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12月1日

2017.12.01 Friday 12:10 | comments(0) | kpmi0008

薬用歯磨き粉にも要注意!】

昨年9月、米国食品医薬品局(FDA)が、トリクロサンなどの抗菌成分を含むせっけんの販売を禁止する声明を発表したことを受けて、厚生労働省が、国内で流通している薬用せっけんの実態調査に乗り出しました。そしてその際には、世の抗菌・除菌ブームのおかしさについて、このFacebookでも投稿しました。

【薬用せっけんで手を洗うのはやめよう】
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=543343249190057

これに加えて、アメリカで報告された最近の研究では、いわゆる歯磨き粉(歯磨剤)に含まれるトリクロサンのリスクについても指摘しています。

研究チームは、市販の歯ブラシや歯磨剤を用いて歯磨きのシミュレーションを行いました。その結果、検査対象となった22種類の歯ブラシのうち3分の1超(子ども用2種を含む)で、歯磨き1回で用いる量の7〜12回分に匹敵するような、かなりの量のトリクロサンが蓄積していました。また、電動歯ブラシに使われているカップ型ブラシや舌磨き用のブラシ(エラストマーという素材でつくられていることが多い)は、トリクロサンの蓄積量が最も多かったといいます。

問題は、これが蓄積したままでは済まないことです。というのも、トリクロサンを含まない歯磨剤に切り替えたとしても、これまでと同じ歯ブラシを使っていると、その歯ブラシから2週間にわたってトリクロサンが放出され続けたというのです。

ちなみに日本でも、トリクロサン入りの歯磨剤や洗口液が市販されていて、テレビCMなどでも大々的に宣伝されています。“薬用”と謳っている製品がその目安となり、成分表示を見れば「トリクロサン」の文字を頻繁に確認できるはずです。

そうでなくても、市販の歯磨剤には数々のよからぬものが含まれています。いわゆる「経皮毒」の最たるものであり、口腔粘膜を通じて体内に吸収されやすいものばかりです。それに、口腔内微生物叢の秩序を保つ上でもデメリットしかありません。小さな子どもへの悪影響は特に甚大です。

まずはこうした製品をやめること。そして同時に、これまで使っていた歯ブラシも新調すること。歯磨剤は、私も愛用している「マグネシウム歯磨きペースト」を、ぜひご家庭の定番にしてみて下さい。数々のよからぬものが含まれずにマグネシウムが強化されているので、口腔内の健康の維持増進に幅広く役立つことでしょう。

<参考文献>
◆Nylon Bristles and Elastomers Retain Centigram Levels of Triclosan and Other Chemicals from Toothpastes: Accumulation and Uncontrolled Release
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.7b02839

 

 

 

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