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3月14日

2018.03.14 Wednesday 16:54 | comments(0) | kpmi0008

去る2月25日付けの毎日新聞サイトに「がん 新検査、実力未知数 尿のにおい、犬が探知/血液1滴、13種類診断」と題する記事が掲載されていました。がん検知犬によるがん検診は、既に何カ所かの医療機関に採用され、実際に運用されるようになってきました。また、これも既に話題にされてきた線虫によるがん検診は、2019年末〜2020年あたりには実用化されるとの噂です。そのようななか、毎日新聞サイトに記事を書かれた記者の方の主旨は、「『今のがん検診より簡便で受診率が上がる』、『治療が難しいがんの早期治療につながる』と期待は大きいが、その『実力』は本物なのかどうか、開発の状況と課題を調べた」というものでした。皆さまは、このようながん検診に対して、どのような印象をお持ちでしょうか…。

記事中には何名かの専門家による、新がん検査法に対する“懐疑的”なコメントも引用されており、例えば「これらの方法によってがんを見つけたとしても、果たして死亡率が低下するのか否かが未知数である」というものや、「膵臓がんなどは、これらによって検知されたとしても、実際に確定診断をすることが難しく、過剰診療になる恐れがある」というものなどが紹介されています。結論的には、見出しにあるように「実力未知数」であるというふうにまとめられていました。なお、原文はネット上に公開されていますので、興味がある方はそれを読んでいただくこととして、ここでは少し違った観点でコメントしておきたいと思います。

「がん細胞は1日に数千個ほど生まれ…」のような話もありますし、「放置しても、それ以上大きくならないがんもある」でしょうし、「がん組織は大きくなったり小さくなったり消えたりもする」という事実もあります。或いは「ご高齢で亡くなった方を解剖すると、大抵はがんが見つかるが、がんというのは普通に共存しているものである」という見方もできるでしょう。がんとはそのようなものであるにもかかわらず、がん検知の精度が上がると、見つけなくてもよいがんまで見つけてしまい、それまで健康だと思っていた人が、いきなり「がん告知」を受けるケースが急増することになります。そして、手術や、抗がん剤や、放射線治療と称される過剰な医療の犠牲者になってしまうわけです。

がん告知とは、大変恐ろしいものです。健康だと思っていた人が、いきなり「あなたはがんです」と言われたらどうなるでしょうか? おそらく、まさしく青天の霹靂であり、その瞬間から死を覚悟する人もいることでしょう。そして、家族のことや自分の人生の在り方どうするかで頭がいっぱいになり、夜も眠れない日々が続くことになります。そのため、やがて全身のホルモンバランスや栄養状態は最悪になり、それが原因でがん組織が急成長することになります。

何年にもわたって、早期発見や早期治療が大切であると洗脳されてきた多くの日本人は、このような新がん検査法が開発されることに大きな期待を寄せます。しかし、これらによって多くのがん患者が作られ、がんによる死者を増やしていることに、より多くの人が気付く必要があると思います。そして、がんを減らすためにはがんを検出することではなくて、がんが増殖しない体を作ることであり、一時的にがん組織が大きくなっても、それが速やかに退縮していく体に変えていくことが大切です。

 

 

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