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2月26日

2019.02.26 Tuesday 10:46 | comments(0) | kpmi0008

『スギ花粉とトマトの関係』

 花粉症の症状が激しい人にとっては、一年中で最も辛い時期に入ってきました。花粉症の原因として最も多いのはスギ花粉ですが、人によって症状の程度には大きな差があります。そのため、皆さんはそれぞれ独自の方法によって対応されていることと思います。そのなかで、今まで知らなかったという人もいらっしゃるかも知れませんので、少し紹介させていただきます。それは、スギ花粉とトマトの関係です。

 スギ花粉に含まれていて、ヒトに対してアレルギーを起こす原因物質(すなわち、アレルゲン)は、Cry j1やCry j2などのタンパク質ですが、これらのタンパク質とアミノ酸配列がよく似ているタンパク質がトマトの果実に含まれています。良くも悪くも、この事実がいろいろな影響を及ぼすことになります。

 普段からトマトを食べても目立ったアレルギー反応を起こさない人に対しての情報です。昨今では、スギ花粉アレルギーを根本的に治すために、舌下免疫療法を試みる人が増えてきました。これは、スギ花粉に含まれるアレルゲンを少しずつ口腔粘膜に触れさせることによって免疫寛容を成立させようとするものです。もちろん、定期的な通院や、治療費が必要になってきます。もっと手軽な方法は無いのか…、と思われる人も多いことでしょう。そこで、トマトを利用する方法があります。

 ここで、一つ注意喚起ですが、スギ花粉症があまりにもひどい人の場合は、スギ花粉アレルゲンとよく似たタンパク質を持つトマトを食べると、アレルギー反応が上乗せされることになります。要するに、スギ花粉が飛ぶ2月終わりから3月にかけてトマトを食べると、症状がひどくなる可能性があります。従って、そのような季節外れのトマトは食べないようにしたいところです。

 そもそも昔の人は、夏を中心として、広く春から秋の間に多くトマトを食べてきました。そのトマトに含まれるタンパク質がスギ花粉のアレルゲンと似ているため、スギ花粉に対する免疫寛容が自然に成立していたのです。すなわち、「この種類のタンパク質は、子どもの頃から普通に食べられてきたものであるため、決して敵ではない。攻撃しないように。」と免疫系が学習していたのです。だからこそ、地方にお住まいの年配の方々には花粉症の人が殆どいないわけです。

 スギ花粉とトマトにはこのような関係がありますので、これを上手く利用すれば花粉症を治すことができます。なお、トマトに含まれるリコピン(リコペン)も、花粉症の症状を抑制するとの報告がありますから、相乗効果が期待できるかも知れません。

 これと同時に大切なことは、インフルエンザと土壌細菌の話でも申し上げましたように、免疫寛容を成立させるときにも土壌細菌が必須です。従って、近代的で清潔そうな環境下で、精製されたものを食べながら、どれだけトマトを一生懸命食べても効果は発揮されません。先ずは土(有害物質が含まれていない土)の付いた野菜などを食べてその上で、彼らの栄養源である食物繊維をしっかりと摂ることです。普段から土と触れ合う習慣も大切です。そうすれば、スギ花粉免疫寛容が確実に成立するはずです。そして、出来る限り低年齢の時にこれをやっておくほうが有利になります。

 

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