山田所長ブログ facebook 杏林予防医学研究所

6月26日

2020.06.26 Friday 16:27 | comments(0) | kpmi0008

『新型コロナ感染者数を見て判断していると道を誤る』

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)に関する現在の状況について、考えるところを少し述べてみたいと思います。
 今、多くの人が気にかけていることは、「今後どのようになっていくのであろうか…」ということだろうと思います。そして、そのなかでも大きな問題は、「国や地方自治体が今後どのような施策を採っていくのか」ということだろうと思います。この問題は、仕事や生活に直結しますから、それこそ死活問題となります。

 掲載した図の右下は、新型コロナウイルスの系統樹です。以前のFacebook記事でも紹介しましたが、それの最新版です。今現在、新型コロナウイルスの変異の数はこれほど増えているということです。
 初めてご覧になる方は、家系図を横向きに書いたものだと解釈してもらえば結構です。なお、その系統の線が途中で途絶えているのは、その後には検出されていないということですが、単にサンプリングされなかっただけであって、死滅していることを意味しているのではありません。

 これだけ新型コロナウイルスの遺伝子(RNA)が変異し、様々な特徴を持った新型コロナウイルスが誕生すると、PCR検査で検出されないものが既に出ていることと思われます。何故なら、PCR検査は、他の種類のコロナウイルスがかかってこないように、精度がかなり高められているからです。即ち、当初の新型コロナウイルスが持っていたRNAの塩基配列が存在するか否かを厳密にチェックしますので、その部分のRNAが変化してしまうと、「新型コロナウイルスではない(=陰性)」という結果になります。

 もう一つ、現在行われている検査法には抗体検査法があります。これは、インフルエンザでもお馴染みの検査法であって、新型コロナウイルスの感染によって、新型コロナウイルスに独特の抗体が出来ているか否かをチェックするものです。しかし、これには別の大きな問題があります。それは、新型コロナウイルスに感染して回復した人であっても、他の種類の抗体や、抗体を作らない細胞性免疫によって打ち勝った人が沢山いると推測できるからです。掲載した図の左上に、「抗体検査 実際の感染者は数倍以上か」という文字が見えますが、それがよい証拠となります。

 掲載した図の中段左側に、6月25日現在の、日本における感染者数と死亡者数のグラフがあります(出典:TBS)。上述しましたように、実際に検査してもらい、その検査によって「陽性」であると判断された人の数が、このグラフにおける「感染者数」ですが、実際にはこれの数倍以上であろうというのが左上に示した報道内容です。更には、大部分の人が無症状で終わってしまっていることを考え合わせると、実際の感染者数は、これよりも更に一桁多いかも知れません。いや、もっともっと多いのかも知れません。

 それに対し、死亡者数を見ていただければわかりますように、一桁台です。少ないから良いという意味ではなくて、グラフ上の数よりも何倍も多い感染者の中で、死に至った人が一桁しかいないということです。しかも、その一桁の人は、それ以前から健康上のトラブルを抱えている人です。もちろん、そのようなトラブルを抱えた人ならば、インフルエンザに罹ったほうが遙かに致死率が高くなるわけです。

 タイトルに書きましたように、感染者数の変化を見て判断していると、道を誤る大きな原因になります。これが、死亡者数の変化を見て判断するのなら、まだ少しは意味があるかも知れません。しかし、死亡することと、新型コロナウイルス感染との関係は、かなり小さいのです。それよりも、体の調子を崩すことと、死亡することのほうが関係が深いということです。体の調子を崩していると、それが新型コロナウイルスであろうが、インフルエンザウイルスであろうが、レジオネラであろうが、死に至ってしまうリスクが高まるわけです。

 もう一つ重要なことは、現在の日本で検出されている新型コロナウイルスの種類は、外国で高い致死率を示した新型コロナウイルスの種類とは別であると言えます。もちろん、激しく変異し続けていますし、日本人が海外に行ったりもしますから、どのような凶暴性を秘めた新型コロナウイルスが日本に現れるかはわかりません。しかし、今、「感染者数が○○名になりました」と言って騒ぎ立てる必要性は無いと言えます。今の日本にいる新型コロナウイルスは、感染しても無症状で終わる人が大半という、いわゆる毒性の弱いウイルスだからです。これの対策のために、子どもたちを含めた多くの人が犠牲になりました。

 では、今後、どうすればよいのか? という問題の答えですが、国や地方自治体のトップの方々、および、人々の活動に対して大きな影響力を持っている方々に、“死亡の原因を作っているのは新型コロナウイルスではなくて、健康を損ねることである”という事実を認め、健康対策を重視していただきたいことです。

 上述しましたように、体が新型コロナウイルス専用の抗体を作る以前に、持ち前の抗体で新型コロナウイルスをやっつけた人もいると考えられます。或いは、マクロファージやキラー細胞などの自然免疫によって新型コロナウイルスをやっつけた人もいると考えられます。従って、これまで自粛していたイベントに人が押し寄せることになる場合、新型コロナウイルスに気を使うことよりも、押し寄せる人の健康状態にこそ気を使うべきである、ということです。

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