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10月19日

2018.10.19 Friday 12:51 | comments(0) | kpmi0008

『乳がんの標準治療がどんなものなのかご存じですか?』

 以前に「がん」に関連する内容を投稿した時、それに対して戴いたコメントの一つに、乳がんが原因で亡くなられたとされている有名人の例が出されました。そして、その人が現代の標準的な乳がん治療のみに専念されていれば、もっと良い結果になったのではないだろうか…、ということをおっしゃっていました。はっきり言って、そのように思っている人があまりにも多いため、犠牲者が減らないのです。

 乳がんは、現代では何種類ものサブタイプに分けられていて、その分け方は、生物学的にも納得のいくものだと思われます。その人が、どのタイプに属するものであったかによって、結論も微妙に異なってきますので、各タイプ別に簡単に所見を述べてみたいと思います。

 もし、いわゆる家族性の(遺伝性の)乳がんであった場合、BRCA1やBRCA2などの、DNA修復に関わるタンパク質をコードする遺伝子に変異があることが多いわけですから、X線などの電離放射線を使う検査や医療行為そのものが発がんの原因になります。だからこそ、当たり前のようにX線検査でがん組織の大きさをチェックしたりする現代の医療行為は、特にこのような遺伝子変異を持っている人にとっては大変怖いものになります。要するに、医療行為によって発がんさせられることになるわけです。

 次に、上記のものを含む、いわゆるトリプルネガティブと呼ばれているタイプのうち、その約8割はBasal-like乳がんと呼ばれているものです。後述するホルモン性のがんではないため、摘出する以外は、抗がん剤投与や放射線照射が主に行われます。ところが、このがんは、幹細胞的な細胞が多くを占めていますから、免疫細胞の協力もあって抗がん剤や放射線が作用し難いだけでなく、それらによって薬剤耐性、放射線耐性を高めた乳がん細胞に変化し、数年後には再発して手に負えなくなります。要するに、現代医療が、がんを凶暴化させることになるわけです。

 もう一つ、ホルモン性ではないタイプがありますが、それはHER2型と呼ばれるものです。治療だと言って、HER2受容体をブロックするハーセプチンという分子標的薬が使われることでも有名かもしれません。しかし、これは単独ではほとんど効かないため、他の猛毒の抗がん剤と併用されます。その影響によって、1回目の投与から2週間ほど経つと脱毛が始まり、更に骨髄抑制と呼ばれる現象が起こって、顆粒球、リンパ球、赤血球、血小板などの、あらゆる血球の生産が停止します。もう、この治療?によって、全身の免疫力が低下し、貧血なども現れて、それこそ全身がボロボロの状態になってしまいます。

 さて次は、日本人に1番多いホルモン性の乳がんですが、時代の進展と共に急増してきたタイプです。これは更に、乳がん細胞の細胞膜にエストロゲンの受容体が有るか否か、及び、プロゲステロン受容体が有るか否かで、幾つかのサブタイプに分けられています。そのいずれであっても、そして、摘出手術を行ったとしても、ホルモン療法と呼ばれる医療行為が行われることになります。
 これについて、もう少しだけ詳しく触れておきますと、がん細胞表面にエストロゲン受容体が存在すれば、エストロゲンががん細胞増殖の要因であると解釈されて、体内のエストロゲンを枯渇させる方法、または、エストロゲンが届いても感知しないようにする方法が採られます。その結果として、乳がん患者さんには、まずは更年期障害と同様の症状(のぼせ、ほてり、発汗、頭痛、肩凝り、うつ、筋肉痛、関節のこわばりなど)が現れ、やがて生殖機能の停止、脂質代謝の異常、動脈硬化の進行、骨密度の低下が起こるようになります。冒頭に触れた、乳がんが原因で亡くなられたとされている人の場合も、このような症状であったと伺っています。間違い無く、ホルモン療法も受けられていたことが判ります。もう、この段階から健康体に戻ることは難しいと思われます。性ホルモンの役割は生殖関連だけでは無いのですから、こんなふうに全身がボロボロになってしまうのです。乳がんの標準治療というものが、如何に怖いものであるかを知っていただきたいと思います。

 ホルモン療法では、具体的にはLH-RHアゴニスト製剤、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤など、幾つかの種類がありますが、これらによって一時的には乳がん組織が小さくなり、患者さんは画像を見せられたとき「治ってきた」と喜ばれます。しかしこのとき、乳がん細胞は低濃度のエストロゲンでも感知できるように感受性を高め始めるか、或いは他のホルモンを増殖のスイッチとして利用できるように変化を始めます。がん細胞にとっては、増殖を促進させるときのスイッチは何でも良いのです。だから、自由に変更していくわけです。しかし、他の組織の細胞は遺伝子の発現をあまり変化させませんから、その後のホルモン療法(ホルモンが効かないようにする操作)は、乳がんよりも他の組織の細胞の方が大きなダメージを受けることになります。結局、ホルモン療法というのも、がん細胞を凶暴化させるだけであって、数年間だけの延命操作が行われるだけだということになります。だからこそ、5年生存率とか、3年生存率などが治療効果の指標にされることになります。とんでもない話ですね。

 ではどうすれば良いのか? ホルモン性の乳がんの原因は、その人の性ホルモンの量が多いというのではなく、或いは性ホルモンに触れている期間が長いというのではなく、性ホルモンの代謝が乱れていることが最大の原因です。そもそも、体内で性ホルモンが産生され、分泌され、標的となる細胞の性ホルモン受容体に作用した後は、図にも示したように、速やかに構造が変化させられ、水溶性が高められて、体外に排泄されることになります。その代謝過程において、発がん性の高い代謝産物(図中において赤枠で囲んだ代謝産物)と、がんを抑制する方向に働く代謝産物(黄緑色で囲んだ代謝産物)が生じます。また、妊娠することによって数千倍程度まで高濃度になるエストリオール(E3)も、乳がんを抑制する方向に働くことが判っています。ですから、ホルモン性の乳がんを根本的に治したいのなら、発がん性の高い代謝産物を減らし、がんを抑制する方向に働く代謝産物を増やすことです。言わば、性ホルモン代謝を、本来あるべき健康な状態に戻すことです。間違っても、性ホルモンを合成できなくしたり、働かないようにすることではないのです。

 なぜ性ホルモン代謝が乱れたのか…、ヒントは、乳がんが少なかった時代の生活と、乳がんが増えた現代の生活とを比べたとき、大きく変化してきた部分にあります。例えば、食べ物や飲み物の種類の変化(いわゆる欧米化した食生活;性ホルモンや、それらの類縁体を多く含んだ乳製品や肉類の摂取、ホルモン代謝を乱すトランス脂肪酸を多く含む加工食品の摂取、ポリ塩化ビフェニール(PCB)やプラスチックから溶出するビスフェノーA(BPA)などの環境ホルモン類など。生活の仕方の変化(夜勤などの体内時計を狂わす生活、遅寝・遅起きの睡眠習慣、運動の種類や運動量、浴びる日射の量など)、それに起因する初潮の低年齢化、未婚や晩婚化、出産回数の減少、が増加した生活環境の変化などがあります。
 それぞれについて具体策を書き出すと長くなりますから、考え方としては、上述した諸々のことを一つひとつよく考え直してみることです。乳がんで亡くなられた人のブログなどに治療中の食生活が公開されていることが多いですが、それを拝見すると、いっこうに食生活が改善されている気配がありません。何故ならば、医療現場においては殆ど指導されないからです。標準治療のみが大切だと勘違いされているからです。これでは、性ホルモンの代謝が改善されません。むしろ、ホルモン療法によって乱される一方です。

 性ホルモン代謝の改善を手助けする方法は多くあります。一例を紹介しておきますと、口から入れる物としては、例えばアブラナ科植物に多く含まれている各種のファイトケミカル類(グルコブラシシン(→I3C→DIM)、スルフォラファンなど)、EPAなどのω3系脂肪酸、睡眠ホルモンとして有名なメラトニン、紫外線を浴びることによって生じる天然のビタミンDなどがあります。これらはホルモン代謝に関わる各種の酵素活性の正常化に働きます。また、大豆製品に含まれるゲニステインなどのイソフラボン、亜麻仁油に含まれているリグナンは、女性ホルモン様作用がありますが、これは過剰な女性ホルモン活性を抑制する方向に働きます。因みに、これらを摂取している人は、乳がん発症のリスクが優位に低いことが確認されています。また体内に蓄積した様々な有害物質の解毒をする為の断食の習慣を取り入れる事、或いは、乳がんが少なかった時代の女性のように、朝日や炭火などに含まれる遠赤外線や近赤外線を受けることです。このような諸々のものを、民間療法とか民間伝承などと言って無視している場合ではありません。無知にも程があると言えます。海外の文献もよく調べて、勉強していただきたいと思います。

 ごく一例を紹介しましたが、乳がんを治したり予防したりするためには、このような基本をしっかりと実行しなければなりません。どこかのTV番組で、「乳がんで死なないための切り札を…」というようなタイトルで放送されていました。乳がんが増えた原因が、昔に比べて出産回数が減り、そのぶん月経回数が大幅に増えたから…などと、性ホルモンが主原因であることを匂わせていました。そして、乳がんで死なないための切り札を何と言うのかと見ていると、早期発見だと言っていました。やはりそうか…と思いました。この番組は、検診を受けさせて、乳がん患者を増やすための番組だったと言えます。正しい治療法は知らないとしても、せめて正しい予防法だけでも、放送を見ている多くの女性に伝えてあげてほしいと思いました。

 

 

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