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9月21日

2017.09.21 Thursday 13:48 | comments(0) | kpmi0008

【集中ばかりしていると、クリエイティブな仕事は出来ません】

「仕事の合間にぼんやりする時間を設けることが大切。楽しい事をしてリラックスする時間を設けることも大切です。」
何故なら、世紀の大発見は集中しているときではなく、ぼんやりしているとき、または楽しいことをしてリラックスしているときに生まれているからです。

左上の図はニュートンですが、ベンチに座ってぼんやりしているときに落ちているリンゴを発見し、リンゴに対して働いている力が月や惑星に対しても働いているのではないか…とひらめいたと言われています。決して机に向かって物理学の計算をしているときではありません。

右上の写真はアインシュタインですが、彼は自転車に乗るのが好きで、楽しんで自転車に乗っているときに相対性理論を考え出したと言われています。決して机に向かって物理学の問題を解いているときではありません。

何故そのようなことが起きるのかというと、次のような理由からです。
下方右端の図において赤色で示されているのは、計算問題を解いているときなどのように、何かに集中しているときに活動している脳の領域です。集中しているからこそ、他のことには考えが及びません。計算問題であれば、その計算を正しく進めることだけに意識が集中してしまい、クリエイティブな発想は不可能になります。

一方、左端の図において青色で示されているのは、ぼんやりしているときに活発に活動しているデフォルト・モード・ネットワークと呼ばれる領域です。このネットワークは、主に過去の膨大な記憶と今の自分を照らし合わせて自分の位置づけを確認・再調整する、言わば自我を形成する部分ですが、仕事や学習によって得た記憶の整理・統合化・書き換えなどにも関わっています。例えば直前に得た知識が断片的なものであっても、ぼんやりしている時間に、欠けている部分が過去の記憶の中から探し出され、それが補完されて、ある程度まとまった知識として組み上げられます。地面に落ちているリンゴと惑星間の引力とが結びついたのも、その時間帯なのです。

中央の図は、デフォルト・モード・ネットワークと、集中しているときのネットワークが切り替わるときに活動する部分であると言われています。即ち、ぼんやりしているときに過去の記憶が結びついて新しい考え方が生まれた時、それを検証するために実際の計算作業に向かわせる行動を生み出す部分です。アインシュタインが自転車に乗って楽しんでいるときにひらめいたことを、本業である物理学上の問題を解く仕事に応用させたのがこの領域であると言えます。この領域も、集中しているときには活動しません。ゆったりとリラックスしている時にこそ活動します。

まとめて簡単に言うならば、ずっと何かに集中しっぱなしという人生ではクリエイティブな仕事はできません。そうかといって、ずっと何もしないでぼんやりしている人生は、デフォルト・モード・ネットワークばかりが強く働いて、その思考内容が内省的なものばかりであれば、うつ病に罹ってしまいます。好ましいのは、何かに強く集中する時間と、何も考えずにぼんやりする時間が、それぞれ適度な間隔で入れ替わることです。入れ替わる瞬間が多ければ多いほど、図中央の黄色の領域が活性化する時間も増えることになります。

補足ですが、スマホを使ってぼんやりは出来ません。ぼんやりできないということは、切り替わる時の領域も働きません。すっと何かに集中しっぱなしの人生になります。楽しいと思うことをしていても、それはぼんやりしないわけですから、デフォルト・モード・ネットワークは働きません。直前に得た記憶も整理されず、欠けているところも補完されず、長期記憶に入ったとしても断片的な記憶にしかならないことになります。

ですから、仕事の合間にぼんやりする時間をこまめに設けることは大切なのですね。

 

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