山田所長ブログ facebook 杏林予防医学研究所

12月25日

2017.12.25 Monday 17:38 | comments(0) | kpmi0008

寒い季節になってきましたので、体を芯から温めたいと思う機会が増えてきたことでしょう。特に寒い戸外に出る場合は暖房器具のお世話になれませんから、体そのものが内側から温まってくれれば理想的だと言えます。

もちろん、運動すれば自ずと温まりますが、温まるまでに時間がかかります。もっと即効性があって手軽な方法はというと、体を温める効果を持っている飲食物を摂る方法があります。温かいものを飲むだけでも温まりますが、体温を上昇させる成分が入っていれば、更に効果が上がります。因みに、トウガラシの辛み成分であるカプサイシンは、TRPV1という受容体活性型チャネルを刺激するだけであり、灼熱感を引き起こすだけであって、体温を上昇させる作用は持っていません。

生理学的に、実際に体温を上昇させる作用を有することが確認されているもののうち、最もポピュラーで手軽な食品としては、ショウガ(生姜)を挙げることができます。ただし、どのようなショウガでもよいかといえば、そうではありません。それは、次のような理由からです。ショウガ特有の成分としては、ギンゲロール(Gingerol)、ジンゲロン(Zingerone)、ショウガオール(Shogaol)の3種類を挙げることができます。これらの成分のヒトに対する作用は互いに似ているのですが、少し違う面もあります。そして、それらの含有比率が、生ショウガ、加熱したショウガ、乾燥したショウガで異なっています。

先ず、何の処理もしていない採れたての生ショウガにはギンゲロールが圧倒的に多く含まれていて、ジンゲロンは微量、ショウガオールは1割程度です。ところが、生ショウガを加熱すると、ギンゲロールが大幅に減少し、ジンゲロンやショウガオールが増加します。一方、生ショウガを乾燥させると、ギンゲロールが大幅に減少することは同じなのですが、ショウガオールが大幅に増加するところが異なります。これは、乾燥という工程によって、ギンゲロールが脱水によってショウガオールに変化するためです。

では、生ショウガに多量に含まれているギンゲロールと、乾燥ショウガに多量に含まれているショウガオールの生理活性の違いですが、両方ともたいへん多くの生理活性を有することが報告されていますので、今回は体を温める作用に限定して述べさせていただくことにします。

結論として「体を芯から温める作用」の強いのはどちらかと言いますと、それはショウガオールのほうです。即ち、乾燥したショウガのほうに多量に含まれている物質です。ですから、体を芯から温めたければ、乾燥ショウガを食べるなり、乾燥ショウガの粉で生姜湯を作って飲むのが最も有効だということになります。

因みに、生ショウガのほうに多量に含まれているギンゲロールは、手足などの末梢側の血行を促進するため、冷え性対策には良いですが、そのぶん体の芯の熱が末梢側に運ばれてしまうことになります。もし、体の芯も手足も温めたいというのならば、乾燥ショウガと生ショウガの両方を摂取すれば良いということになります。

このように、昔から使われてきた食材を活用し、昔の人々の知恵を拝借し、寒い冬を乗り切りましょう。

 

コメント
コメントする

 カレンダー

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>

 最新記事

 アーカイブ

 モバイル

qrcode

 山田豊文所長プロフィール

 ページ内検索

 その他

ページトップへ