山田所長ブログ facebook 杏林予防医学研究所

10月31日

2018.10.31 Wednesday 12:56 | comments(0) | kpmi0008

『赤ちゃんは太古の地球環境を望んでいる』

 今日は、赤ちゃんや子どもたちを取り巻く環境について思うところを少し述べてみたいと思います。私たちは、お母さんのお腹の中で、卵の状態からヒトの姿になるまで成長していきます。その様子は、生物進化の歴史を再現していると云われます。また、赤ちゃんとして産まれてから成人になるまでの様子は、地上における動物の進化の歴史を再現していると云われます。

 赤ちゃんが初めて這い回る頃は、デボン紀において魚類が陸上生活を目指した頃によく似ています。やがて、腕や脚がしっかりしてきて胴体を地面から浮かせて這えるようになった頃は、爬虫類や哺乳類にまで進化した頃によく似ています。だからこそ、赤ちゃんをとり巻く全てのものを、この頃の地球の状態に戻さなければならないのです。

 当時の地球には、まだ人類はいませんでしたから、人工的な物質は何も在りません。全てが天然物です。食べ物が人為的に加工されることもありませんでした。その代わり、自然に居る微生物をしっかりと消化管に入れることが出来ました。暑さや寒さも、自然のままです。その気温差が、自律神経系や内分泌系、循環系による体温調節機能を発達させました。地面は凸凹しており、至る所に障害物がありました。そのお陰で、手足の感覚やバランス感覚、腕力や脚力、問題解決能力を鍛えることができました。慌てて立ち上がってはいけません。まだ脊椎は体重を垂直方向に支えるまで進化していないのですから…。他の動物が発する音、水や木々が奏でる音をしっかりと聞き、身辺の状況を把握する分析力、自分の身を守るための手段を編み出す能力も鍛えました。

 ようやく立ち上がり、二足歩行が可能な時期になると、この頃は、おサルさんにまで進化した頃によく似ています。その頃の地球環境も、まだ人類がいませんでしたから、全てが天然物です。お菓子などは売っていません。お腹が空くことは大切です。おやつ代わりに木の実を採ったり、猛獣から逃れるために木に登ることも必要でした。幼児期に、何にでも登ろうとするのは、これも脳や神経系を鍛えるためです。高いという感覚は新鮮ですし、ヘタをしたら落下するという緊張感も新鮮です。面白いのです。枝にぶら下がり、隣の枝に移ろうとすると、全身を絶妙なタイミングでコントロールしなければなりません。これによる学習効果は絶大で、あらゆる運動の基礎となりました。

 子どもたちが育つ環境は、当時の地球環境に可能な限り近づけなければなりません。ここに書ききれない全てのことが、当時の地球環境を前提とした遺伝プログラムによって進んでいくのです。ヒトの体が進化したように見えますが、中身は当時のまま、発育発達の仕方も殆ど変化していません。そんなに速くは進化しないのです。

 子育ての時期を過ぎた大人は、それこそ近代的かつ快適な人工環境で、それこそ好きなように暮らせばいいのではないでしょうか。しかし、子どもたちにそのような環境を与えてはいけません。もちろん、お腹に居る卵子や胎児の頃が重要であることも、言うまでもありません。その時期は、お母さんになる人が自分の体液を太古の地球の澄んだ海水のように保たなければなりません。人工的な物質などは、一切入れてはなりません。

 私たち人類は、なまじっか、色々と考える頭脳を持ってしまったせいで、余計なことを考えてしまいます。それが、裏目に出ることの方が圧倒的に多いのです。良かれと思って赤ちゃんや子どもたちにしてあげていることが、子どもたちの発達を妨げ、アレルギーなどの病気に罹りやすい体を作ることになってしまっているのです。

 貝原益軒が81歳の時(1710年)に著した和俗童子訓に、『およそ小児を健康にするには、三分の飢えと寒さとを負わせるべきである』と書かれています。現代とは比べものにならないほど自然で質素で厳しい生活であったにもかかわらず、子どもを甘やかすなと警鐘を鳴らしているのです。

 赤ちゃんや子どもたちが、生物学的にどのような環境を望んでいるのかを、もう一度原点に立ち返って考え直さなければなりません。赤ちゃんや子どもたちは、太古の地球環境を望んでいるということです。

 

コメント
コメントする

 カレンダー

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

 最新記事

 アーカイブ

 モバイル

qrcode

 山田豊文所長プロフィール

 ページ内検索

 その他

ページトップへ