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12月27日

2018.12.27 Thursday 09:50 | comments(0) | kpmi0008

【ビタミンD動態を最適化するマグネシウム】

ハーバード大学やヴァンダービルト大学などのアメリカの研究チームは、体内のビタミンD動態を最適化するうえで、マグネシウムが欠かせないことを報告しています。具体的には、ビタミンDが不足している場合は血中濃度を高め、多すぎる場合は低下させて、ちょうどよい濃度に調節するという働きです。

ビタミンDといえば、日光(紫外線)を通じて皮膚で合成されることや、キノコ類などの食べ物に含まれていることがよく知られています。その一方で、マグネシウムとの関連性に言及されることはほとんどないように思います。

図は、別の研究論文からの引用ですが、ビタミンDの代謝プロセスを大まかに示したものです。日光の暴露や食事を通じて皮膚や腸から得られたビタミンD2やD3が、血液中のビタミンD結合タンパク(DBP)によって肝臓へと運ばれ、まずは25(OH)Dという貯蔵型・不活性型のビタミンDへと姿を変えます。その後、腎臓で1,25(OH)2Dという活性型に変換され、ビタミンD受容体(VDR)に結合することで、初めて全身の細胞でビタミンDとしての作用を発揮するわけです。役目を終えたものは24,25(OH)2Dという不活性の代謝産物となって、体外に排泄されます。

図の中では、ビタミンDの代謝酵素である種々のヒドロキシラーゼ(hydroxylase)やDBPの脇にある青い丸にMgと書かれていて、いずれの働きにもマグネシウムが不可欠(マグネシウム依存性)であることを表しています。つまり、ビタミンDの輸送に加え、活性化と不活性化の両方に関与することで、体内動態の調節役となっているわけです。逆に言えば、マグネシウムが十分になければ、いつまでたってもビタミンDを適切に利用できないことになります。

ビタミンDは、他のビタミンと違ってホルモンのようなものであり、単に多ければよい/多くとればよいというわけではありません。また、水溶性のビタミンB群やCとは異なり、とりすぎると健康を害する脂溶性ビタミンでもあります。ビタミンDのサプリメントで安易に大量摂取を続けていると、体内での合成能にも支障をきたす恐れがあります。

こうしたことをふまえると、細胞の環境を整えてビタミンDの代謝プロセスや生体利用性を円滑にするのが、最も理にかなっています。そんな場面でもマグネシウムが随所で活躍するという万能ぶり・多才ぶりを、改めて実感できる研究結果です。

<参考文献>
◆Magnesium status and supplementation influence vitamin D status and metabolism: results from a randomized trial
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30541089

◆Role of Magnesium in Vitamin D Activation and Function
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29480918

 

 

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