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6月25日

2019.06.25 Tuesday 16:11 | comments(0) | kpmi0008

『健康長寿を実現する腸内細菌と栄養素』

 今日は、健康長寿を実現するための腸内細菌を考えてみたいと思います。なお、掲載した図は独自に作成したものです。また、最終的な結論は、「このような物を食べましょう!!」ということですので、途中は軽く読み流していただいても結構です。

 では、少々基本的なところから見ていきたいと思います。図には4つの腸内細菌の属を採りあげましたが、「属名」というのは、よく似た性質をもった細菌で構成された「グループの名前」であると捉えていただければ結構かと思います。そのため、実際には、それぞれの属の中には大変多くの種が所属しています。ただし、同じ属に所属する種同士の性質は互いによく似ているため、このように属名を主語にして「○○属の細菌は…」という具合に語ることが可能になっています。もちろん、若干の例外にあたる種が存在していることも常に念頭に置いていただければ結構です。特に細菌は変異も激しいですから、きっちりと分類することが非常に難しくなっています。

 そのようななかで、複数の研究機関によって色々と調べられてきた結果、健康長寿を実現するために特に重要であると見なされるようになった腸内細菌としては、属名で言えば、図に示した4つの属を挙げることができます。このなかで、ビフィドバクテリウム属については、以前のFacebook記事の『母乳には赤ちゃんが分解できない成分が入っている』で少し紹介しました。その他には、図最下段のフィーカリバクテリウム属が、健康長寿の実現のために大変重要な働きをしていることが明らかになってきています。その他には、図中の残り2つの属も重要な役割を果たしていることが明らかになってきています。もちろん、表に載せていない属も重要なのですが、特に「健康長寿を実現するために…」ということであれば、この4属に注目することが出来るということです。

 さて、これらの腸内細菌を増やすためにはどうすればよいのか? ということを、ごく簡単に紹介したいと思います。この図には2種類の情報を描き込みました。一つは緑色の枠で囲んだものです。そして、もう一つは赤色の矢印で示したものです。

 緑色の枠で囲んだ成分は、その腸内細菌を効率良く増やすことが出来る成分です。即ち、ブラウティア属を効率良く増やすためには「グルコシルセラミド」が有効、ビフィドバクテリウム属を効率良く増やすためには「各種のオリゴ糖」が有効、フィーカリバクテリウム属を効率良く増やすためには「フルクトオリゴ糖」が有効、ということです。

 では、それぞれの成分がどのようなものであるかを順番に簡単に見ていきます。
「グルコシルセラミド」にも色々な種類があって、これを産生する生物は、動物、植物、菌類というふうに、非常に多岐に亘っています。そのなかで、ブラウティア属を増やすためには、特に麹(コウジ;米や豆などにコウジカビを生やしたもの)に含まれるものが、かなり有効であると報告されています。即ち、私たちは、味噌、醤油、日本酒、食酢、漬物などを、しっかりと摂取すればよいことになります。

 二つ目の、ビフィドバクテリウム属を増やすための「各種のオリゴ糖」についてですが、これは既に母乳の記事で紹介しました、ヒト・ミルクオリゴ糖が、かなり有効であることが分かっています。では、大人になってからはどうすればよいのか…ということですが、これも以前に投稿したタケノコに多く含まれる「キシロオリゴ糖」も、その一つになります。他には「大豆オリゴ糖」、味噌や醤油に含まれている「イソマルトオリゴ糖」、タマネギやゴボウやキクイモに含まれている「フルクトオリゴ糖」などが特に有効であることが分かっています。なお、ヒト・ミルクオリゴ糖で増える種の構成と、他のオリゴ糖で増える種の構成には若干の違いがあり、後者は大人用のビフィズス菌群であると言えます。

 三つ目の、フィーカリバクテリウム属を増やすための「フルクトオリゴ糖」は、既に上で述べたように、タマネギやゴボウやキクイモに多いものです。従って、フルクトオリゴ糖を多く摂取すれば、健康長寿を実現するために重要なフィーカリバクテリウムとビフィドバクテリウム属を一緒に効率良く増やすことが出来るということになります。

 以上をまとめて言うならば、健康長寿を実現するために必要となる腸内細菌を育成するためには、先ずは様々な種類のオリゴ糖を含む植物性食品を多く食べ、それと共に、麹を使った発酵食品をもしっかりと食べることが秘訣である、と言うことができます。

(なお、図中に示している赤色の矢印の意味については、次回の投稿にて紹介しようと思っています。)

 

 

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