンから吹き出た冷風が直接的に当たる場所に居る人はたいへんです。また、吹き出した風は床に落ちているホコリやダニ、カビや細菌などを舞い上げます。或いは、機械内の結露によって生じる水が、カビやアメーバを増殖させ、アメーバに寄生するレジオネラなどがエアコンの吹き出し口から噴霧されると、肺炎を起こしたりします。逆に、水分が取られた冷風は乾燥し過ぎていますから、喉などの粘膜をやられたり、肌の乾燥に悩む人を増やします。また、外に出たときの温湿度差も大きな問題となります。そのようなことを考えると、普段私達が何気なく過ごしている部屋の環境が、如何に私達の体に大きな影響を与えているかを実感しました。

 この話は私達の生命活動を担っている細胞環境にも共通しています。細胞は、私達が口にする水や空気、食べ物などを日々取り入れることによって生命をつないでいます。そこには生命活動に欠かせない大切な有用成分を含んでいる一方で、細胞に深刻なダメージを与える有害成分も含まれています。あるいは、外からの音や光、電磁波からも影響を受けています。

 その象徴がお母さんのお腹にいる赤ちゃんです。ピーター・ナサニエルズは、『子宮内の生活ー健康と疾病の起源』に「子宮は生まれる前にわたしたちが暮らす家である。そこでの生活の質によって、後の人生においてかかりうるあらゆる病気の発生率が決定される」と述べています。親は出生前後の環境を改善出来る、そのことが、子供のその後の人生を決定する程の重大な意味を持っている、という事の重大さに、お母さん達は気付くべきです。

 日本社会は胎生期における深刻な問題に全く気がついていません。そのために、多くの赤ちゃんがトラブルを持ってうまれてきてしまっています。今年3月に上梓した『トランス脂肪酸から子供を守る』という本は、特別な思いを持って書き上げました。その本を特別な言葉で強く推薦してくださったのが、船瀬先生だったのです。今回、船瀬先生とのご縁でこのような貴重な経験が出来たのも、目に見えない不思議な力を感じます。

 

 

 

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